【書評:2067冊目】社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ(河野英太郎)

【長い人生で息切れを起こさないために・・・】
株式会社Eight Arrows代表取締役・河野英太郎氏が、『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』と題して、中堅社員こそ大切にしてほしい心得を伝授する一冊。

■書籍の紹介文

今の自分の仕事や人生・・・。
焦りを感じたりすることはありますか?

 

本書は、『社会人10年目』は多くの悩みを抱える「キャリア思春期」と言えると指摘しながら、キャリアの上でも大事なこの時期を乗り越えるために、大切にしてほしい心得を伝授する一冊。

 

仕事を覚える時期は過ぎ、徐々に責任ある仕事を任されるようになる。
『社会人10年目』でイメージされるのは、そんな中堅社員の姿だとおもいます。

 

『社会人10年目』は、年齢にすれば20代後半〜30代前半の時期。
仕事も覚え、会社や社会のことなど、いろいろなことに目を向けられるようになる時期だとおもいます。

 

一方で、いろいろ見えるようになった分だけ、悩みを抱えてしまう時期でもあります。
仕事内容、出世、転職、同期の間の差、上司(部下・後輩)との人間関係、などなど。

 

そのさまを、「思春期」に喩えているのは著者の妙だと感じます。
まさに、いろいろな感情に翻弄され、立ちはだかる「壁」に打ちのめされ、でも自分を表現したいという思春期のような時期が『社会人10年目』といえるでしょう。

 

このように捉えると、どうやって乗り越えればいいのか・・・と不安な気持ちが芽生えます。
しかし、著者は安心してほしいと諭します。

 

思春期の記憶が、ほろ苦くも良い思い出となるのと同じように。
『社会人10年目』の苦しみも、のちにそのようになるのだからと。

 

ただ、現実問題として、『社会人10年目』はその後のキャリアを占う重要な時期でもあります。
誰しもがうまく乗り越えて、より幸せなキャリアを築きたいと願うものです。

 

そんな『社会人10年目』だからこそ、心に留めておいてほしい。
考えてみてほしいことをまとめ上げたのが本書です。

 

「スキル」「キャリア」「職場環境」「マネジメント・リーダー」「時代の変化」。
この5つのテーマごとに、大切な心得を伝授していきます。

 

◎何事も基本が大切である
◎周りを気にしてはいけない
◎焦ってはいけない
◎人は弱いものである

 

ひとつひとつの心得は、とてもシンプルです。
が、それゆえに心にスーッと入り響いてくるので、自然と自分と向き合わせてくれる感覚が好きです。

 

いろいろ考えられるようになった時期だからこそ、考えておきたいこと。
ぜひ、あなたも味わってみてください。

 

◆自分と向き合うのに適した一冊。

社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ
河野英太郎 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2021-12-23
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■【要約】15個の抜粋ポイント

何かを成し遂げるために、目の前の仕事を着実にやり遂げる。
もちろん「理想は高く掲げつつ、ね」。

 

今、「できる」必要はないのです。
「やりたい」気持ちさえあれば。

 

「これからのみなさんのキャリアの中で、『追いかけるもの』と『ついてくるもの』を間違えないようにしてほしい。お金や地位は追いかけてはいけない。みなさんが追いかけるのはお客様の成功であり、そのための自身のスキル開発だ。それさえ間違えなければ、お金や地位は後からついてくるものだ」

 

一旦道を選択したら、割り切ってそこに没頭することが、自分をつらい状況から解放するための最短距離なのです。

 

やるまでは「とても難しい」と思っていたことも、一度やってみると「ものすごく簡単」なものなのです。

 

自分のキャリアには定年が存在せず「60歳や65歳でキャリアは途切れない」と考え方を変えるだけで、行動や学びの幅が広がるのを感じます。

 

会社の方針に疑問を持ち始めたときに、次にあなたがどういう対応をするかで、のちのキャリアが決まってくる、と考えてみてください。

 

見るべき相手を間違えてはいけません。

 

お客様のためになることに注力している人は、特に評価を気にしていません。
追いかけるのは高品質な顧客サービス。
評価は結果としてついてくるものだと割り切っています。

 

リーダーとマネジャーは別物です。
そしてリーダーシップは仕事をする上で全員に求められるものです。
そう考えると吹っ切れる感じがしませんか?

 

相手や組織の文化が「理」を重視するか「情」を重視するかを見極め、それに合わせたコミュニケーションスタイルをとるのです。

 

大いに学びましょう。
ただし、自ら考え実践することとも両立するのは必須です。

 

周りで起きている変化にアンテナを張り続け、それを不必要に恐れすぎず、むしろ好奇心を持って近づいて探索してみる。
間違っても軽視しすぎない、ということに尽きます。

 

普段から「変える側」に立っていれば、AIが来ても、DXが来ても、カーボンニュートラルが来ても、変える側で居続けられるでしょう。

 

まず最低限、頭からの否定はしないことです。
その上で、まずは触れてみるという行動が必要です。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2067-1】「人は弱いものだ」という認識を常に持っておく

【2067-2】どんな仕事でも基本を大事にする

【2067-3】他人と比較しない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ
【著者名】河野英太郎著者情報
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版日】2021/12/23
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方リーダーキャリアアップ
【頁 数】229ページ
【目 次】
1章 スキルの壁
2章 キャリアの壁
3章 職場環境の壁
4章 マネジメント・リーダーの壁
5章 時代の変化の壁

 

▼さっそくこの本を読む

社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ
河野英太郎 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2021-12-23
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河野英太郎さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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