【シェア読書:542冊目】イギリス人アナリスト日本の国宝を守る(デービッド・アトキンソン)

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【向き合うから開ける未来がある!】小西美術工藝社会長・デービッド・アトキンソン氏が、オックスフォードの日本学とゴールドマンサックスの財務分析を駆使し、日本の経済と文化を深く考察した一冊。逃げるな!



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書籍情報
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【書籍名】イギリス人アナリスト日本の国宝を守る
【著者名】デービッド・アトキンソン
【出版社】講談社
【出版日】2014/10/21
【推薦度】★★☆☆☆
【対象者】教養を伸ばしたいときに
【頁 数】208ページ
【目 次】
第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」
第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
第三章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
第四章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
第五章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
第六章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす

 

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本書を読む理由
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・タイトルが気になったため

・日本の国宝と経済成長の視点に興味をもったため

 

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1分間紹介文
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あなたは日本の文化財の保存修理予算はいくらか知っていますか?
京都・鎌倉・伊勢神宮・・・どれくらいか予想してみてください。

 

著者は、デービッド・アトキンソンさん。
元ゴールドマンサックスのカリスマアナリスト。現在は、創立300年の国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の会長。日本の伝統文化を守りつつ、旧習の縮図である伝統文化財をめぐる行政や業界の改革への提言を続けている。

 

それでは答え合わせ。
81億5000万円。
2014年度に国宝・重要文化財に対して建造物の修理代として出している予算です。

 

日本全国を上から国宝・重要文化財を思いながら想像すると「こんなに少ないの?」と私は感想を持ちました。あなたは、この数字をどうとらえますか?

 

本書は、元ゴールドマンサックスのカリスマアナリストから、日本の国宝・重要文化財を守る江戸時代より続く老舗企業の経営者へと転身した著者が、長年の日本生活から感じた、日本・日本人の「違和感」「矛盾」「欠点」を、鋭く厳しく炙り出したカンフル剤的な一冊

 

非常に耳が痛く、お腹をグッとエグられるような内容ですが、悔しいですが反論することはできませんし、外国人からここまで真剣に日本を考えているのに、自分は果たしてどうなんだ、と自己嫌悪も生まれました。

 

自分の生まれた故郷をどこまで知っているのか。
あなたの日本人度が問われる!!

 

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Key Phrase(15の気に入った一文)
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マスコミでは「日本が中国に抜かれた、大変だ」とか「中国はただのバブルだ」とか論争をしていますが、人口一四億人もいるので、日本の一割程度の一人当たりGDPになれば、バブルでも何でもなく、日本経済より上にいくものなのです。

 

現在、日本のGDPはおよそ五〇〇兆円。人口は一億二〇〇〇万人を超えています。世界を見渡してもこんな規模の国家というのは数えるほどしかありません。たとえるなら、ものすごく巨大な船なのです。
(略)
今の日本にどんなに天才的なリーダーがあらわれようとも、どんなに大胆な改革に着手しようとも、わずか一〜二年で目に見える成果などでるわけがない

 

物事の本質から目を背けるということは、改善しなくてはいけない現実から目を背けること

 

観光業はGDPに対しての貢献度合いが世界的に九パーセントと推定されているのに対して、日本は二パーセント強と言われています。正しい戦略で、かなり大きな結果が出せる分野でしょう。

 

日本人の「効率の悪さ」とは
「数字に基づいた分析と、細かい改善をしない」ということ

 

「前例がない」「楽して儲けたい」云々というのは裏を返せば、ただ単に物事を改善させたくないための言い訳です。この言葉は、日本経済が成長をするうえでの「効率の良さ」の邪魔になっていると感じています。

 

自分たちに厳しい目で国際比較をしてみると、日本にはまだまだ改善をする余地がかなりあるということ

 

今、日本のリーダーに真に必要なのは、「数字」に基づいた分析と冷静な判断、そして不毛な議論にまどわされぬ決断力ではないでしょうか。

 

評価が高いのは「日本人のおもてなし」であって、日本という国家や東京という「都市のおもてなし」ではないのです。個人に対する評価を強引に、組織に結びつけてはいけません。

 

外国人が日本人に期待している「おもてなし」と、日本人が現実におこなっている「おもてなし」の間には非常に大きな隔たりがある

 

ガラケーの敗北は、技術力の敗北ではありません。これは「供給者側の都合」をあまりにも優先させてしまった結果、「技術」をお客さんに押し付けてしまったがゆえの敗北だと思っています。

 

多くの雇用が生まれて、なおかつそれが学歴を問わず若い低所得者にも有効である。つまり、文化財修理ということは、国の雇用対策にとって非常に良い投資先なのです。

 

日本は文化財保護についても途上国と言わざるをえません。

 

●日本の肯定的なイメージを比較したところ、訪日後に大きくイメージが下がった3つの項目
(1)産業・工業製品の好イメージ
(2)生活水準が高い
(3)文化と歴史がすばらしい

 

あと、忘れてはならないのは「自然保護」です。日本は一平方キロメートルあたりの植物と動物の密集度が世界一だと言われています。
これは間違いなく日本の財産です。この自然を見たくてやってくる何千万という外国人観光客に楽しんでもらいつつ、それを維持していく整備も今後は求められていくのではないでしょうか。

 

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Take Action(実践ポイント)
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【542-3】近くにある国宝・重要文化財を訪問する

 

【542-2】何事も数字で分析する癖をつける

 

【542-1】ステレオタイプの情報は自分なりに検証する

 

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今回のまとめ
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日本人が日本を汚してはいけない!

 

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編集後記
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本日もここまでお読み頂きありがとうございました。

 

爽やかな天気の1日。
清々しい気持ちで1日を終われました!
仕事がゴタゴタでしたが。。。(^^;

 

以上、本日も本との出会いに感謝し、編集後記とします。
次回もよろしくお願いします!

読書習慣の専門家
米山智裕

感謝!

 

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今回紹介した本
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イギリス人アナリスト日本の国宝を守る

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デービッド・アトキンソンさん、素敵な一冊をありがとうございます\(^0^)/

 

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読了までの時間
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00時間56分。
通勤時間にて。

 



 

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