【書評:691冊目】戦略がすべて(瀧本哲史)

【21世紀版”勝者の書”】
京大客員准教授・瀧本哲史氏が、『戦略がすべて』と題して、どの世界にも「ルール」と「成功の方程式」があると提起し、24の事例から、これからの時代の戦略を養う方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

これからの人生をどう築いていこうか。
きちんと戦略を立てていますか?

 

本書は、どの世界にも存在する「ルール」と「成功の方程式」に対して、きちんと戦略を立てて攻略していく方法を指南する一冊。

 

ビジネス・労働市場・国家・ネット・・・。
あらゆる世界には、「ルール」と「成功の方程式」が存在します。

 

これを理解せずに、意気込みだけで突っ込んでいくと。
当然ながら、良い結果は得られません。

 

ではなく、きちんと理解した上で戦略をじっくりと立てる。
すると、良い結果が得られる可能性が高くなるのは明らかです。

 

現代社会に横たわる24の事例を、「戦略」の観点から考察していきます。
その鋭い視点に触れることで、自分の視点の脆さを痛感させられます。

 

あなたの立場によっては、著者の鋭い考察に嫌な気分にさせられる箇所もあるでしょう。
しかし、その感情を自分の中に持つことこそ大切にするべきだとおもいます。

 

嫌な気分になる自分を知ること。
これもまた、新しい自分の可能性を見出すキッカケになるからです。

 

頭に負荷がかかり、とても疲れる内容です。
ただ、その疲れさえも心地よくしてくれる一冊です。

 

◆戦略を立てろ!

戦略がすべて
瀧本哲史 新潮社 2015-12-16
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■【要約】15個の抜粋ポイント

オフラインのリアル空間ビジネスにこそ、プラットフォームビジネスとして大変興味深いビジネスモデルであると考えている。

 

自分でなんらかの価値を提供して、周りに人を集める。
彼らが協力と競争を通じて、お互いに学習、成長し、その成果が自分のところに少なからず戻ってくるようにすれば、そのとき、個人がプラットフォームになったことになるわけである。
そういう意味では、国家も個人も、プラットフォームという視点から、再考してみる必要があるのではないだろうか。
自分はどのようなブランド、サービスを提供すべきなのか。どのような価値があるのだろうか。
どうやったら人から必要とされるのだろうか。

 

従業員一人当たりに投入されている資源量を「資本装備率」と呼び、資本から生まれる付加価値額の比率を「資本生産性」と呼ぶが、多くの産業で、大企業と中小企業で資本生産性はそれほど変わらず、差がつくのは資本装備率なのだ。
(略)
結局のところ、スキルの高低というよりも、もともと社員に与えられている資源量で給与差がついているというほうが説明をしやすい。

 

「市場からの評価」というリスクは会社にとらせ、自分は社内という狭い世界で評価されることを目指し、イニシアティブをとって会社の変化を主導する。
そのほうが、一般の労働市場に打って出ていくよりも、個人にとってのリスクははるかに小さいはずだ。

 

自分が属する業界のことを知りつくし、かつ、新しい仕組みについてのアイディアを持てば、起業は成功する確率が高い

 

「楽勝でできることを、徹底的にやる」

 

主張が極端であれば極端であるほど、ごく一部の人間を深く「ハマらせる」構造になっているネットの世界では、危険な思想を助長させやすい

 

「逆をとる」、すなわち自分の仮説と逆の考え方や事実を探し、それがどの程度信頼できるかという、反証的な視点で確認していく。

 

自分の身近にすでに起きている小さな未来(可能性)をたくさん持っている・知っていることが極めて重要だと考えている。
(略)
近頃の若者に苦言を呈する人たちは、自分の頭の古さや、あるいはダメな若者しか集まってこない自分のネットワークに危機感を持つべきだ。

 

社会の問題を解決する、イノベーションを起こすという観点からは、各分野がそれぞれの独自性を追求しつつも、相互をつなぐネットワークが存在することが重要である。

 

自分の属している組織の特徴を理解して、それを客観視することは重要だ。

 

淘汰される企業は、社会に必要とされているものを、必要とされているコストで提供できていない企業であるから、社会的資源を無駄にしているのであり、これを保護するのは社会的に有害である。

 

本来必要な地方創生は、全ての自治体をむりやり生き残らせようとして全体を沈ませるのではなく、自治体同士の競争を促し、住民の移動という「足による投票」によって、強い自治体への統合を目指したほうが良い

 

戦略を考えるというのは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすることなのだ。

 

外国語のスキルにせよ、スポーツの技術にせよ、メソッドや理論を学んだだけでは身につかない。
それを実際に用いて自分ができるかどうか試し、自己修正をくり返していくことで初めて能力が向上し、それを我が物にできる。
そのためにも、多くの問題を解いたり、「実戦」の場に出たりして、その成否を検証するプロセスを何度も経験することが重要である。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【691-1】楽勝でできることを、徹底的にやる

【691-2】自分の仕事の業界を分析する

【691-3】主流やトレンドの「逆をとる」ことを意識する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】戦略がすべて
【著者名】瀧本哲史
出版社新潮社
【出版日】2015/12/16
オススメ度★★★☆☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード思考問題解決交渉術
【頁 数】256ページ
【目 次】
I ヒットコンテンツには「仕掛け」がある
II 労働市場でバカは「評価」されない
III「革新」なきプロジェクトは報われない
IV.情報に潜む「企み」を見抜け
V 人間の「価値」は教育で決まる
VI 政治は社会を動かす「ゲーム」だ
VII 「戦略」を持てない日本人のために

 

この本が、あなたを変える!

戦略がすべて
瀧本哲史 新潮社 2015-12-16
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瀧本哲史さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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