【書評:1749冊目】自学自習の極意(齋藤孝)

【自学自習の力とは生きる力である】
明治大学文学部教授・齋藤孝氏が、『自学自習の極意』と題して、今の自分は今まで学んできたものでつくられていると提起し、自分を成長させる自学自習力の磨き方を指南する一冊。

■書籍の紹介文

自分でテーマを決めて学習する。
あなたにとって、苦もなくできることですか?

 

本書は、情報過多の時代こそ、思考停止にならず本質をつかみとる能力が大事だと提起し、能力を養うのに重要な「自学自習の極意」を指南する一冊。

 

インターネットで検索すれば、ほしい情報が瞬時に手に入ります。
このこと自体は、疑いようもなく、今の時代を生きるわたし達の恩恵です。

 

しかし、気をつけなければならないことがあると著者は指摘します。
それは、簡単に情報へアクセスできるため、人間の思考が鍛えられないということです。

 

なぜ、情報へ簡単にアクセスできると思考力が奪われるのか。
学ぶ機会や考える機会が、”簡単”によって失われるからです。

 

筋力がトレーニングしないと衰えるように、考える力もトレーニングしないと衰えます。
では、考える力が衰えるとどんな影響があるのでしょうか。

 

著者は、考える力は人格形成につながっていると説きます。
要するに、考える力が衰えると、自分が衰えてしまうということなのです。

 

言い換えると、「考える力とは生きる力」なのです。
だから、きちんとトレーニングをして鍛えていかなければいけないのです。

 

そうすると浮かんでくる問題は、どう鍛えるかというトレーニング法です。
これこそが、本書のテーマである『自学自習』です。

 

自学自習の意義から実践方法まで。
みずからの経験から導き出した極意をまとめ上げています。

 

考える力とは、生きる力。
考える力を鍛える方法とは、自学自習。

 

多くの偉人が「人生死ぬまで勉強だ」という趣旨の言葉を残しています。
本書を活用して、自学自習の力を磨きましょう。

 

◆一生モノの自学自習力。

自学自習の極意
齋藤孝 ポプラ社 2021-10-20
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

自学自習に必要なのは、頭の良さより、根気です。

 

ポイントはまず、「集中力は続かない」という前提でペース配分を考えることです。

 

世界トップクラスのスポーツ選手でさえも、プロの導き手がいなければ上達しないのですから、多彩な学びの分野はなおさらのこと、水先案内人が必要なのです。

 

何かひとつテーマを決めて、一定期間、そのことだけ集中的に学んでみる。
この方法を私自身実践していますが、思った以上に楽しくハマることができます。

 

学びの「構え」として身体を整えるために、今日からでもすぐに実践してほしいのは「呼吸法」です。
(略)
鼻から3秒吸って、2秒ためて、15秒で口から吐ききる。
15秒が難しい人は10秒程度でもかまいません。
たったこれだけですが、身体の力が劇的に高まるのです。

 

どんな分野の学びでも、「この本は前に読んだところまで何が書いてあったかな?」と、思い出すだけでも知識の定着度が変わります。

 

脳がコピー機のような働きをして、見て覚えたことを書く、という南方(南方熊楠)のやり方は、効果的です。
書き写しは、福沢諭吉も実践していました。

 

自分で本や教材を読んで勉強する自学自習は、どのくらい知識が定着したか客観的に見ることが難しいところが難点です。
その点、通信教育を併用して課題に取り組めば、勉強の成果が可視化されて、先生からフィードバックをもらうことができます。

 

●自学自習を楽しむ”4つの方法”
①マンガを読みまくる
②図解・イラスト化する
③コントや動画で表現する
④「偏愛マップ」で没入する

 

読んだ本のことだけでなく、新聞やニュースはもちろん、マンガ、アニメ、ドラマ、映画の話でもいいのです。
自分にとって学びだと思ったことを、息を吸って吐くように毎日誰かに伝えていると習慣になっていきます。

 

「心理的抵抗をなくす」ためには、肝に銘じるべきことが2つあります。
1つ目は、頭のいい人と自分を比較せず、自分の能力を決めつけないこと。
2つ目は、じっくり考えたうえで自分が選んだ目標、選んだ教材について、「これでいいのだろうか?」と疑問を持ったり迷ったりしないこと。

 

勉強は、「するべき」ものでも「しなければならない」ものでもなく、気がつけば「してしまっている」もの。
そのくらい日常の習慣になれば、あなたも勉強を楽しめるようになるかもしれません。

 

自学自習を究める手段として、私が一度はチャレンジする価値があると思っているのは、本を1冊書くことです。

 

世界史は、教養の土台です。
人類の営みを知り、社会の成り立ちを知ることは、現代を理解することであり、ひいては自分のアイデンティティを知ることにもつながるからです。

 

知識が増えることは、強みが増えること。
それが、生きる自信となり、未来への希望にもつながっていくのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1749-1】学習計画は2週間ごとの短期計画とする

【1749-2】学んだことを短くまとめてどんどん伝える習慣をつくる

【1749-3】世界史と日本史の教養を深める

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】自学自習の極意
【著者名】齋藤孝
出版社ポプラ社
【出版日】2021/10/20
オススメ度★★★☆☆
こんな時に学ぶ力を身につけたいときに
キーワード勉強法インプットアウトプット
【頁 数】254ページ
【目 次】
第1章 自学自習を習慣化する5つのルール
第2章 自学自習の効率を高める9つのコツ
第3章 自学自習をエンターテインメントとして楽しむ4つの方法
第4章 パフォーマンスを高める自学自習の4つのとらえ方
第5章 4つの自学自習パターンで人生のステージを上げる
第6章 一生ものの教養を身につける10のテーマ

 

この本が、あなたを変える!

自学自習の極意
齋藤孝 ポプラ社 2021-10-20
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

齋藤孝さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

▼書評ブロガーの読書術を公開中!

▼【仲間大募集中!】101年倶楽部

▼「いいね!」応援をありがとうございます!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る