【書評:1880冊目】そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。(ムーギー・キム)

【近いのに反発し合う理由が明らかに!】
在日コリアン3世の作家/ムーギー・キム氏が、『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』と題して、日韓関係2000年の教養と教訓を楽しみながら考察する一冊。

■書籍の紹介文

韓国。
あなたは、どんなイメージを持っていますか?

 

本書は、「なんでこうも日韓関係はこじれるのだろうか?」という疑問について、日韓関係2000年の教養と教訓に触れながら、楽しく考察する一冊。

 

「感謝」vs「謝罪」
「過去を水に流す」vs「過去を正す」
「溜まる不満」vs「薄れる関心」

 

日本と韓国の比較の一例です。
ちなみに、左側が「日本」、右側が「韓国」を表しています。

 

こうした比較を可能にする、日本人として、韓国人として、在日コリアンとしての著者のバックグラウンド。
それに、日韓の学術論文を合わせた本書の内容は、教養本として純粋に楽しく読めます。

 

反日韓国人、嫌韓日本人などと”尖って”いなくても、両国の関係性を考える基礎教養として身につけておきたいと感じます。
これから、お互いに平穏につき合っていくためのヒントが散りばめられています。

 

また、本書で磨かれる教養は、日韓関係だけにとどまりません。
グローバル化の時代、世界と適切につき合っていくための”国際感覚”を養うことにもつながります。

 

日韓両国の間に、溜まりに溜まった”鬱憤”。
それを、建設的に議論ができるように晴らし、両国民の視野を広げようとする著者の覚悟には、敬意を表したいとおもいます。

 

著者が過去40年間に蓄えた、日韓関係に関する「体験」「観察」「考察」。
そこから生まれるメッセージを、ぜひ冷静に受け取っていただきたいとおもいます。

 

目と鼻の先にいるのに、いがみ合う関係は健全ではありません。
押さえつけるのではなく、正しく互いを理解するために一読してほしい一冊です。

 

◆自分の頭で知ろう。

そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。
ムーギー・キム 東洋経済新報社 2022-7-1
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■【要約】15個の抜粋ポイント

日韓の人間関係の違いを端的に要約すれば、韓国は日本に比べ人間関係の距離が近いので、私的なパーソナリティと公的なパーソナリティの区分が日本ほど明確ではない。

 

両国民の感情表現の違いを比較すれば、日本では「感謝」がとくに重要で、韓国では「謝罪」がとくに重要であることをわかっていただけるだろう。

 

韓国は儒教道徳の影響から、「過去からの正統性」と、「過去を正す」ことへのこだわりが非常に強いのだ。

 

儒教の世界では、「死後もその魂はこの世に長らく存在しつづける」と考えられていた。
そして、儒教文化にのっとり、先祖の功徳や罪状は後世の子孫にも引き継がれるので、「悪いことをしたのだから、罪を徹底的に償うべきだ」というように、子々孫々の代まで徹底追及してくる。
このように、過去に遡り徹底的に責任追及する儒教文化が、「死ねば皆、天に行く」という仏教的な思想や、過去を水に流す武士道の思想と対立すると、双方の違和感につながるのだ。
そんな文化の違いがあるなか、「真相究明の国」VS.「水に流す国」が争えば必然的に、
「なぜそう曖昧にして簡単に忘れるんだ!」という韓国の怒り
「いつまで過去にこだわっているんだ!」という日本の怒り
にそれぞれつながり、まさに「イマここ」状態なわけである。

 

朝鮮王朝は、中国が元から明に代わったころに始まっている。
そして日本が室町時代、戦国時代、江戸時代、明治維新と変化しているときに、ずっと同じ朝鮮王朝が支配していたのだ。
そんな王朝が、いまから100年そこそこ前まで続いていたのである。
このように、唐が滅びたあとの中華秩序からの距離感と儒教の影響は、海と朝鮮半島が中国からの緩衝地帯となった日本とは大きな違いがある。

 

1人当たりの生産性は、その背景にある教育水準にも連動するが、韓国は大学進学率や所得に占める教育費の割合が世界一である。
科挙のために経済的には無益な儒教を学んでいた教育熱が、生産的な数学と英語とコンピュータサイエンスに向かったからか、生産性が格段に向上したのだ。

 

過去20年間、日本ほどの大国で、まったく所得を伸ばすことができなかった政党が支持基盤を保って国を支配しつづけるのは、かなりの異常事態である。
このリーダーの高齢化と固定化が、変化が速い現代における、日本の生産性低下につながっているようにも思われる。

 

日本の指導者は、戦後から現在までほぼ連続しているのに、韓国の指導者と支持層は左右が変わっていくので、両国政界のパイプも細くなり、日韓政治対立が制御不能になっていくのである。

 

韓国の「反日」意識が薄れ、日本の「嫌韓」が激化

 

私が最も韓国人に理解して欲しいのが、
「日本国内には、日本政府の歴史認識や政策に反対している人もものすごく多いのだから、日本人をひとまとめにして批判するのを、後生だからやめてください」
ということである。

 

韓国の的外れな対日批判は、日本側で努力してくれている人を傷つけ、両国間で対立を煽っている人だけに得をさせているのである。

 

日本に住むより多くの人が抱く、韓国への不満を類型化したい。
その不満パターンを分類すれば、
「謝罪疲れ」

「被害者意識」

「過去の合意反故への怒り」
という3段階に分けられる。

 

韓国の対日意識の大半は、
「過去は過去、未来志向で共に協力したい。過去の歴史に関しては、きちんと認めて、自分たちの民族的記憶に共感してくれたら、それでいい」
「少なくとも、あったことをなかったと言ったり、自発的だったといって傷口に塩を塗ったりするのだけはやめてほしい」
というのが、大多数の意見だということだ。

 

歴史を学ぶことで視野を広げ、「人間の本質」に対する洞察を深め、文字どおり「教えで人格を養う」ことができているかが重要な分かれ目になるだろう。

 

ひとつの地球を共有する他国と共生するための物語は、自国政府から押し付けられた「HIS STORY」だけではなく、その時代を生きた女性の「HER STORY」や、他国の視点の「ANOTHER STORY」などを複合的にあわせた「OUR STORY」とでも呼ぶべき、多様なステークホルダーの視点を包含する必要があるはずだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1880-1】日本の歴史を学ぶ

【1880-2】韓国の歴史を学ぶ

【1880-3】自ら見聞きした情報以外で、断定的な判断をしない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。
【著者名】ムーギー・キム著者情報
出版社東洋経済新報社
【出版日】2022/7/1
オススメ度★★★★☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワードグローバル社会教養
【頁 数】450ページ
【目 次】
第1章 日韓の人間関係の違いとは?
第2章 なぜ韓国人は過去にしつこく、日本人は無責任なのか?
第3章 なぜ隣国とは永遠に揉めつづけるのが当たり前なのか?
第4章 ここがヘンだよ韓国の怒り方東西南北分断国家・韓国の反省点とは?
第5章 ここがヘンだよ日本の建前不思議な議論の3大パターンと4大レトリック
終章 日本と韓国をムラサキするには

 

この本で、あなたは変わる!

そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。
ムーギー・キム 東洋経済新報社 2022-7-1
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ムーギー・キムさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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