【書評:1984冊目】アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書(ティモシー・オルセン)

【原則に勝る投資戦略はない】
個人投資家/ティモシー・オルセン氏が、『アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書』と題して、世界基準の投資の基本を明かしながら、真っ当な投資活動に必要な知識を解説する一冊。

■書籍の紹介文

投資をするうえで大切なこと。
それはなんだと思いますか?

 

本書は、時代が変わっても「投資の原則」は決して変わらないと提起し、情報に流されて悲惨な失敗をしないために、きちんと学んでおきたい「投資の基本」を解説する一冊。

 

『原則をきちんと学び、原則を外れずに行動すること』
投資をするうえで一番大切なことです。

 

投資とは、資産、つまり、お金を増やす活動です。
それは、大丈夫だとおもっていても、否応なく”欲望”を刺激する行為です。

 

”欲望”は、一度火がつくとカンタンに”理性”を制御不能に陥れます。
いうまでもなく、投資においては取り返しのつかない<大損>ということになります。

 

だからといって、「投資は危険だからダメだ!」「貯金で十分!」では短略的です。
きちんと学びきちんと行動すれば、投資は人生を豊かにしてくれる素晴らしい手段だからです。

 

ゆえに、『原則をきちんと学び、原則を外れずに行動すること』なのです。
このことをきちんと説いてくれるのが、本書です。

 

投資の先進国である米国で、長年、こども達に教えられている「投資の基本」。
これを、日本の状況に合わせて学べるように構成されています。

 

投資について最初に学ぶべき内容は、この一冊で十分です。
あとは、投資の一歩を踏み出すだけです。

 

行動する上で、”原則を外れない”ためにするべきこと。
それは、『確固とした投資計画を決めること』です。

 

『原則』と『確固とした投資計画』。
2つの基本を固めるのに、しっかりと押さえておきたい一冊だと感じます。

 

教育がされていないのに、国民に投資を推奨し始めているのが今の日本です。
「自己責任」で泣き寝入りしないためにも、早めに学んでおきましょう。

 

◆読みやすい内容の一冊。

アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書
ティモシー・オルセン SBクリエイティブ 2023-2-8
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

株式にも債券にも指数(インデックス)があり、投資家はインデックスファンドを買うことで指数に投資することができる。

 

ドルコスト平均法は、投資の全体的なリスクを抑えながら大きなリターンが期待できる効果的な投資法だ。

 

心配で夜も眠れなくなるような投資をしてはいけない。

 

債券投資が優れている理由の1つは、利子という形で決まった収入があることだ。
たとえ景気が悪いときでも利子は必ず支払われる。

 

投資信託はあらゆる投資家のポートフォリオで中心的な存在になるべきだ。
ただし、投資は自分のリスク許容度に応じて行い、自分のニーズに合わせて資産配分を調整しなければならない。

 

ほとんどのインデックスファンドは、すべての投資家にとって利益になる。
特にドルコスト平均法で長期にわたって着実に積み立てると、インデックス投資はさらに大きな力を発揮する。

 

個別銘柄を買うよりも、市場を丸ごと買ったほうが、はるかに簡単に優れたポートフォリオを組むことができる。

 

ある種の費用や手数料は絶対に避けられず、投資をするなら払わなければならない。

 

アナリストのリサーチにはとても質の高いものもある。
信頼できるアナリストを見つけ、彼らが発信する情報をフォローしよう。
ただし、彼らの「売り」、「買い」、「ホールド」のアドバイスを鵜呑みにしてはいけない。

 

自分の投資の目標と将来の夢、リスク許容度、投資期間に基づいて資産配分を決める。

 

長期の視点で投資する。
投機を避け、「ゆっくりと、しかし着実に進んだ人がレースに勝つ」ということを忘れない。

 

できるだけ早く貯金を始め、リスクとのバランスに気をつけながら、できるだけ高いリターンで運用することを目指そう。

 

債券やREITは不安な状況でも頼りになる安全な投資だが、だからといって株価が下がってから慌てて債券やREITを買ったりしてはいけない。
それはマーケット・タイミングであり、マーケット・タイミングは投資の失敗の原因になる。

 

お金はただたくさんあればいいというわけではない。
たしかにお金はあるに越したことはないが、お金を使って楽しむことも同じくらい大切だ。
ただ働いてお金を稼ぐばかりで、そのお金でまったく楽しまないのは、単純に愚かなことだ。

 

投資をするときはいつでもコストに気をつけなければならない。
コストは長期的にリターンが目減りする大きな原因の1つだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1984-1】投資は長期の視点に立って行なう

【1984-2】専門家の投資情報を鵜呑みにしない

【1984-3】生活に支障をきたすような投資は行わない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書
【著者名】ティモシー・オルセン
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/2/8
オススメ度★★★☆☆
こんな時にお金と賢く付き合いたいときに
キーワード子育て資産形成金融リテラシー
【頁 数】352ページ
【目 次】
序章 投資のはじめの一歩
第1章 金融市場の基本
第2章 資産形成の基本
第3章 株式投資の基本
第4章 債券投資の基本
第5章 投資信託の基本
第6章 インデックスファンドの基本
第7章 安全な投資の基本
第8章 投資コストの基本
第9章 投資専門家 見分け方の基本
第10章 資産配分の基本
第11章 資産防衛の基本
第12章 資産運用の基本
第13章 臆病な投資家の心得

 

▼さっそくこの本を読む

アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書
ティモシー・オルセン SBクリエイティブ 2023-2-8
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ティモシー・オルセンさん、素敵な一冊をありがとうございました!

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