【書評:235冊目】なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?(田中裕輔)

【マッキンゼーのDNA「インパクト志向」とは?】
ロコンド共同創業者・田中裕輔氏が、『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』と題して、マッキンゼーの育成法を明かしながら、思考法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

あなたの志はなんですか?
こう聞かれて答えられますか。

 

本書は、マッキンゼー独自の人材育成法を明らかにしながら、マッキンゼーのDNAともいえる『インパクト志向』につながる思考法を指南する一冊。

 

「UP OR OUT」という言葉が印象的です。
「成長せよ、できぬなら立ち去れ!」の意味である、非常に厳しい表現です。

 

”志士”や”立志”。
日本古来から流れている精神性につながるような空気感を感じます。

 

裏を返せば、現在の日本人が忘れてしまっているということ。
だから、マッキンゼー=スゴい人達、と短略的に見てしまうのです。

 

なぜ、彼らはすごいのか。
なぜ、彼らにはできて自分にはできないのか。
彼らにあって、自分にはなにが足りないのか。

 

こういったことをしつこく考えて、愚直に求め続ける。
これこそが、「UP OR OUT」なのです。

 

自分自身を律するために読む。
ここに役立つ一冊です。

 

◆志を持て歩め!

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
田中裕輔 東洋経済新報社 2012-6-15
売上ランキング(公開時):38,661
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■【要約】13個の抜粋ポイント

どうすればこの日本を、そしてこの世界を良くできるのか、それを愚直に考えて、行動し、貢献できる人材を教育し、輩出する会社、それがマッキンゼーだ。

 

●「志士」が生まれる理由
(1)自信
(2)価値観のマインド・コントロール
(3)マッキンゼーの懐の大きさ

 

重要な人材は、マッキンゼーを辞めても、会社のパーティーには幾度となく呼ばれる。
出戻りも許される。
だから「会社にしがみつく」人間は少ない。
外で思い切りチャレンジできるのだ。

 

今の日本人に欠けているのは、自分の人生に責任をもち「志」を向けて突き進むことだ。
その一歩を踏み出せる人間が何人出てくるかで、これからの日本の姿は大きく変わってくるはずだ。

 

マッキンゼーの厳しさを表現する有名な言葉として「UP OR OUT」という言葉がある。
訳せば「成長せよ、できなければ去れ」ということになる。

 

成果主義を導入したものの上手くいかない、という話をよく耳にするが、それは成果主義が悪いのではない。
企業の経営陣や管理職が時間をかけて「公平な成果の評価」をしていないからだ。

 

フィードバックは、悪口ではない。
相手を傷つけるためでなく、成長させるために行われるものだ。
部下を怒鳴ることがフィードバックだと思っている人がいるようだが間違いだ。

 

●フィードバックの守るべきルール
(1)最初に強みから挙げること
(2)欠点をそのまま『欠点』とか『弱み』というのではなく、成長すべきところと表現すること
(3)できないことではなく、精一杯手を伸ばせば届きそうなポイントをフィードバックすること

 

マッキンゼーに提供できるものは、「人」しかない。
人材の価値が下がれば、会社が提供できるものの価値も下がる。
だから、各自がいつも成長と真剣に向き合わねばならないのだ。

 

マッキンゼーでは、入社1年目からすぐに「プロフェッショナル」として扱われる。
プロである以上、顧客や会社から支払われているお金「以上」のバリューやインパクトを出さなければならない。

 

設立からの精神を守って、自社の売上より、インパクトを追求する。
言うなれば、極めて「青臭い」会社なのだ。

 

今の日本は、幕末のように、黒船が来襲し、幕府の支配体制も崩壊しつつある。
こんな時、足を引っ張り合うのは愚の骨頂だ。
一人一人が変革の旗手となり、インパクトを実現していくべきだ。

 

閉塞感から抜け出せない今だからこそ、1社でも多くの企業、1人でも多くの人が「インパクト志向」になるべきだ。
本書をきっかけに1人でも多くの人が、「インパクト志向」になることを願っている。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【235-1】自分の提供価値が下がっていないか、常に意識する

【235-2】自分の仕事が「インパクト」あるものか意識して行動する

【235-3】辞めたあとも退職前の会社から声がかかるような人材になる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
【著者名】田中裕輔著者情報
出版社東洋経済新報社
【出版日】2012/6/15
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード思考マインド働き方
【頁 数】215ページ
【目 次】
序章 なぜ今、マッキンゼーを書こうと思ったか
第1章 「戦略」との出会い
第2章 士官訓練校マッキンゼー
第3章 イシューからはじめよ
第4章 インパクト志向
第5章 大海に出て自分を見つめ直す
第6章 卒業

 

この本が、あなたを変える!

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
田中裕輔 東洋経済新報社 2012-6-15
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田中裕輔さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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