【シェア読書:236冊目】レイヤー化する世界(佐々木俊尚)

【あなたは何層構造ですか?】
ジャーナリスト・佐々木俊尚氏が、テクノロジーの進歩により、世界構造の変化が進行していると説く一冊。その変化により<場(テクノロジー)>は私たちを下から支配し始めている。

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1分間紹介文
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本日ご紹介するのは、「テクノロジーの今後」に関する一冊。

 

著者は、佐々木俊尚さん。
作家・ジャーナリスト。
ITと社会の相互作用と変容、ネットとリアル社会の衝突と融合を主なテーマとして執筆・講演活動を展開している。

 

あなたへの質問です。
「あなた自身を分解すると、何層構造に分けられますか?」

 

本書は、テクノロジーの文明史を踏まえて未来の社会像を鮮明に描き出した一冊。これから来るその世界で、われわれはどう生きていけばいいのかが見えてくる

 

「パラレルキャリア」「自分らしさ」などの風潮が生まれる根底に流れる大きな潮流を、俯瞰して学び、考えることができる点がこの本の価値。

 

世界がレイヤー化するということは、個人もレイヤー化するということ。
自分自身をサンドウィッチのように、何層にも分解してみる視点を得られる点が新鮮。

 

これからの生き方を考える上で、この本は必ず読みたい。

 

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本がわかる!15の要約ポイント
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「集める」から「散らばる」への変化が、世界中で起きている

 

ドミニク・モイジという現代フランスの政治学者は、いまの世界はさまざまな感情によって分けることができると言っています。
彼が挙げているのは、「希望」「恐れ」「屈辱」という三つの感情。

 

つまるところ国民国家というのは、帝国の権威が消え、キリスト教会の権威も衰え、王の権威も革命で消え、権威が何もなくなってしまった後に、無理矢理「国民という権利」をこしらえたということだったのです。歴史の経緯を知れば、本当にあっけない流れでしかありません。
「自分たちこそが、同じ民族の自分たちひとりひとりが結束していることこそが、最大のよりどころなんだ」
これこそが国民国家のスタート地点だったのです。

 

いまの先進国の若者たちは、かつてとは逆回りの変化を感じています。
・繁栄から失業へ
・平等から格差へ
・希望から恐れへ

 

民主主義の土台となった国民国家は、国のウチとソトを分けることで成り立っていました。
なのに民主主義そのものは、国のウチとソトを分けないことを理念としています。
相反しているのです。

 

世界の力の分散と、国内の社会の分断。
このふたつの引力によって、ますます民主主義は引き裂かれていくのです。

 

テクノロジーがつくる<場>の革命は、ウチとソトの境界を破壊し、国民国家と、その上に築かれた民主主義という二十世紀のシステムを壊していくでしょう。

 

コントロールされない<場>は自由である代わりに、とんでもなく質の悪い製品も流通してしまいます。
アップルやアマゾンは<場>を厳しくコントロールすることで、ダメな人やダメな製品がばらまかれないように見張っているとも言えるのです。

 

貪欲な<場>は、世界のすみずみへと浸透していきます。
いずれは、政府や自治体も<場>に呑み込まれていくでしょう。

 

Youtubeという巨大な<場>、さらにその上に積み重ねるように形成されたカーンアカデミーやTEDという<場>が生まれ、教育はその、<場>の上で成り立つような構図へと変わっていく未来像が見えてきています。

 

たとえば音楽やテレビ、本といった娯楽は、次のようなレイヤーにスライスされていきます。
インターネットというインフラのレイヤー。
楽曲や番組、本などが販売されるストアのレイヤー。
どんな音楽や番組が面白いのかという情報が流れる、メディアのレイヤー。
購入した楽曲や番組を、テレビや音楽プレーヤーやスマートフォンやパソコンで楽しむという機器のレイヤー。
そして楽曲や番組そのものというコンテンツのレイヤー。

 

自分は無数のレイヤーにスライスされて、そしてそれらのレイヤーで横にすぐにつながることのできる関係、それこそが<場>における人間関係となっていきます。
そして、そのようなレイヤーごとの人間関係の積み重ねによって、私という個人はここにあり、社会に存在できるということなのです。

 

<場>を運営している新しい企業体こそが、権力の源泉になるという世界がやってこようとしている

 

あるレイヤーでは無能だと思われた人が、別のレイヤーでは優秀だとみられることもある。
そういう複合的な評価が重なり合ったところで、私たちは社会と接続していくのです。

 

レイヤーでつながろう。
<場>と共犯し、<場>を利用し、<場>に利用されよう。
そして、<場>の上を流れていこう。
大地の上を、動き続けよう。

 

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これをやろう!3つの実践ポイント
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【236-1】世界を階層化の視点で眺めてみる

【236-2】自分のレイヤーを書き出す

【236-3】レイヤーごとの生き方を考える

 

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今回のまとめ
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今日は、どのレイヤーの自分で楽しみますか?

 

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本日紹介した書籍情報
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【書籍名】レイヤー化する世界
【著者名】佐々木俊尚
出版社NHK出版
【出版日】2013/6/5
オススメ度★★★☆☆
【こんな時に】教養を伸ばしたいときに
【キーワード】グローバル生き方稼ぐ力
【頁 数】280ページ
【目 次】
第一章 かつてヨーロッパは辺境の地だった
第二章 なぜ中世の帝国は滅んだのか
第三章 「国民」は幻想からやってきた
第四章 「民主主義」という栄光
第五章 崩壊していく民主主義と国民国家
第六章 すべては〈場〉に呑み込まれる
第七章 レイヤー化する世界
第八章 「超国籍企業」が国民国家を終わらせる
第九章 新しい世界システムと私たち

 

気になったら、今すぐお手元に!
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佐々木俊尚さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

本日もお読みいただきありがとうございました!

 

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