【書評:2019冊目】AI DRIVEN(伊藤穰一)

【AIは生産性を向上する”相棒”である】
デジタルガレージ取締役・伊藤穰一氏が、『AI DRIVEN』と題して、AIをうまく使える人ほど大きく飛躍していく時代だと提起し、AIで進化する働き方を考察する一冊。

■書籍の紹介文

ジェネレーティブAI。
あなたの働き方にどのような変化を及ぼすとおもいますか?

 

本書は、ジェネレーティブAIは仕事や教育などあらゆる領域に大きな影響を及ぼしていくと提起し、AIで進化する働き方を考察する一冊。

 

ジェネレーティブAIとは、人間の出すオーダーに答えて、テキストや画像などの生成物をつくり出すことのできるAIのこと。
生成AIとも呼ばれる技術です。

 

人間の指示に従って、生成物をつくり出す。
つまり、特性を理解し活用することができれば、AIは「有能なアシスタント」になりうるということです。

 

ジェネレーティブAIをどのように使っていくべきか。
ジェネレーティブAIを使う上でのリスクや諸問題はどこにあるのか。

 

最新の例や説明を用いて、今理解しておくべきことがまとめられています。
既存の仕事が、ジェネレーティブAIによってどのような変化を起こすのかも、わかりやすく考察しています。

 

重要なのは、恐れずに理解しようとする姿勢です。
そして、いち早くAIとの適切な距離感を築けた人から、大きな飛躍を遂げることになるのです。

 

「AIを使える人」の時代が始まっています。
変化に合わせて、変化をする時です。

 

◆潮流に乗ろう。

AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方
伊藤穰一 SBクリエイティブ 2023-5-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

ジェネレーティブAIは、こちらの問いかけに対して「正解の選択肢」を示すのではなく、こちらからの投げかけに従って作業し、「案」を提示する。
それを元にこちらが「正解を導いていくためのツール」の一種であるということです。

 

ジェネレーティブAIが真っ先に役立つ局面は、次の3点です。
(1)今まで日常的に感じてきた「面倒なこと」を解消すること
(2)着想の「とっかかり」を得ること
(3)「ブレスト」をして、アイデアを磨き上げること

 

ジェネレーティブAIを使うことで、働き方が大幅に変わりそうな職業には、どのようなものがあるでしょうか。(一部抜粋)
・営業→データ集計、提案資料の作成が高速化する
・事務→大半の書類仕事が一瞬で終わる
・広報→プレスリリースの制作が簡単に
・教師→「おもしろい学び」を創造できる
・ライター→原稿執筆は、草稿をブラッシュアップする作業に変わる
・編集者→構成案、書籍タイトルの検討が容易に

 

世の中には、個人(もしくは企業)の個別のデータを多く持っているサービスが、すでにたくさんあります。
それが何らかのかたちでAIと合わさることで、より顧客満足度を高めていくという「データ×ジェネレーティブAI」のビジネスモデルが、今後、増えていくと予想できるのです。

 

プロンプトは自然言語の羅列です。
つまり、ジェネレーティブAIを使って仕事をする際には、「どんな言葉を掛け合わせ、どうジェネレーティブAIを扱ったら、筋のいいたたき台が生成されるか」を考えるセンスが求められる。
その点においても、DJと同様、「掛け合わせ、練り上げること」が人間のクリエイティビティの見せどころといえるのです。

 

あくまでAIは「人間の機能を拡張させる便利ツール」であり、主体としての人間は存在し続けます。
「人間を超える」というコンセプト自体に意味がないのではないかと思います。

 

子どもであろうと大人であろうと、絶対不変の正解がないなかで「自分なりの答え」を探すためにさまようという経験も、「生きる力」を育むうえでは必要でしょう。

 

AIが出した答えを検証する過程で、様々な周辺情報や派生的な知識にも自然と触れることになるはずです。
この過程も含めて、うまく活用すれば得るものが非常に多い効果的な勉強法ともいえるのです。

 

プロフェッショナリズムを構成するものとは何か。
僕は次の3つがあると思います。
(1)AIが提示した答えの正誤をきちんと「チェック」できること
(2)自分が従事する分野において「習熟」していること
(3)「変わったこと」を発想できること

 

AIが提示したものを自分の目で「チェックする」というプロセスは絶対に必要です。
それでも自分でゼロから手を動かして作業をこなすよりは、100倍楽と感じるでしょう。

 

ジェネレーティブAIが学習しているデータは膨大ですから、こちらが思ってもみなかったものを生成してきます。
テイストやタッチもAIによってまったく違う。
だから、アイデアを練る際の相談相手として非常に有用というわけです。

 

AIならば、こちらが指示を出すだけで、トークン配分率から、プロジェクトの目的や公益性まで含めて、非常に俊敏かつ正確にDAOのフェアネスの診断を下してくれます。

 

AIは過去のパターンから最適解や予測を導き出すようにできているため、従来の社会構造が固定されるように作用してしまうのです。

 

僕たちは、AIをディレクションし、1つのものを練り上げる優れた「編集者」になるとともに、AIの間違いを見逃さず、適切に修正できる優れた「校正者・校閲者」にもなる必要があるということです。

 

ジェネレーティブAIは、「先に入力されている指示」ほど忠実に表現するようなので、自分が重視する順に指示を並べます。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2019-1】自分の仕事への習熟度を深め続ける

【2019-2】AIの成果物を鵜呑みにせず、正誤を確認することを怠らない

【2019-3】プロンプトの学習をする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方
【著者名】伊藤穰一著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/5/30
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方キャリアアップサイエンス
【頁 数】280ページ
【目 次】
序章 AI DRIVENで生まれている、世界のメガトレンド
第1章 [仕事]僕たちの役割は「DJ的」になる
第2章 [学び方]必要な学びをそれぞれが選択するようになる
第3章 [イノベーション]創造は「ゼロからイチ」ではなくなる
第4章 [リーダーシップ]「人間を見る力」が問われる時代になる
第5章 新時代をサバイブするためのAIリテラシー

 

▼さっそくこの本を読む

AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方
伊藤穰一 SBクリエイティブ 2023-5-30
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伊藤穰一さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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