【創造力を試す”自由”を手放すな!】
東京藝術大学客員教授・丸山俊一氏が、『働く悩みは「経済学」で答えが見つかる』と題して、身近な疑問に古今東西の経済学者が答える形式で、生きるヒントを指南する一冊。
■書籍の紹介文
働く上で解決したい悩み。
あなたは、どんな悩みを抱えていますか?
本書は、古今東西の経済学者が講義形式で悩みや疑問に答える設定のもと、生きづらい世の中に負けない、生きるのに役立つ”知恵”を指南する一冊。
『社会にとっての本質的な富とは何なのか?』
『現代のデジタル技術は、社会発展の原動力になっているのか?格差、分断の元凶ではないのか?』
『普通に生活しているだけなのに、なんでこんなに疲れるのか?』
こうした疑問や悩みに対して、「経済学」の視点から答えていく面白い試みの本。
自分の頭だけではなかなか浮かばない視座を得られるので、思考がとても柔軟になります。
変化の激しい時代、常識と呼ばれる思考の『型』ではとても耐えられません。
極端な話、今日通用していたものが明日には通用しなくなる、そんな世の中なのです。
そんな世の中を生きるのに必要なものとして、以下をあげます。
◎変化を楽しむ姿勢
◎学び続ける精神
◎思考のフレームを柔軟に更新し続ける発想
つまり、常に状況を観察し、状況に合わせて変化し続ける勇気を身につける。
これなくしては、どんどん生きづらい世の中になったということです。
とはいえ、ハイと言った瞬間に勇気が湧くわけではありません。
どうするか、過去に学び、歴史と対話し、想像力を働かせて当時に想いを馳せるのです。
このことへの楽しさに気づくことで、勇気は少しずつ湧き上がってきます。
過去と現在に意外な共通点を見つけると、一気に楽しくなります。
そのことを、過去の偉人との対話形式という構成で、教えてくれるのが本書です。
変化する勇気、変化すべきかすべきじゃないかの判断基準、これらを養う良い機会となるとおもいます。
◆思考の幅を広げるのに役立つ一冊。
働く悩みは「経済学」で答えが見つかる
丸山俊一 SBクリエイティブ 2022-8-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント
本来、人間とは自由な意志を持った存在であり、自然に働きかけて自らが生きる上で必要なものを生み出していく、そのこと自体に喜びを感じる存在ですし、これが本来の豊かな労働のはずです。
自分自身の労働によって生み出された生産物にも、生きる甲斐を見出していたはずですが、労働の生産物や労働自体から疎外された労働者は、結果、人間としての自分自身とも対立することになるという、なんとも皮肉なことになってしまうのです。
つまり、働くことで喜びを得るはずが哀しみしか得られず、人間の本質的なものを失っていくのです。
消費財のような解答を焦って求めるより、問い続けることの方が力にもなるし、実は人生の豊かさに近い方法なのです。
子どもが砂場で無心に砂のお城を作る姿の延長線上に、モノを作る、生産する、仕事をする、働くという行為もあるのです。
真実で堅固な職業的能力が、賢明な、正しい、確固とした、節度のある行動と結び付けば、成功し損なうことはめったにないと言えるでしょう。
富や地位に対する尊敬が徳に対する尊敬、あるいは悪徳に対する軽蔑を凌駕してしまう、つまり道徳感情が腐敗してしまうと、人は徳よりも他者からの尊敬や驚嘆を求める多くの手段を持つことになってしまいます。
尊厳にはすべての価格を超越した高い地位を認めなければなりません。
テクノロジーは人間の労働に大きな影響を与えてきたのであり、現代のAI、デジタルなどの技術が、みなさんの日々の生活、心のありようにまで及ぼす力の分析は重要です。
世の中を不安定にさせる社会構造の変化への影響は注視すべきですし、成長につながらないかもしれない技術開発・・・、これは、産業革命以来、200年あまりの歴史の中で例を見なかった、大きなパラドックスと言えるでしょう。
多くの人が、低スキル低賃金の仕事への転職を余儀なくされていくとしたら、やはり問題です。
ルーティンワークが労働の中心だった世界では、”搾り”取られるのは体力でした。
しかし今度は、創造性を”搾り”取られていることになるのです。
無限の消費サイクルの中にいることの”疲れ”は感じるほうが健全
自分がどんな構造の中にあって、今、どんな価値判断で目の前の選択をしているのかをいつも重層的に考えることの大事さを知っていて欲しいですね。
すべての人々をあるがままの多様で複雑な、時には善人であり、他の時には悪人であり、また時には聡明であり、もっとしばしば愚かであるという姿をそのまま生かせる場・・・、それが市場であり、その延長線上に自由な経済というものがあるのです。
僕たちってパンデミックとか戦争とか気候変動という解決困難な問題に相変わらず直面している。
また、世界には今飢餓や貧困もある。
そんな時に、自動掃除機を作るために、莫大な人材、お金、資源が使われている。
それでいいんですかね。
人間は共感する動物だという特性が最大限に利用されるんです。
そして、憎悪とか欲望がどんどん増幅されていく。
SNSが作り出す共感社会では、対立が煽られて社会の分断は深まっていく一方で、小さなコミュニティの絆は強まっていく。
「推し」なんかのためにどんどん課金をするのも、共感社会の歪みだと思います。
そういうのはやっぱり疲弊していくし、幸せにならないんじゃないですかね。
資本主義に慣れきった私たちは、脱成長社会になったら、暇が耐えられないって思うかもしれない。
でも、暇を過ごす技術がクリエイティビティだと思うんです。
■【実践】3個の行動ポイント
【2007-1】SNSに触れない時間を増やしていく
【2007-2】今、どんな価値判断で目の前の選択をしているかを常に考える
【2007-3】歴史や哲学の古典を読む
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】働く悩みは「経済学」で答えが見つかる
【著者名】丸山俊一 ・ 著者情報
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2022/8/6
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】生き方に迷ったときに
【キーワード】哲学、働き方、生き方
【頁 数】304ページ
【目 次】
第1章 マルクス先生、今働くって、何ですか?
第2章 アダム・スミス先生と社会善のユウウツ
第3章 ケインズ先生、データ、AIは光ですか?
第4章 ヴェブレン先生、毎日疲れるのも資本主義のせいですか?
第5章 斎藤幸平先生、やっぱり資本主義じゃダメですか?
▼さっそくこの本を読む
働く悩みは「経済学」で答えが見つかる
丸山俊一 SBクリエイティブ 2022-8-6
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す
丸山俊一さん、素敵な一冊をありがとうございました!
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2023年 5月 29日
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