【書評:1849冊目】プロ投資家の先の先を読む思考法(藤野英人)

【先を考えるから、先の先が見える】
投資家・藤野英人氏が、『プロ投資家の先の先を読む思考法』と題して、目先の情報に翻弄されずに生きていく、予測力が見違えるほど上がる「先読み力」の磨き方を指南する一冊。

■書籍の紹介文

20年後の未来。
どのような世界になっているとおもいますか?

 

本書は、目の前で少しずつ起きている小さな変化を捉えることからはじまる、未来を予測する「先読み力」の磨き方を指南する一冊。

 

未来は、今の延長線上にあります。
つまり、先の先を予測するためには、「今」を知ることが重要になります。

 

この「今」には、いろいろなことが含まれます。
自分のこと、仕事のこと、家族のこと、人間関係のこと、社会のこと、など・・・・。

 

ゆえに、さまざまな方面からの情報収集が欠かせません。
情報収集の環境が整っているほど、先の先の見え方(解像度)が変わってくるということです。

 

この情報収集の環境を整えるのに役立つ方法を皮切りに、先の先を予測する力の磨き方を説いていきます。
投資家という先読みのプロが実践している方法は、「真似したい!」とおもうものばかりです。

 

投資の考え方を学ぶというより、人生の考え方を学ぶ。
答えのない世界を自分らしく生きるためのマインドセットを、インストールするための本という印象です。

 

自分の理想とする盤面へと展開していくために、手持ちのカードから今なにを切るか。
そんなカードゲームの攻略法を覗いている感覚も覚えます。

 

20年後の未来を、自分にとってポジティブな世界にするために。
ぜひとも吸収しておきたい一冊です。

 

◆明るい未来のために。

プロ投資家の先の先を読む思考法
藤野英人 クロスメディア・パブリッシング 2022-5-2
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■【要約】15個の抜粋ポイント

先の先を読んで未来を予測することは、トランプや麻雀のようなものだと言ってもいいかもしれません。
「場に出ているもの」と「手元の札」を見ながら、自分の周囲や対峙している相手にこれからなにが起きるのかを考えるのです。

 

「お客さまから評価を受けて利益を伸ばす会社は、短期的な株価については上がるか下がるかわからないけれど、中長期では利益に応じて株価が上がる」のです。
株式投資において「長期で投資することが大事」と言われるのは、このためです。

 

人間の心理を逆手にとるなら、おすすめなのは、本屋さんに毎日通って並んでいる本をチェックすることです。
「主婦の私でもできた100万円を1億円にする株式投資」「自動投資でラクラク稼ぐ」といったタイトルの本がズラッと並んでいるときは、株を買わない方がよいでしょう。
そのような本が姿を消し、「ヒーリングのすすめ」「自分を許す生き方」といったテーマの本が並び始めたら、それはだいたい「株の買い時」です。

 

「今」をより深く、広く知って理解していくためには、「多方面からの情報収集」や「多角的な思考」が必要です。

 

SNSではなるべくランダムに多様な人のものの見方や価値観に触れることを意識していますし、SNS以外にリアルな世界で人をウォッチすることも大事にしています。

 

「努力しなければ情報が偏ってしまう」ということに気づいてさえいない人は少なくありません。
おそらく多くの人が「自分は普通だ」と思っているのではないかと思いますが、「自分は普通」と感じているときは注意が必要です。
たいていの場合、「普通だと思っていることは普通ではない」からです。

 

私たち日本人は、あらゆる意味で、もう少し「好き」を大切にした方がよいのではないかと思います。

 

もちろん、一つの分野で完璧を目指すのも素晴らしいことです。
しかし複数の分野で「8割の出来」を目指すことにも、大きな意味があると私は思います。
頭の中でイメージしているのは、八ヶ岳です。
一つひとつの山は富士山にはかなわないかもしれませんが、八ヶ岳連峰の美しさは富士山にも負けません。
私はこれを「八ヶ岳戦法」と呼んでいます。
八ヶ岳戦法の優れたところは、バラバラなことをやっているように見えてもどこかでそれぞれが相互に絡み合うことです。

 

アンラーニングのために重視したいことが二つあります。
一つは、読書です。
新たな研究結果や最新の知見を書物から学ぶことは、古びた知識や常識を入れ替えるために重要です。
もう一つ、本書で何度も述べている「若い人と会う」こともアンラーニングを促してくれます。

 

成長する企業とはどんな企業かと尋ねられたら、私は「Why(なぜ)を考え続ける会社」だと答えます。

 

経営者を見るときは、付き合う相手や自分が働く会社の社長を見るときのように、あくまでも「全人格的に」評価することが大事なのです。

 

ウェルビーイングについて深く考え、自分たちが考えるウェルビーイングとはなにかを提示できた会社は、高く評価されて大きく成長するでしょう。
ウェルビーイングは、力強い成長戦略なのです。

 

最新の分析の一つに、「PERMA(パーマ)」が揃っていることがウェルビーイングであるというものがあります。
「P」はPositive emotion、
「E」はEngagement、
「R」はRelationship、
「M」はMeaning、
「A」はAchievement、
の頭文字であり、ポジティブ心理学で著名な心理学者のマーティン・セリグマンが提唱したものです。

 

「先の先」を読み、未来の社会をイメージしたら、その未来に向けて「自分はどうすべきか」を考え、行動を変えなければなりません。

 

「勝つか負けるか」ではなく、「勝つか学ぶか」だ、ということです。
「勝つか学ぶか」は、私自身が基本としている考え方です。
勝負をして失敗したり負けたりしても、そこからは必ずなにか学びが得られます。
失敗から学んでミスの要因がわかれば、次はより高い確率で成功することができるでしょう。
勝負をすることは、結果にかかわらず成功に一歩ずつ近づくことなのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1849-1】若手経営者(20代前半くらい)のSNSをフォローする

【1849-2】都心のファミレスで人間観察する(もちろん節度をもって)

【1849-3】『勝つか学ぶか』を意識して行動する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】プロ投資家の先の先を読む思考法
【著者名】藤野英人著者情報
出版社クロスメディア・パブリッシング
【出版日】2022/5/2
オススメ度★★★★★
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード思考マインド資産形成
【頁 数】192ページ
【目 次】
第1章 「先の先」を読むために「今」を知る
第2章 「思考」を広げて先の先を読む
第3章 先の先を読むための「材料」の集め方
第4章 今この時代に「伸びる会社」の共通点
第5章 先の先に見えてきた「未来のかたち」
第6章 先を読むことと同じぐらい大切なこと

 

この本で、あなたは変わる!

プロ投資家の先の先を読む思考法
藤野英人 クロスメディア・パブリッシング 2022-5-2
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藤野英人さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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