【書評:1857冊目】すごいタイトル㊙︎法則(川上徹也)

【タイトルを深掘りすると、売れる法則が!】
コピーライター・川上徹也氏が、『すごいタイトル㊙︎法則』と題して、ヒット作品のタイトルを分析してみえた、人の心をつかむ”タイトルの13の法則”を指南する一冊。

■書籍の紹介文

このタイトルは印象に残っている。
そんなタイトル、なにかありますか?

 

本書は、「すごいタイトルは極上のエンターテインメント」と語りながら、多くの人の心を一瞬で惹きつける「すごいタイトル」に秘められた”13の法則”を指南する一冊。

 

「本」「音楽」「映画」「TV番組」・・・。
あらゆる作品のタイトルを集めて、そこに隠れた法則を楽しみながら深掘りしていく内容です。

 

「中身」と「タイトル」。
世の中のあらゆるコンテンツにとって、この2つは切り離せない関係です。

 

もちろん、「中身」が一番大切です。
受け手にすこしでもたくさん満足してもらうため、それこそ命を削って創造していきます。

 

ただし、「中身」だけではコンテンツは完成しません。
完成させるためには、そのコンテンツの顔となる「タイトル」が必要です。

 

この「タイトル」次第で、「中身」の生殺与奪が決まります。
つまり、「中身」が一番大切ですが、「タイトル」は一番重要だといえるのです。

 

では、その「タイトル」をどうやって決めればいいのか。
「タイトル」の難しさは、コンテンツを創る者全員が身に染みています。

 

一番重要にして、一番難解な「タイトル」。
これを分析して、13の法則を発見、まとめたのが本書。

 

著者が発見した”13の法則”はつぎの通り。
(1)「いちご大福」の法則
(2)「の」の法則
(3)「もしドラ」の法則
(4)「プレバト」の法則
(5)「パワーワード」の法則
(6)「なったらいいな」の法則
(7)「数字は奇数」の法則
(8)「さおだけ屋」の法則
(9)「しなさいするな」の法則
(10)「お名前+α」の法則
(11)「ん」の法則
(12)「ゴロリズム」の法則
(13)「色キュン」の法則

 

『(2)「の」の法則』だと、ヒットしたジブリ作品には「の」が入っています(となり”の”トトロ、紅”の”豚など)。
『「数字は奇数」の法則』だと、ビジネス書で大流行した「9割」が思い浮かびます(伝え方は9割、人は話し方が9割、人は見た目が9割、など)。

 

これら、著者が発見した法則は、どのようなプロセスや法則性によって生み出されたのか。
それを知ることは、仕事や人生において必ず活きる場面があるとおもいます。

 

「いわれてみればそうかも!」「へえ〜、そんな裏話があるのか〜」など。
タイトル分析を楽しみながらも、着眼点を養うのに大いに役立つ一冊だとおもいます。

 

なにより、読んで楽しい。
この感情で読めるだけでも、読書がはかどります。

 

◆おもしろい!上に奥が深い!

すごいタイトル㊙︎法則
川上徹也 青春出版社 2022-5-3
Amazonで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

たとえ「あと出しジャンケン」の分析であっても、「売れた・ヒットしたコンテンツ」から共通の要素を導き出すことには大いに意味があると考えます。
なぜなら、タイトルはたった数文字の言葉の組み合わせにもかかわらず、次のような効果を生み出す力を持っているからです。
・「読みたい」「観たい」「買いたい」気持ちにさせる
・コンテンツの内容や世界観を端的に表現する
・読者や視聴者の記憶に残り、口コミなどを誘発する

 

すごいタイトルは、パッと見て「?」、もしくは「!」と反応します。

 

「タイトルの前半と後半がまったく合わない言葉を組み合わせるのがコツ」

 

『ドラゴンクエスト』というタイトルも、言葉の組み合わせから生まれました。
もともと、漫画家志望だった堀井雄二さんは、漫画原作者である小池一夫さんが主宰している劇画村塾に通っていました。
小池さんはタイトルについて次のように教えたといいます。
・やさしい言葉と難しい言葉を組み合わせると印象に残りやすい
・タ行に濁音をつけた言葉を入れるとインパクトが出る

 

日本語では一部の例外を除き、なぜか4文字の略称は語呂がよく、快く響くようです。
多くの場合、ある程度人気が出たことで「略称」で呼ばれることが増え、それにより多くの人に認知されるという好循環が生まれます。

 

番組のタイトルのつけ方は、Youtubeなどの動画メディアのタイトルやClubhouseなどでの音声メディアのタイトルづけに応用できます。

 

タイトルに数字を入れるのは、ビジネス書や実用書では有効な手法です。
数字があると具体的になり、印象が強くなるからです。
さらにその数字は奇数のほうが有効だという説があります。
人間は、割り切れない奇数に対して無意識的に「自然」と感じ、受け入れやすい傾向があるからだというのです。

 

命令形のタイトルは「上から目線」「エラそう」「ムカつくから買わない」という意見も散見されます。
情報量が多い現代社会においては、「○○しなさい」「○○するな」と断定して命令してくれるのは、悪い意味でもいい意味でも、何かしら読者を振り向かせる効果があるということかもしれません。

 

(朝ドラで)興味深いことに、一番作品数が多かった5文字が平均視聴率がもっとも高いという結果になりました。
ただし、朝ドラ史上最低平均視聴率だった『ウェルかめ』(13.5%)もタイトルは5文字でした。
逆にそれ以外の視聴率が高かったということにもなります。

 

タイトルに「ん」が入ることでリズムに心地よさが出るため、声に出したくなることで人気が出やすくなっている可能性はあります。

 

場所や所属名は、うまくはまれば印象深いタイトルになります。

 

2021年のヒットチャートを見て、ご存知の曲はいくつありましたか?
比較的幅広い年代にも浸透した曲としては、3位『夜に駆ける』と7位『うっせぇわ』があげられるでしょう。
どちらも、法則的にも説明できる印象に残るタイトルです。

 

2018年にオリコンが発表した<歴代作詞家シングル総売上枚数>では、1位秋元康、2位阿久悠、3位松本隆という順位になっています。
いずれも「すごタイ」を数多く生み出した「タイトルの天才!」です。

 

人は「赤」「青」「白」「黒」など、色によってある種の印象を持っているので、タイトルに色が入っていると、耳で聞いただけでも視覚が刺激されて詩的になります。

 

どのタイトルをとっても、「この単語とこの単語を合わせるのか!」というミスマッチ度が大きいのが特徴といえるでしょう。
そのギャップの大きさが、秋元康さんの楽曲タイトルの肝になっています。
なかでも印象的なタイトルが『上からマリコ』です。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1857-1】流行している本/曲/作品のタイトルを記録する

【1857-2】読んだ本の内容と13の法則を合わせて、タイトルを自分で考える練習をする

【1857-3】目にとまった言葉を書き溜める

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】すごいタイトル㊙︎法則
【著者名】川上徹也著者情報
出版社青春出版社
【出版日】2022/5/3
オススメ度★★★☆☆
こんな時に書く力を身につけたいときに
キーワード文章力発想力伝える
【頁 数】202ページ
【目 次】
序章 あの大ヒット作品が、もし違うタイトルだったら
1章 タイトルは「言葉の化学反応」が命
2章 「長い」「短い」どちらが正解!?
3章 売上に繋がるテクニック
4章 物語を引き立てる「王道タイトル」
5章 映画をヒットに導く「邦題の魔力」
6章 あのヒット曲を生み出したレジェンド達

 

この本で、あなたは変わる!

すごいタイトル㊙︎法則
川上徹也 青春出版社 2022-5-3
Amazonで探す 楽天で探す

川上徹也さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

▼書評ブロガーの読書術を公開中!

▼【仲間大募集中!】101年倶楽部

▼「いいね!」応援をありがとうございます!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る