【書評:2071冊目】神雑談力(中北朋宏)

【人間関係は3段階で成り立っている!】
株式会社 俺 代表取締役社長・中北朋宏氏が、『神雑談力』と題して、雑談が苦手な人ほど陥りやすい点を改めながら、会話が人間関係がどんどん楽しくなる会話術を指南する一冊。

■書籍の紹介文

鏡の前で、自信あり!という”笑顔”をつくってみてください。
鏡に映るあなたは、想像どおりの”笑顔”になれていますか?

 

本書は、ビジネスで「笑い」は最強の武器になる!と提起し、人間関係や会話をロジカルに紐解きながら、身につくまでくり返し取り組んでほしい会話術を指南する一冊。

 

笑顔はコミュニケーションにとって最良のツールである。
コミュニケーションに関する本を読んだことがあれば、似たようなフレーズを一度は目にしているはずです。

 

確かに、笑顔は人を明るく前向きな気持ちにしてくれます。
無論、この場合の人には、相手はもちろん、”自分自身”も含まれます。

 

笑顔が溢れる会話は、楽しく、印象にも残り、なにより相手に好印象をもつ。
反面、笑顔のない会話は、辛く、印象も薄く、相手への興味もなくなる、という感覚があるとおもいます。

 

つまり、コミュニケーションの中で笑顔を効果的に生み出すことができれば。
お互いの間に明るく前向きな気持ち(空気)が生まれ、人間関係の確かな一歩を踏み出せる可能性が高まるわけです。

 

では、どうすれば『効果的に』笑顔を生み出すことができるのか。
ここをロジカルに突き詰めて、体系的なテクニックにまとめ上げたのが本書です。

 

著者は、元お笑い芸人という経歴を生かし、笑いの力をビジネスに活かすコンサルを展開されている方。
人を笑わせる=人を笑顔にするプロである芸人というバックボーンが、著者の説くロジックにより説得力を持たせているように感じます。

 

◎無礼・無愛想はコストである
◎意味の”ない”雑談は今すぐやめろ
◎イジリが得意という人の9割は、ただのパワハラ

 

こうした芸人さんらしい、読者が思わずツッコミたくなるフレーズが随所に出てくるので、ロジカルな話も飽きずに最後まで楽しめます。
笑いを研究し、人を観察し、試行錯誤してきた著者の努力が滲み出ており、これは試してみよう!と取り組み意欲を掻き立ててくれるエネルギッシュな一冊です。

 

ビジネスの場だからこそ、笑いのもつチカラが効く。
このことを、あなたも読んで感じてみてください。

 

◆熱く濃く笑える一冊!

神雑談力
中北朋宏 東洋経済新報社 2023-9-20
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■【要約】15個の抜粋ポイント

ここで最初に押さえていただきたいのは、人との関係構築には3つのフェーズがあるということです。
それぞれ目的があり、必要なスキルも異なります。
(1)関係開始:この人は良い印象だ
(2)関係継続:この人をもっと知りたい
(3)関係深耕:この人の力になりたい

 

「笑顔」は、自分自身の印象をよくするだけでなく、周囲のパフォーマンスにも影響を及ぼします。
自分が笑顔であることもさることながら、笑顔でいる人を見つけたら全力で駆け寄って近くにいるように心がけましょう。
その人は、あなたにとってパワースポットです。

 

●関係開始の3つのステップ
ステップ1:事実情報への質問
ステップ2:承認と自己開示
ステップ3:価値観に触れる質問

 

いつもの音楽をトーク番組や漫才に替えてみてください。
それだけでも、変化を感じると思います。
ちなみに、音楽からトーク番組に替えるとメリットとして、「聴くだけで面白い」という副産物もつきますよ。

 

「自分はイジるのが得意」と自負している人ほど、相手への配慮がなく「パワハラ」「セクハラ」などのヒドイ結果へと繋がっていることが多いです。
誰も得していないので直ちにやめましょう。

 

●「イジリ」に対しての3種類の「返し」
(1)小馬鹿にするイジリ→「繰り返し」
(2)他愛ないイジリ→「たとえ返し」
(3)無茶なイジリ→「ノリ返し」

 

(関係継続には、相手に「自分と関わるとメリットがある」と認識してもらう必要がある)
この場合のメリットとは、もちろん「相手が利益を得られる」ことではありますが、利益にはいろいろな意味が含まれています。
(1)安心感がある
(2)話していると面白い
(3)悩みを聞いてくれる/解決してくれる
(4)目的達成に必要である/有益な情報が聞ける
などのメリットを相手に感じてもらうことができれば良いわけです。

 

心から「関係継続したい」と思える相手には、メリットの提示もさることながら「敬意」を示すことが何よりも重要だと思います。
ただ、相手から「敬意」を示されず、メリットだけで繋がっている場合は、無理せず関係継続を終わらせるのも一つの手だと思います。

 

やりたいことを実現するためには「関係深耕:この人の力になりたい」という、あなたの「ファン」を職場に作る必要があるというわけです。

 

相手が応援したくなるような言葉にはどのような要素が含まれているでしょうか。
具体的に5つの要素を紹介していければと思います。
1.違和感が残る言葉を使う
2.少しだけ面白みを入れる
3.自分がメッセージを届けたい人が共感する言葉を使う
4.背景のストーリーに独自性がある
5.自分が口にして気持ちが良い

 

リスクをとってでも「大好き」をとりに行くために「自分らしさ」を発揮する目的と戦略を描く必要があるのです。
なぜならば、第1章で触れたように、相手もあなたのことを「人生にとって必要のない人」と分類する可能性の方が高いからです。

 

どうすれば「自分らしい目的」を作れるのかというと、「煩悩」に耳を傾けるところから始めてください。

 

名づけるという行為は、人の意識を変化させる力を持っているということです。
さあ、あなたに、あなた自身があだ名をつけてみてください。

 

普段から「笑顔」でいない方が表情を少し変えたところで、印象が変わることはありません。
だからこそ、「笑顔」ではなく「爆笑」を練習してください。

 

「叱る力」とは、簡単にお伝えすると「部下が『怒られた』ではなく『成長できる』と思えるように伝える力」のことを言います。
具体的には、次の3つのステップに分けられます。
ステップ1:納得感がある指摘をする準備
ステップ2:叱る
ステップ3:モチベートする

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2071-1】人脈には限界があると理解し、すべての人から好かれようとせず、親しい12〜15人までを大事にする

【2071-2】(相手に対して/自分に対して)日々感じる「怒り」を書き出すノートをつくる

【2071-3】名言っぽい言葉をつくるような感覚で、自分で感じたことや思いついたことを言語化する練習をする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】神雑談力
【著者名】中北朋宏著者情報
出版社東洋経済新報社
【出版日】2023/9/20
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の人間関係を良くしたいときに
キーワード雑談リーダー苦手克服
【頁 数】352ページ
【目 次】
第1章 会って7秒の印象が勝負を決める
第2章 笑いは最強の武器である
第3章 集団の場のコミュニケーションを制する
第4章 次も会いたいと思われる神雑談力
第5章 自然とまわりから協力してもらうコミュニケーション術
第6章 自分らしさを知り、行動継続を楽にする
第7章 楽しく、心理的安全性のあるチームを作る

 

▼さっそくこの本を読む

神雑談力
中北朋宏 東洋経済新報社 2023-9-20
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中北朋宏さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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