【書評:2085冊目】世界一かんたんな図書館の使い方(つのだ由美こ)

【情報リテラシーを高める道具としての図書館】
大学図書館司書・つのだ由美こ氏が、『世界一かんたんな図書館の使い方』と題して、図書館を使いこなすほど人生は変わると語り、身につけたい図書館活用法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

図書館。
最後に訪れたのはいつですか?

 

本書は、問題解決力や読解力、創造力など基礎教養を磨くのに「図書館」ほど有益な場所はないと提起し、大学図書館司書として、ぜひ身につけてほしい図書館活用法を指南する一冊。

 

本との向き合い方。
情報との向き合い方。
知識との向き合い方。

 

そこから派生して、自分との向き合い方まで・・・。
これらを学ぶためのきっかけとなる、そんな教養講座的な内容の書籍です。

 

当然ながら、正しく向き合うためにはさまざまな力を鍛える必要があります。
読解力、創造力、問題解決力、集中力、記憶力、・・・・たくさんあります。

 

さらに、どれか一つではなく、満遍なく鍛えていくことも求められます。
たとえるなら、理想的な体型を手にするためにさまざまな筋肉を鍛える筋トレに似ています。

 

すべての筋肉がつながり連動しているように、それぞれの力もつながり連動しています。
だからこそ、満遍なく均一に鍛えていくことが大切であり、そのためにはある程度の負荷、ある程度の量のトレーニングが必要になります。

 

とはいえ、効果的な筋トレ法が存在しているように、効率よく身につける方法は存在します。
その一つが、著者が提唱する「図書館を使う」鍛え方です。

 

図書館は、まさに知識の倉庫です。
あるテーマに関する過去から今へとつながる無数の本が、整然と保管されています。

 

それをもっとも肌で感じられるのは、国会図書館(東京と京都にあります)です。
あの荘厳な空気感は、ぜひ一度味わうべきだとおもいます(一度味わうと病みつきに・・話逸れました)。

 

しかも、図書館は基本的に公共の共有資産として運営されているところがほとんどです。
つまり、利用資格や利用方法を守れば、だれでも利用・活用することができます。

 

この資産を、自分の人生に活用しない手はありません。
そして、本書はその資産を最大限活用するための基本がまとめられています。

 

図書館など古臭い!ともしあなたが思っているのなら・・・。
それは大きな資産を無駄にし、資産から得られる豊かさを失い続けていることとイコールだとおもいます。

 

◆図書館に学び、図書館を使い倒せ!

世界一かんたんな図書館の使い方
つのだ由美こ 秀和システム 2024-1-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

情報のグラデーションがあれば、白と黒の間にグレーの領域があることに気づけます。
そこから柔軟なアイデアが生まれるので、問題も解決しやすくなります。
物事をはっきりと色鮮やかに理解できている「解像度が高い」状態です。
解像度を高めるためには質の高い情報が必要ですが、図書館を使えば誰でも手に入れることができます。

 

図書館はまさに情報のダムです。
日本でいちばん多い図書館は、地域にある公共図書館です。
すべての都道府県に合計3305館あります。

 

時には身近な人物よりも、まったく別の場所から情報を集めたほうが、先入観から目覚めやすくなるのです。
そんな情報源として、図書館はとても役立ちます。

 

本人へのインタビューでわかったオリジナルな情報を、一次情報と言います。
事実を確認するためには、この一次情報が不可欠です。

 

「知っていそうな人・場所」と言えば、専門家と研究機関です。
図書館の場合、専門図書館と大学図書館になります。
この2つの図書館は、所属する団体と大学が研究する分野の資料を集中して集めています。
ですから、特定のテーマについて調べている人にとっては、役に立つでしょう。

 

図書館を使うと、幅広いジャンルの本や雑誌、新聞があるので、思いつかなかった分野の情報も見つけられます。

 

「読書は苦手だし、本も好きじゃないけど、必要なときがきたら一応は読める」それ十分なのです。

 

本は細かく読みすぎても、漠然と読んでいてもうまくいきません。
大事なのは、目的を意識して読むこと。
目的を考えて読むと、理解力も上がり、読むスピードも速くなります。

 

自分に合った本を見つけるためには、たくさんの本に出会うしかありません。

 

図書館の司書たちは、日々いろんな人から質問を受けつけます。
ですが、質問のほとんどは曖昧。
そこで「この方は、本当はなにを知りたいのだろう?」と分析するときに、司書が考えているのが5W2H(Who・When・Where・What・Why・How・How much)です。

 

問題解決の糸口を探しているのなら、5W2Hの中でもとくにWhyを中心にキーワードを出してみましょう。

 

読書の目的は「好きなもの」を深めること、「知りたいこと」を調べて問題を解決することです。
そのためにも、キーワードを言い換える力がとても重要なのです。

 

図書館で本を選ぶときも、まずは立ち読みがおすすめです。

 

イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、ラリー・ペイジの成長の陰には図書館がいました。
これが単なる偶然なのかわかりません。
しかし、少なくとも誰よりもAI開発の先頭を走る人たちが、そろって図書館を重視している事実は注目してもいい点だと思います。

 

図書館を使うことで、人生は変わります。
ピンチをチャンスに、チャレンジを成功に導く場所なのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2085-1】図書館に行く習慣をつくる

【2085-2】図書館で、興味や関心の低いテーマに関する書棚を周り、目の止まった本を借りて読む

【2085-3】読む目的を定めてから読書する癖をつける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】世界一かんたんな図書館の使い方
【著者名】つのだ由美こ
出版社秀和システム
【出版日】2024/1/30
オススメ度★★★☆☆
こんな時に読む力を身につけたいときに
キーワード教養読書術情報整理
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 スパイは図書館にいる〜自分に必要な情報はどこにある?
第2章 正しい情報をどう手元に引き寄せるか
第3章 自分に合った本を手に入れよう
第4章 検索成功の秘訣は「キーワード」にある
第5章 図書館を使いこなしてネット時代を生き抜く

 

▼さっそくこの本を読む

世界一かんたんな図書館の使い方
つのだ由美こ 秀和システム 2024-1-30
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つのだ由美こさん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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