【書評:1831冊目】模倣と創造(佐宗邦威)

【素直さが、創造の扉をひらく!】
戦略デザイナー・佐宗邦威氏が、『模倣と創造』と題して、模倣(まねる)→想像(えがく)→創造(つくる)の3つのステップにわけて、創造力を伸ばしていくポイントを解説する一冊。

■書籍の紹介文

自分の創造力。
10点満点とすると、何点をつけますか?

 

本書は、「創造力の扉を開けるには素直さが大切だ」と提起し、模倣(まねる)→想像(えがく)→創造(つくる)の3段階に分けながら、創造力の育て方を解説する一冊。

 

創造力。
なにもないところに、なにかを生み出す力だとイメージします。

 

ただ、こうイメージしてしまう人ほどおもいます。
「自分には創造力はないな〜」と・・・。

 

このイメージを払拭し、創造力の捉え方を変えてほしいと著者は語ります。
創造力とはもっと幅広いものであり、日常生活の至るところにあるものだといいます。

 

そのうえで、最終的にはつぎのように感じ取れるようになってほしいと願います。
『「創造」することは、希望をつくる力』だと。

 

そのために、創造する力を3つの力に分解しながら紐解いていきます。
・模倣(まねる)力
・想像(えがく)力
・創造(つくる)力

 

ひとつ一つの力が持つ意味と、伸ばし方をわかりやすく解説していきます。
さらに、日常生活で習慣にしやすいトレーニング方法が、各項目ごとに提示されているので実践しやすいよう配慮されています。

 

本書の副題は「13歳からのクリエイティブの教科書」。
ゆえに、「創造する」「クリエイティブ」というものに苦手意識がある人でも、理解しやすい内容に仕上がっています。

 

正解がない時代、「自分はこれでOK!」とお墨付きを与えながら日々を生き抜かなければなりません。
どんな仕事で生計を立てるか、どんなところで暮らすか、どんなものに囲まれて生活するか。

 

まさに、目の前に広がる自分の人生をどうやって描いていくか。
この描写力こそが創造力なのだということが、読み終わる頃に見えてきます。

 

どうすれば、より幸せを感じるか。
そのために、なにを生み出せばいいのか。

 

ワクワクしながら脳内妄想していることを、現実世界に出現させる。
この一連の行動のすべてが、創造力へとつながっていくのです。

 

であるならば、本来はだれでも「創造力」を持っているはずです。
つまり、自分の創造力の点数を低くつけてしまう人は、力の引き出し方を忘れている、もしくは、学んでいないだけといえるわけです。

 

ぜひ、わかりやすくまとめられた本書を活用して「創造力のスイッチ」を入れましょう。
生きることがどんどん楽しくなっていきます。

 

◆創造力のスイッチを押す。

模倣と創造
佐宗邦威 PHP研究所 2022-3-18
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「まねる」ときに大切なのは小さな違いまで観察すること、それが自分の感性のセンサーを働かせることになります。
感性のセンサーが働くようになると、自分のなかで、自分が「美しい!」「いいな!」などと思ったいろいろな感覚のデータベースがつくられ、自分のなかにたまっていくようになります。

 

大切なのは目の前のものを正しく認知すること、すなわち「観察する技術」なのです。

 

一日ひとつ描くものを決めて、デッサンをしてみてください。
フセンに一日1枚スケッチをしていったものを残していくのが目標です。

 

コスパは大事ですが、自分のセンスを磨くために、ここぞという場合には多少お金をかけてでも、良いものを体験することに投資することが大切です。

 

「まねる」という視点を通じて、ものの見方が変わっていくと、さまざまなものから「感性のセンサー」を働かすことができます。
そんな視点をもって、自分の感性が喜んだ体験は、写真や動画で記録してデータベースをつくっておくのがおすすめです。
たとえば、多くの方がやっているInstagram。
専用のアカウントをつくり、自分が、「いいなあー」と感じた体験を写真でためていく、My sense galleryをつくるのがおすすめです。

 

独自性を生むために必要な考え方、それが、「主人公」です。
言い換えると、自分を主語にできているかどうかです。

 

自分を主語にするには、次の三つの段階が必要です。
自分が感じている感情と対話する。
自分の好きな世界に浸る。
そして、自分のつくりたい世界を想像する。
自分を主語に置くことができて初めて、世の中に対して新しい独自の表現が生まれてきます。

 

真っ白なキャンパスは常にあなたの世界にいっぱいあることに意識をしてみてください。

 

あなたが、違和感を持ったとき、まずは、何に違和感を持ったのかをありのままに話してみたり、書いたりしてみましょう。
しばらく寝かせたら考えてみてください。
あなたが、違和感を持たないためにはどんなものだったら良かったのでしょうか?
この、「自分が違和感を持たない○○ってどんなのだろう?」と考えてみる問いこそが、あなた独自のアイデアのタネになるのです。

 

①「目をつむって自分がワクワクするシーンを妄想する」
②「それを物語として言葉で書いたり、スケッチで描いたりして、実際に表現してみる」
③「表現したものを、自宅で見えるところに貼っておく」
この3点セットで、あなたはあなたの持つ想像力を鍛えられるようになります。

 

創造的な思考が必要とされるのは、ゲームのルールが変わり、答えがそもそも見えないような場面です。
当たり前のように同じものをつくらない。
つまり突然変異を、意識してつくっていくための思考法なのです。

 

キーワードは、好奇心と、他の人から褒めてもらうこと。
この二つがエネルギー源になって創造的思考は駆動します。

 

僕は(企画する)方法はさまざまあれど、「どんなことができたら面白いかな?」という問いを自分に聞いてみることから始めています。

 

制作作業で大事なのは、手を動かしてつくりながら、自分がつくりたいもののイメージとのギャップと対話しながら進めていくということです。

 

何かをつくることは、答えのない問題に挑戦することです。
最終的には、自分でこれでいい、と納得する以外に正解はありません。
悩むときには、自分のなかで何を表現したいか、何を伝えたいかのゴールが決められていないことが根本的な原因であることがほとんどです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1831-1】1日1個、フセンに好きなイラストを書く

【1831-2】1日8000歩を目標に毎日散歩する

【1831-3】違うもののなかから共通点を見つける訓練をする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】模倣と創造
【著者名】佐宗邦威著者情報
出版社PHP研究所
【出版日】2022/3/18
オススメ度★★★★☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード発想力思考アイデア
【頁 数】208ページ
【目 次】
第1章 模倣ーまねる
第2章 想像ーえがく
第3章 創造ーつくる

 

この本が、あなたを変える!

模倣と創造
佐宗邦威 PHP研究所 2022-3-18
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佐宗邦威さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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