【影響を俯瞰して捉える目を養う】
一般社団法人エシカル協会代表理事・末吉里花氏が、『エシカル革命』と題して、エシカルに生きるとは自分の生き方自体を問うことだと提起し、はじめの一歩となる行動を指南する一冊。
■書籍の紹介文
地球環境や社会のために「いいこと」。
日常生活でとり組んでいることはありますか?
本書は、持続可能な世界を構築するために新しい習慣や常識を選ぶ時期が来たと語り、自分の生活だけでなく社会を変えていく「はじめの一歩」となる行動を指南する一冊。
エシカルに生きるとは。
毎日の生活をとおして、自分にとっても、人や地球環境、ほかの生き物にとっても「いいこと」をすこしずつ積み重ね、だれもが幸せな未来をつくっていくことです。
ひとりひとりが起こせる変化は、小さなものです。
でも、積み重ねていくことで、「塵も積もれば山となる」大きな変化になっていきます。
この積み重ねにとって、大切なこと。
それは、積み重ねた先にある世界を自分がどれだけ望むことができるかです。
そのためにも、やらされていると感じたり、同調圧力に流されたりしてはいけません。
とり組むことが苦痛になってしまっては本末転倒だからです。
近年増大する自然災害。
わたし達は「なにかがおかしい」「なにか対応が必要だ」と”認識”はできています。
また、SDGsをはじめとする情報の拡がりによって、進むべき道を考える”知識”も持っています。
”認識”と”知識”、あと残るのは”行動”だけです。
これだという”行動”の正解はありません。
自分自身で、影響をしっかり考えて、自分がとり組みたい”行動”を積み重ねていくだけだからです。
参考として、巻末には、オススメする”行動”を「エシカル・アクションガイド」と名づけた一覧表で掲載しています。
まずは、そこから”行動”を選択するのもいいでしょう。
”行動”をすることで、あたらしい考えが浮かぶこともあるからです。
どちらにしても大切なことは、「はじめの一歩」を踏み出すこと。
持続可能な世界を築くために残された時間は多くありません。
地球環境から人間が追い出されないために、できる”行動”からはじめましょう。
◆今こそ、人間の知恵を地球のために。
エシカル革命
末吉里花 山川出版社 2021-12-25
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■【要約】15個の抜粋ポイント
なぜ、現在地を知ることから始めるのか。
それは、現実がわからなければ目標を設定できず、ゴールに向かうための筋道を立てられないから。
そして、エシカルについて考える時にもっとも大事なのが、「相手」が見えることだからです。
地球はひとつで、世界はつながっています。
もしあなたが世界の現状を知って、それを変えたいと思うのなら、お財布から出す大切なお金が、自分の「意思表明」になっていきます。
ふだんの買い物が、今は犠牲を強いられているかもしれない「誰か」の状況を改善したり、温暖化に歯止めをかけたりする助けになります。
「里花さん、それを聞いたら市民はみんな、生ゴミって何ですか?ゴミではなく、生”資源”ですよね?と言いますよ」
消費のあり方を根本から問い、資源を有効に使う暮らしのスタイルが7Rです。
・Rethink(リシンク):自分の暮らしを見つめ直す
・Refuse(リフューズ):必要のないものは、理由を添えて断る
・Reduce(リデュース):「地球1個分」の暮らしを意識して、ゴミや持ち物を減らす
・Reuse(リユース):使えるものは何度も繰り返して使う
・Repair(リペア):修繕しながら、「もったいない」精神でものを使う
・Repurpose(リパーパス):目的を変えて、違うものとして使う
・Recycle(リサイクル):資源として再利用する
国立環境研究所によると、家庭から出るCO2の排出量の割合は、2019年度には電気が45.1%と、実に半分近くを占めています。
つまり、みんなが省エネを心がけることが、CO2削減への大きな貢献となるのです。
足すより引くを意識すると、暮らしがよりシンプルになっていきます。
「正しい」商品やサービスを選びたいときに参考になるのが認証ラベル制度です(P.121参照)。
人は自分に関係があるとわかれば、関心を持ちます。
相手の興味は何か。
共に考えていけそうなことは何か。
アンテナを張っていれば、話の糸口はかならず見つかるはずです。
エシカルに生きるとは「人間として、この地球上でどう生きていくのか」を自分自身に問い、行動することと言えるかもしれません。
これまでの消費や暮らしのあり方を変えていくエシカルから一歩進み、勇気を出して社会との関わりを持ち、変化を促す行動です。
これを、エンゲージド・エシカルと名づけました。
私がこの本でご提案したい新しいエシカルの考え方です。
(略)
エンゲージド・エシカルとは、より深く社会と関わる「行動するエシカル」や「社会参画するエシカル」と言えます。
自分を変えることなしに、社会の変化は起きません。
科学的に考えつつ、同時に、自分の心を感じ表現していく。
パンデミックの中で、関係性のない孤立した暮らしはとても脆いものだと私は気づきました。
お店で食料品や日用品が手に入らなければ、途方に暮れてしまうような生活は怖いです。
近くにいる人たちとのつながりを改めて見直すことで、いざという時にお互い助け合える仲間が作れます。
生活も「持続可能」になっていきます。
自分を大切にするように、自然や生き物を大切にする。
自然や生き物を大切にするように、自分を大切にする。
■【実践】3個の行動ポイント
【1797-1】「地球の一員としてあるべき生き方」を思うままに書き出す
【1797-2】【1797-1】で書き出したうち、今日からできることを1つ実践してみる
【1797-3】【1797-2】の実践から感じたことを振り返る
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】エシカル革命
【著者名】末吉里花 ・ 著者情報
【出版社】山川出版社
【出版日】2021/12/25
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】社会貢献を考えるきっかけに
【キーワード】社会、生き方、問題解決
【頁 数】275ページ
【目 次】
1章 「当たり前」の裏側には何があるの?
2章 「壁の向こう」で始まっている新しい動き
3章 変化を楽しみながら進むには
4章 エンゲージド・エシカルでいこう!
5章 エシカルにつながりながら生きる知恵
この本が、あなたを変える!
エシカル革命
末吉里花 山川出版社 2021-12-25
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末吉里花さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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