【飛び込まなければ、世界から置き去りに…】
デジタルアーキテクト・伊藤穰一氏が、『テクノロジーが予測する未来』と題して、メタバースやNFT、web3は社会の前提を覆すと提起し、変革の先の未来を考察する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
最近耳にするNFTや暗号通貨という言葉・・・。
あなたは、どんなイメージを持っていますか?
本書は、メタバースやNFTに代表される最先端テクノロジーがもたらす変革を予測しながら、変革への適応にむけた、社会・経済・個人の在り方を考察する一冊。
危険性よりも可能性を掴む。
正しいリテラシーを身につけたうえで、可能性の海に飛び込んでいこう。
テクノロジーの変化の速さに、得体の知れない”恐怖感”を持っている人も多いでしょう。
暗号通貨って何?仮想空間って何?自分の生活はどうなるの?と、頭の中が「?」だらけかもしれません。
著者も、”恐怖感”を抱くこと自体は自然なことだと捉えています。
ですが、それが行き過ぎて、拒絶したり遠ざけたりしてしまうのは、かえって危険だと語ります。
恐怖感が知らないことから来るなら、知ろうとする姿勢を大切にしよう。
なぜなら、学び、正しいリテラシーを身につけることで、可能性に目を向けられるようになるからです。
最先端テクノロジーが題材ですが、著者のメッセージはここにあるように感じます。
なんとなく流されて、知ったつもり、正しい判断をしたつもりになり、そこに疑問を持たないことこそが、本当に危険なことなのだと。
なんとなく、危険だと判断すること。
きちんと本質を理解したうえで、危険だと判断すること。
これは、まったく別次元の話。
新しいものに触れたなら、積極的に「知ろうとする姿勢」で挑むことが、新しい道を開くのです。
テクノロジーの最先端を見続けている著者だからこそ、とても理解しやすく書かれています。
それだけでも、”恐怖感”は随分と払拭されるでしょう。
否応なく、最先端テクノロジーはわたし達の中心を担う存在になっていきます。
産声をあげたばかりの今だからこそ、「知ろうとする姿勢」が、自分の可能性を広げていくことになります。
◆知れば、見える。
テクノロジーが予測する未来
伊藤穰一 SBクリエイティブ 2022-6-7
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■【要約】15個の抜粋ポイント
web3によって僕たちは、プラットフォームの囲い込みから解放される、そういってもいいでしょう。
web3では、「クリプトエコノミー」という新しい経済圏が形成されています。
この経済圏では、円やドルといった法定通貨(フィアット)ではない暗号資産(クリプト=仮想通貨やトークン)が流通しています。
何がどうなるかを決めるのは、テクノロジーそのものではありません。
僕らがweb3のテクノロジーを使って、どのような社会をつくっていきたいか。
どんなゴール設定をして、来たるweb3時代を生きていくのか。
それが、いま、問われています。
web3では、個人の働き方は「組織ベース」ではなく「プロジェクトベース」になっていきます。
(略)
作品ごとに制作チームが立ち上げられて、スタッフや俳優を集めて進められる映画制作のような感じです。
仕事の内容も場所も時間も、誰かに指示されるのではなく、自分主導で決められるというのが、web3的な働き方です。
そういう働き方を僕たちが当たり前にしていけば、仕事にまつわる格差を小さくしていくこともできるでしょう。
ジャニーズ事務所のみならず、日本のコンテンツビジネスは、もともとファンコミュニティとの結びつきが強く、ファンの心理もよくわかるという特徴があります。
そこを、うまくweb3のトークノミクスを取り入れることで押し上げていけば、日本のコンテンツビジネスの価値もよりいっそう知れわたると思います。
様々な不平等の問題に、個別に取り組んでいかなくてはいけないのは当然です。
ただ、テクノロジーがもたらしたもう1つの選択肢として、メタバースを「顕在的・潜在的不平等がはびこる現実社会に生きる私たちを力づけるもの」ととらえれば、「ただの仮想空間」と侮ることはできません。
クリプトエコノミーでは、「何をしたか」という貢献度が重視されます。
学校で何の学問を修めたかだけではなく、学校内外でどんな活動をしてきたか、社会に出てからはどういうコミュニティで、いかに貢献し、何を達成してきたか等々。
web3のテクノロジーが社会に浸透するにつれて、こうした履歴すべてをひっくるめて個人の能力・資質がはかられる時代になると考えられます。
いまは国も企業も、何でもタスク化して解決に注力する「ソリューショニズム」に陥ってしまっている。
これからの時代、そうではない真の創造性には「そもそも、なぜ?」という問いが不可欠です。
「パーパス(目的)」「パッション(情熱)」「クリエイティブ・コンフィデンス(自分の創造性に対する自信)」を育んでいけるかどうかが重要な鍵になってくる、と考えています。
クリプトエコノミーは、短期的に見れば大小さまざまな犯罪被害を生むでしょうが、中長期的に見ればセキュリティが拡充され、より頑丈になっていくと思います。
おそらく「web3元年」といわれる2022年から数年間が、正しいweb3とそうでないものの分岐点です。
十分なリテラシーがあれば、おかしな点にすぐに気づけます。
web3のよさを享受するためにも、自分でもいろいろと調べたり、実際に少し体験してみたりして、ここは「おまかせ」マインドを脱するのがいちばんです。
優秀なweb3人材が自由に活動できる環境をつくるために、既存の法律では扱いきれないクリプトエコノミーに関する法整備を、規制強化ではない方向で進めること。
具体的には、スタートアップが活動できる場をつくるために、トークンの発行・上場にかかる重税を大幅に下げることが早急に求められます。
いま、世界では何が起こっているのかをしっかり見据えて、テクノロジーのリテラシーも高めつつ、グローバルマーケットを目指していけば、既存の日本企業にもまだ大きなチャンスがあるはずです。
■【実践】3個の行動ポイント
【1879-1】「好きだから買う」という感覚を大事にする
【1879-2】「そもそも、なぜ?」という問いを持ち続ける
【1879-3】「目的」をベースに学習する
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】テクノロジーが予測する未来
【著者名】伊藤穰一 ・ 著者情報
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2022/6/7
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】ビジネス理論を深めたいときに
【キーワード】ビジネスモデル、社会、教養
【頁 数】232ページ
【目 次】
序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる
第1章 働き方
第2章 文化
第3章 アイデンティティ
第4章 教育
第5章 民主主義
第6章 すべてが激変する未来に、日本はどう備えるべきか
この本で、あなたは変わる!
テクノロジーが予測する未来
伊藤穰一 SBクリエイティブ 2022-6-7
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す
伊藤穰一さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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