【書評:1230冊目】一番伝わる説明の順番(田中耕比古)

【説明は順番が10割!?】
戦略コンサルタント・田中耕比古氏が、相手の頭を整理しながら伝えることが「一番伝わる説明の順番」であると提起し、伝わる説明の仕方を解説する一冊。順番ひとつでここまで変わる!

■この本の紹介文

「分かりやすい説明だな」。
どんな説明をされたとき、このように思いますか?

 

本書は、「説明の順番」を意識することで結果・印象・評価は劇的に変わると提起し、わかりやすく説明するためのコツを解説する一冊。

 

(1)いま、何の説明のどの部分を話しているかがわかる
(2)自分の理解できる言葉で話をしてくれる
この2つができた説明を受けると、「分かりやすい説明だな」とわたしは感じることが多いです。
あなたはいかがでしょうか?

 

タイトルから(1)に関する本かな?と思うかもしれません。
ですが、(1)以上に(2)の部分が大切だと学びます。

 

というより、(2)、すなわち「相手のことをきちんと理解すること」ができていなければ、(1)、すなわち「順序立てて説明すること」はできないということです。

 

相手を理解できているから、相手に合わせた順番で説明できるのです。
決して、順番に説明さえすれば、相手は理解できるではないのです。

 

ただ、ここで大きな問題にぶつかります。
それは、相手を理解することはとても難しい(無理と言っても大袈裟ではない)ということです。

 

本書は、この高い壁を乗り越える方法を解説していきます。
結果、「伝わる説明」の”順番の組み立て方”が理解できるようになります。

 

説明は、伝えたいことを相手が理解してこそです。
「説明上手になりたい」という想いに、応えてくれる一冊です。

 

◆相手あっての説明。

■本がわかる!15の要約ポイント

相手がしっかり理解しているか、話の流れについてきているかなど、相手の状況を把握し、それに合わせて話し方を変えることが、伝わる説明のコツなのだ。

 

「自分主導の説明」とは、自分の主張や、何かしらの結論がある場合に行う能動的な説明のことだ。
言い換えれば「ゼロから組み立てる説明」のことだ。

 

「相手主導の説明」とは、「何か相手から説明を求められる質問をされた」など、受動的な説明のことだ。
わかりやすくいえば、「相手の問いに答える説明」だ。

 

「本質」とは、自分が考える「解釈」のことだ。
枕言葉を「要するに」「ひと言で言うと」という具合に付けて、説明をひと言に要約した言葉で表すことだ。

 

「自分主導の説明」でも「相手主導の説明」でも「相手が何を聞きたがっているか」を見極めることだ。
そして、求められているほうから入ることが重要なのだ。

 

●思考をまとめる4ステップ
(1)「相手の知りたいこと」を明確にする
(2)「自分が伝えたいこと」を明確にする
(3)「情報のギャップがないか」を確認する
(4)「ギャップを埋めるためには何が必要か」を考える

 

説明はシンプルであるべきだ。
だが、安易に短くしようとすると、逆に伝わりにくくなる。
短くするには、高度なテクニックが必要だ。
一番簡単な方法は「言いたいことを減らす」ことだ。

 

「枝葉を捨てて、幹を選び取る」には、サマライズやクリスタライズだ。
「サマライズ」は、文章を短くシンプルにすること、「クリスタライズ」は、本質を表すキーワードを選び取ることだ。

 

とことん具体的に考えて、その中で「一番伝えるべき内容」「伝えたい内容」を厳選して抽出し、端的に伝えることだ。
これが説明上手のコツなのだ。

 

本当に「深く考えたい」なら、客観的に物事を捉えることだ。
そのためにお勧めなのが、思考や情報を紙やノートに書き出すことだ。
書くことは、思考を「言語化」「可視化」する作業だ。

 

自分の考え方をいくら整理しても、相手の頭の中が整理されていなければ、説明の内容は理解されない。
だから、まず相手の頭の中を整理するのだ。

 

地図を描くメリットは3つある。
まず「どこまでの範囲を考えればいいか」がわかる。
次に「自分たちが、今どの部分を話しているか」がわかる。
最後に「複数の論点の関係性」がわかる。

 

質問に答えた相手は、自分の発言で、自分の本当の考えや気持ちを自覚するはずだ。
「相手に、自分の思考を自覚してもらう」ことは、「相手の思考を整理すること」そのものなのだ。

 

相手の頭の中身を引き出し整理するには、フレームワークを活用する。
たとえばMECE(ミーシー)だ。
「モレなしダブリなし」の意味だ。
すべての要素が入っていて、かつ何も重複していないことだ。

 

知識としてフレームワークをため込んだことに満足するのではだめだ。
実践的に使うことで、自分のスキルとして体得していくことだ。
これが説明力を下支えしてくれるのだ。

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【1230-1】「言いたいことを減らす」ことを意識する

【1230-2】思考や情報を紙やノートに書き出す

【1230-3】質問とは、「相手の思考を整理すること」と理解する

 

■ひと言まとめ

相手と自分が通じたとき、伝わる!

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】一番伝わる説明の順番
【著者名】田中耕比古著者情報
出版社フォレスト出版
【出版日】2018/6/8
オススメ度★★★☆☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワードアウトプット準備力数学的思考
【頁 数】256ページ
【目 次】
第1章 説明が下手な人は、何が間違っているのか
第2章 わかりやすい説明の順番
第3章 説明力を高める!「自分の思考」を整理するコツ
第4章 理解度が高まる!「相手の思考」を整理するコツ
第5章 印象に残る伝え方のコツ
第6章 説明力を磨く思考習慣&トレーニング

 

この本が、あなたを変える!

 

田中耕比古さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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