【書評:182冊目】負けかたの極意(野村克也)

【勝った分だけ負けもある】
名将と謳われる野村克也氏が、『負けかたの極意』と題して、善く勝てる者は善く負ける方法を知っていると提起し、最後に勝利をつかむ「負けない」ための勝負の哲学を指南する一冊。

■書籍の紹介文

負ける。
それにはマイナスの面しかないのでしょうか?

 

本書は、人は目先の勝利やヒーローに目を奪われるが、本当に強い者は最後にトップを取る者だと提起し、「負けない」ための勝負の哲学を指南する一冊。

 

「なんで、うまくいかないんだろう」
「どうして、自分だけ結果が出ないんだろう」

 

このように、いまにも心が折れそうな人の支えとなる内容です。
負け、失敗に対する意識を大きく変えてくれます。

 

勝負を投げ出さない限り、最後まで結果は分かりません。
スラムダンクの安西監督の名言「あきらめたら、そこで試合終了ですよ?」です。

 

ノムさんの監督生活24年間での戦績は、1565勝1563敗。
わずかに2つの勝ち越しをしただけなのです。

 

ノムさんはいいます。
『目先の1勝よりも、3000試合以上も勝負の土俵に上がり続けたことにこそ、価値がある』と。

 

目先の結果に一喜一憂することへのアンチテーゼ的な一冊。
読み終わると元気が湧いてくる、不思議な力を有しています。

 

◆負けに負けない。

負けかたの極意
野村克也 講談社 2013-5-21
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■【要約】11個の抜粋ポイント

いうなれば、勝ちはパァーッと盛り上がるが冷めやすい“一瞬の恋”。
対して負けは、たとえ嫌なことがあっても、必要と思えばきちんといってくれる“悪友”といったところだろうか。

 

再生で大事なのは、その選手に足りないものに気づかせてやることだ。

 

周囲からは「もはや限界」と見られていても、何かひとつ新たな武器を身につけることで、もうひと花咲かせることは充分可能である。

 

痛い目に遭わないと、人間はほんとうには変われない。
だからこそ指導者は、ときにはあえて失敗させることも必要なのである。

 

その選手の将来性を判断する基準のひとつとして、私が注目していることがある。
三振したり、KOされたりしたとき、どんな顔でベンチに引き上げてくるか、である

 

目先の勝利にこだわるあまり、肝心の「人」を殺してしまっては何にもならない。

 

百パーセント理想の状態でないのは、たしかに環境のせいかもしれない。
だが、そのなかで百パーセントの力を発揮しないのは、自分自身のせいなのだ。

 

「これ」と思った人材を抜擢、信頼し、結果が出るまで待つことができるか。
言い換えれば、近い将来の大きな成果のために、目先の利益をあえて捨て、ある程度の失敗や負けに目をつぶるだけの覚悟を決められるか。
リーダーには、それだけの度量が求められるということである。

 

「この監督についていけば、いずれ勝たせてくれる」
「この監督のいう通りにやっていれば、必ず結果は出る」
そのように思わせることが何よりも大切だった。

 

「信は万物のもとをなす」という言葉があるが、選手の信頼があってこそ、はじめて監督は自分の目指す野球を実践できるのである。

 

張本勲が現役時代に残した名言がある。
「夜の素振りは、おれの睡眠薬だ」

 

■【実践】3個の行動ポイント

【182-1】どんな状況下でも、その時の100%を発揮する

【182-2】努力を疎かにしない

【182-3】「信は万物のもとをなす」を書き留める

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】負けかたの極意
【著者名】野村克也
出版社講談社
【出版日】2013/5/21
オススメ度★★★☆☆
こんな時に自分を見つめ直したいときに
キーワード思考自己対話指導力
【頁 数】226ページ
【目 次】
第1章 人は勝利から学ばない
第2章 敗者の特権
第3章 再生も負けからはじまる
第4章 負けかたの極意
第5章 負けを活かすために何が必要か
第6章 負けを活かすリーダーの条件

 

この本が、あなたを変える!

負けかたの極意
野村克也 講談社 2013-5-21
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野村克也さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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