【書評:2070冊目】仮説とデータをつなぐ思考法(田中耕比古)

【直感とデータをつなげることで限界突破せよ!】
株式会社ギックス取締役/共同創業者・田中耕比古氏が、『仮説とデータをつなぐ思考法』と題して、ビジネスの成果が確実にあがる、データとの向き合い方を解説する一冊。

■書籍の紹介文

ビジネスにおいて最も大切なこと。
それは、なんだと思いますか?

 

本書は、「データをもっと活用して!」がどうも苦手な人に向けて、ビジネスとデータの関係性を紐解きながら、成果につながるデータとの向き合い方を解説する一冊。

 

『成功の再現性を高めること』
これが、著者がビジネスにおいて最も大切だと考えるものです。

 

これを踏まえると、わたし達の仕事はどうなるのか。
おそらく、現時点で最も成功に近い状況を整えること、になるでしょう。

 

ここで大事になるのが、次の2点です。
(1)なにを持って成功とするのか定義すること
(2)成功と現状の差をできるだけ正確に把握すること

 

この2点の精度を限りなく高めるのに役立つもの。
それこそが、本書のテーマである「仮説とデータをつなぐ思考法」になります。

 

日々の業務を行う”ビジネス”領域。
日々の業務を行うことで蓄積される”データ”領域。

 

2つの領域がうまくリンクしたとき、成功の再現性を高めることが可能になります。
そのうえで、うまくリンクさせることができる人材にあなたがなることが求められていると著者は指摘します。

 

仕事の経験値が上がるにつれて、経験に裏打ちされた勘や直感が磨かれていきます。
しかし、それらは属人的なため組織での再現性は低く、また、環境変化に脆い面を持っています。

 

この勘や直感を、データで裏付けすることができたら。
本人の勘や直感を補強することもできて、なおかつ、組織で共有して再現することも可能になります。

 

だれもが、一度は「そんなことができればな・・・」と考えたことがあるでしょう。
いまこそ、願望を現実のものにしてほしいと語り、具体的なアプローチ方法を解説していきます。

 

今後、データとの付き合いは、濃くなる一方で薄くなることは絶対にありません。
データとビジネスをうまくつなぐことができる人材にならなければ、淘汰されるリスクは増すでしょう。

 

本書で勘所を押さえて、苦手克服の一歩を踏み出しましょう。
ビジネスを行うのは、どんな時代になろうとわたし達”人間”です。

 

◆読んでおきたい一冊。

仮説とデータをつなぐ思考法
田中耕比古 SBクリエイティブ 2023-9-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

1度限りの成功は”まぐれ当たり”です。
1度だけの失敗は”運がなかった”だけのことです。
大切なのは「その経験を踏まえて、次の仕事の成功確度を高めること」です。
「成功の再現性」を高めるための努力こそが、ビジネスにおいて最も重視されるのです。

 

判断の精度は確かに重要なものですが、判断のスピードも同様に重要です。
では、どうすれば良いのでしょうか。
その答えが、「データを用いて、勘と経験を補強する」ことです。
勘と経験の速度を維持しつつ、データを用いることで判断の精度が落ちないように担保するのです。

 

良い質問・依頼を投げて、回答を基に考える。
それが、とても重要な仕事です。

 

データ活用の目的を設定し、その目的のためにどのようにデータを活用するかを考えることが重要です。
これを怠ると、どれだけデータを加工しても、まったく意味がありません。

 

”データを取り扱う仕事”と先ほどの”事業を推進する仕事”の間には、「データを理解してビジネス成果につなぐ仕事」が存在しています。
すなわち「データの業務適用」です。
この仕事こそが、デジタル活用の鍵、つまり、DX成功の鍵です。

 

蓄積されたデータを使う際には、既に獲得した勘・経験を、データで検証するというアプローチがお勧めです。

 

分析サイクルを何度も回すことで、ビジネスとデータがシームレスにつながり、事業課題の解決が進んでいくわけです。

 

どのように役割分担をしようとも、ビジネス人材が必ず行うべきは「データとビジネスをつなぐ」ことです。
そして、駆動輪であるデータ人材に適切な要望を正確に伝え、操舵輪として、ビジネスの舵取りをしていくことです。
データ人材の領域に踏み込んでいくのは、データを自分自身でうまく取り扱うためではありません。
データ活用をスムーズに、そして効果的に行うためです。

 

物事を深く考えるためには、質の良い情報を集める必要があります。
質の良い情報は、正確性が高く、また鮮度が良い情報です。
また、可能な限り客観的な情報のほうが良いでしょう。

 

あらゆる脳内情報を使って「今、目の前で起こっていることには、こんな原因があるんじゃないか?」と考えてみる、これが「仮説を作る」という作業です。
単なる当てずっぽうではなくて、もう少し実態に即した仮の答え、仮の考えを出せるのが、仮説思考の特長です。

 

データを見て違和感に気づき、その違和感の理由についてデータを見ながら考える。
このサイクルをうまく回していくことで、知らない業界、知らない領域についても、思考を深めていくことが可能になるのです。

 

●仮説思考の5ステップ
(1)気づき:データ利用ポイント
(2)仮説構築
(3)仮説検証:データ利用ポイント
(4)新たな疑問
(5)疑問の深掘り

 

●データを見る際の「3つの禁じ手」
禁じ手1:データの解釈を捻じ曲げる
禁じ手2:自分の勘・経験に固執する
禁じ手3:論理性を軽視する

 

大切なのは、「実際にどのデータを使うか」ではなく、「何を知りたいのか」および「どうやってその事実を確認するか」なのです。

 

データと真剣に向き合い、ビジネス感覚とすり合わせながら、現場で何が起こっているのかを突き詰めて考えることが、データとビジネスをつなぐ、ということです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2070-1】気になる出来事に対して「なんでだろうか?」と仮説を立てることを癖にする

【2070-2】仕事や関連する領域で、『この話を、誰に相談したらよいか』という相談を受ける立場になることを目指す

【2070-3】頭の中の考えを言語化する練習を習慣にする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】仮説とデータをつなぐ思考法
【著者名】田中耕比古著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/9/30
オススメ度★★★★☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード思考問題解決発想力
【頁 数】264ページ
【目 次】
第1章 爆発的に加速するデータ時代の中で
第2章 データ活用、DX推進における誤解
第3章 人間が主役のデータ活用
第4章 仮説思考でデータと向き合う技術
第5章 データインフォームド思考 実践編

 

▼さっそくこの本を読む

仮説とデータをつなぐ思考法
田中耕比古 SBクリエイティブ 2023-9-30
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田中耕比古さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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