【思考は言葉で引き出せ!】
明治大学教授・齋藤孝氏が、『頭がいい人のモノの言い方』と題して、相手にデキる印象を与えるのはもちろん、自分の思考さえも変えてしまう、45個の「モノの言い方」を解説する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
ある言葉を口にした途端、スラスラと言葉が続いた。
そのような経験をしたことがありませんか?
本書は、「モノの言い方」を意識することで、相手に与える印象も自身の思考も変わると提起し、とくに有用な45個の「モノの言い方」を解説する一冊。
言葉は、思考を引き出す”スイッチ”です。
適切に扱うことで、思考はどんどん活性化されます。
デキる人(と印象を持たれる人)は、この”スイッチ”の扱いがうまいのです。
必要なときに、必要な”スイッチ”を押すことができるわけです。
扱い方がうまくないと、
◎言いたいことを言えない
◎まとまりのない話で相手を不快にさせる
◎自分の考えが整理できずにミスをしてしまう
といったような、マイナスの結果につながってしまいます。
では、どうすれば”スイッチ”の扱いがうまくなるのか。
それは、普段使っている”スイッチ”、つまり、使う言葉を変えるしかありません。
本書は、置き換えるのに最適な45個の言葉が収録されています。
どの言葉も、思考力・説明力・発想力など、あらゆる場面で有用な”デキる”もののみです。
・なんとなく気になることを伝えたい時→「懸念材料としては〜」
・議論を深めるために自分の意見を出したい時→「視点を変えてみると〜」
・反対にあっても説得したい時→「起こりうるパターンとしては〜」
このような”スイッチ”となる言葉を使うことで、目の前の結果が変わっていきます。
意識的に使うことで、自分の言葉が、相手に与える印象が、好転します。
収録されているのは45個。
大人としての「モノの言い方」を身につけましょう。
◆言葉を変えると、思考が変わる!
頭がいい人のモノの言い方
齋藤孝 きずな出版 2020-6-27
売上ランキング(公開時):86,327
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■【要約】15個の抜粋ポイント
相手を説得するなら、「暫定的な措置として〜」のほうがロジカルで説得力が増します。
ネガティブからポジティブに物の見方を変えるには、気持ちの切り替えが必要です。
しかも、切り替えは早ければ早いほうがいいのです。
そのためのコツは、「気持ちを切り替えると〜」「ポジティブに考えると〜」と口に出して言ってしまうことです。
自分がやりたいことを人に伝える際は、反対されたり断られたりしても説得できるように、あらかじめ<3つのパターン>を想定しておくことです。
3というのは人が理解しやすい数字で、「起こりうるパターンとしては〜」と3つの可能性を整理して説明すると、相手を納得させやすいのです。
それほど大きな問題ではなくても、ちょっと気になることを伝えたいとき、私は「懸念材料としては〜」と言って説明を始めます。
これは、学生や若い人にはなかなか使いこなせない、大人の語彙力を感じさせる言葉遣いです。
ビジネスで問題が起きたとき、場当たり的に対処するだけで「なぜそうなってしまったのか」という本質を見極めようとしない人もいます。
まずは形から入るつもりでもいいので、「この問題の本質は〜」という言葉を使って物事を考えたり、人と話したりするようにしてみてください。
社会人なら「進捗状況を申し上げますと〜」という言葉を普段から使って、取引先や上司に仕事の進み具合を報告して、安心させることが大切です。
新しいことを始めるときは、なぜそれをやるのか、なんのためにやるのかを考えて、「この企画のコンセプトは〜」と一言で表現したほうが、伝わりやすくなります。
コンセプトは、さまざまなアイデアを出す上で軸になる考えです。
もっと議論を深めるために自分の意見を出したいなら、「視点を変えてみると〜」「こういう見方もありますよね」というふうに、相手の意見を肯定も否定もせず、ワンクッション置いて「切り替え感」を出すと、角が立ちません。
自分のなかにある知識の財産をもっと幅広く活用したいと思う人は、「この考え方を応用すると〜」という言葉を使ってみると、思考の幅が広がるはずです。
「大づかみで言うと」「ざっくり言うと」という言い回しは便利です。
この「鳥の目視点」の話から切り出して、まずは全体像を語ります。
その上で、「では次に、細かく説明していきましょう」といった「蟻の目視点」で具体的な話をすれば、聞き手もストレスなく聞くことができるのです。
決めつけや思い込みによる発言を減らしたい場合は、「これは私の意見ですが」「ここからは推測ですが」といった言葉を意識的に使ってください。
目標には、最終的な大きな展望と、それに向けた具体的な案が必要です。
ですから、それぞれを「長期的には〜」「短期的には〜」と分けて話せばいいのです。
コミュニケーション能力が高い人は、お互いの心を開きやすくするため、適度にカジュアルな雰囲気をつくり出すことが上手です。
私はそのための1つの方法として、会話に「本音の話」を盛り込むことがあります。
よく用いるのは、「ありていに言えば」「正直に言って」「ここだけの話ですが」といった言い回しです。
会議でよく、「それってどういうこと?」「具体的には?」と聞かれる人は、大ざっぱな話をしたあとで、「厳密に言うと」「くわしくは〜」と続けて、具体的な話まですることを心がけてください。
自分の感性を磨いて研ぎ澄ませるために意識して用いたいのが、「感覚的に言うと〜」「直感的には〜」といった言い回しです。
■【実践】3個の行動ポイント
【1685-1】「懸念材料としては〜」を使って、引っかかっていることは口にするようにする
【1685-2】「この企画のコンセプトは〜」を使って、新しいことを始める際に軸となる考えを固める
【1685-3】「ここからは推測ですが」を使って、決めつけや思い込みの発言を減らす
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】頭がいい人のモノの言い方
【著者名】齋藤孝
【出版社】きずな出版
【出版日】2020/6/27
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】考える力を身につけたいときに
【キーワード】ことばのチカラ、働き方、思考
【頁 数】208ページ
【目 次】
第1章 語感を和らげて提案する
第2章 抽象と具象のバランスをとる
第3章 さまざまな「視点」でモノを見る
第4章 「事実」と「意見」を区別する
第5章 「本音」と「根拠」を織り交ぜる
この本が、あなたを変える!
頭がいい人のモノの言い方
齋藤孝 きずな出版 2020-6-27
売上ランキング(公開時):86,327
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齋藤孝さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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2020年 7月 05日
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