【書評:1953冊目】うまくいくリーダーだけが知っていること(嶋村吉洋)

【リーダーの役割とは何かを見つめる】
実業家・投資家/嶋村吉洋氏が、『うまくいくリーダーだけが知っていること』と題して、リーダーに求められることを明かしながら、強いチームを育てるリーダーシップを指南する一冊。

■書籍の紹介文

リーダーに求められるもの。
あなたはなんだと考えますか?

 

本書は、人が人を育てることは限りなく不可能だという視点に立ち、そこから見えてくるリーダーの役割とリーダーシップを指南する一冊。

 

著者が考える、リーダーに求められるもの。
それは、「人が育つ場をつくり、その場を整え続けること」です。

 

人が人を育てることは限りなく不可能であっても、人は育ちます。
その人自身が、自分で自分を磨き、自身を育てていくからです。

 

であるならば、リーダーがやるべきことは一つ。
人が自分を磨き育てやすい「場」をつくり、その「場」を整え続けることである。

 

いろいろなリーダーシップ論がありますが、著者のそれはこのようにとてもシンプルです。
さらに、現代の価値観に合うというか、とてもしっくりくるものだと感じます。

 

いい「場」をつくれば、いい「人」が育つ。
これって農業に通ずる考え方だな、読みながらふとそのようにも感じました。

 

農業は、いくらプロセスがよくても、収穫(結果)できなければ0の世界。
同じように、仕事においても結果にこだわれるチームは、やはり強いです。

 

プロセスはよかったけど、なにぶん状況が悪かったからな・・・(仕方ない)。
しかし、どんなに悪い状況にあっても結果をきちんと出す人・組織は必ず存在します。

 

だからこそ、リーダーは結果にこだわれる「人」が育つ「場」をつくる必要がある。
こうした著者のリーダーシップ論は、ピリッとしつつも「こういうリーダーのもとで働きたい/こういうリーダーでありたい」という気持ちが湧いてきます。

 

もちろん、「場」をつくるのは並大抵のことでありません。
ましてや、つくった「場」を、状況に合わせて整え続けなければなりません。

 

あなたが、その大きな責任を全うできるリーダーになるために。
やるべき、いや、やり切る!ことが書かれている一冊です。

 

凄みと優しさが同居したリーダーシップ論。
背中を追いかけたいリーダーの姿が浮かんできます。

 

◆P.37はぜひ読みたい。

うまくいくリーダーだけが知っていること
嶋村吉洋 きずな出版 2022-12-13
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■【要約】15個の抜粋ポイント

部下への指示の出し方で、気をつけておくべきことがあります。
それは、とにかく立場を使って、仕事以外での指示は出さないこと。

 

リーダーに感情があるように、部下にも感情があります。
「わかりました」には、5段階の意味合いがあります。
①「やります」
②「理解しました」
③「考え中」
④「評価中」
⑤「二度と言われたくない」

 

上司であるあなたが、部下に対して、その目的「何のためにやるのか」を、わかりやすく伝えることが必須テーマになります。
その順番を具体的に言うと、こうなります。
①「目的」
②「目標」
③「現状」
④「現状とのギャップ」
⑤「ギャップを埋めるための戦略」
⑥「ギャップを埋めるための戦略」
⑦「日々のタスク」
このサイクルを常に共有して、「いま、どこに向かっているのか」を、はっきりクッキリ繰り返し伝えていく必要があるのです。

 

下の立場にいるとき、上の人に何かを伝えたいのであれば、方法は二つしかありません。
可愛がられるか、ぶっちぎりの結果をつくるかです。

 

そもそも人生は時間です。
そうすると、時間は命そのものなのではないでしょうか?
よく遅刻をする人は、時間を軽く見ているように感じます。

 

やはりプロなら結果は当然、求められるのです。
アマチュアはプロセスにこだわり、プロは結果にこだわる。
関係値や距離が近いからではなく、フェアに結果のみで切り取って承認する。
そんなフェアな場であるからこそ、そこでつくり出される結果を部下は受け入れるのだと思うのです。

 

作業において大切なことは次の四つです。
①期限を切ること
②マメさ
③前進させること
④スピード

 

「相手に理解させる表現力」を鍛えるためには、普段から「当たり前に見ているもの」も、第三者に的確に伝わるように表現する経験をたくさん積んでおくことです。

 

成果をつくっている人の結果の原因が、その人でしかできない特殊なものではなく、誰でもできる再現性があるやり方であるかどうかで、組織が自走するかしないかは決まるのです。

 

あなたの組織で優秀なリーダーを育てるために大事なことは、場をつくることです。
では場をつくるとはどういうことか?
それは、リーダーが育つための仕組みと文化をつくることです。

 

「学ぶ人を決めてくださいね。メンターです。で、その人が『〜したほうがいいよ』という言葉を『強制だ』と、あなたが変換すると、物事がうまくいくと思うよ。メンターはあなたに強制できないから、あなたが自分で変換するんですよ」

 

●うまくいくリーダーの三つの原則
(1)基礎を愚直に徹底的にやる
(2)ハードワークする
(3)単純素直即実行で、即断即決即実行する

 

読書は、非常に費用対効果が高いと思います。
気になった本は片っ端から購入し、とにかくたくさんの情報を仕入れるのです。

 

●場を整える際に大事な五つのこと
(1)時間配分を変える
(2)住む場所を変える
(3)つき合う人を変える
(4)共通の言語を持つこと
(5)共通の価値観を持つこ

 

人は自分のことが一番わからない生き物です。
たとえば自分が向いていないと思っていることでも、誰かが補完してくれることで、その弱みだったものが大きな強みに変わることも多々あります。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1953-1】時間を大切にする

【1953-2】結果にこだわって仕事をする

【1953-3】メンターからのアドバイス(〜したほうがいい)を強制(〜しなさい)と捉える

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】うまくいくリーダーだけが知っていること
【著者名】嶋村吉洋著者情報
出版社きずな出版
【出版日】2022/12/13
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワードリーダー指導力組織改革
【頁 数】200ページ
【目 次】
第1章 信頼し合える組織のつくり方
第2章 力を引き出すコミュニケーション
第3章 チームを盛り上げる言葉の力
第4章 成果を上げる仕事量と時間の法則
第5章 個性を活かす組織マネジメント
第6章 プレッシャーを力に変える目標達成の極意
第7章 やってはいけないリーダーシップの常識
第8章 強いチームをつくるリーダーの基本
第9章 チームを壊さない人間関係のコツ

 

▼さっそくこの本を読む

うまくいくリーダーだけが知っていること
嶋村吉洋 きずな出版 2022-12-13
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嶋村吉洋さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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