【書評:1971冊目】ぐっすり眠る習慣(白濱龍太郎)

【良い1日は、ぐっすり眠ることで生まれる!】
睡眠専門医・白濱龍太郎氏が、『ぐっすり眠る習慣』と題して、いい睡眠のために日常生活のどこに注意すればいいかを示しながら、実践してほしい睡眠習慣術を指南する一冊。

■書籍の紹介文

毎日の睡眠。
ぐっすり、眠れていますか?

 

本書は、睡眠は日中のパフォーマンスを高めるためのメンテナンス時間と提起し、専門医として実践してほしい、睡眠の質を高める習慣術を指南する一冊。

 

ふとんに倒れ込めばあっという間にぐっすりだから自分は大丈夫。
もし、あなたがそう考えているとしたら危険です。

 

一見すると、すぐ眠れるしぐっすり眠れている自覚があるから平気なように感じます。
ただそこには、脳が限界を感じて、電気がショートするように身体機能のスイッチが切れただけという危険性が潜んでいるのです。

 

つまり、”ぐっすり”とはどういう状態かを正しく理解しておく必要があります。
著者は、定義は難しいと断りながらも、『日常を自分が望むパフォーマンスで駆け抜けられているとき=ぐっすり眠れているとき』と説きます。

 

いかがでしょう。
あっという間にぐっすりだから大丈夫と仰りながら、通勤電車でウトウト/日中睡魔に襲われる、といったことは起きていませんか?

 

もし、ギクッとしたのなら、ぐっすり眠るための「睡眠の質」が伴っていない状態といえます。
この状態が中長期的に続けば、頭痛や肥満、薄毛、うつ状態など、さまざまな心身の不調に苛まれることになると、著者は警鐘を鳴らします。

 

どんなに高性能な機械も、メンテナンスを怠ると、たちまち壊れてしまいます。
わたし達にとっては、”睡眠”こそがメンテナンスにあたるわけです。

 

要するに、日中を充実させたければ、質の高いメンテナンス(=睡眠)が必須なのです。
それを実現させる”習慣”をまとめ上げたのが本書です。

 

日常の健康ケアとしての睡眠習慣ではなく、生活の質を向上させる自己投資としての睡眠習慣。
この投資から得られるリターンは無限大です。

 

◆良い睡眠は心がけひとつから。

ぐっすり眠る習慣
白濱龍太郎 アスコム 2023-2-1
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「病欠」を示す「アブセンティーイズム」に対して、プレゼンティーイズムは日本語で「疾病就業」と訳され、「出勤しても、頭や身体のなんらかの不調のせいで本来発揮されるべきパフォーマンスが低下している状態」のことを指します。

 

プレゼンティーイズムによる日本の経済損失は、1380億ドル(約18.3兆円)にのぼります。
プレゼンティーイズムのおもな原因は、肩こり、腰痛、頭痛、胃腸の不調、軽度のうつ状態、花粉症などのアレルギーなどが挙げられます。
実は、これらの原因は、ぐっすり眠れれば改善が期待できるものばかりです。

 

ぐっすり眠るためには「最初の4時間以内で深く眠る」ことが欠かせません。

 

セロトニンの分泌は太陽光を感知することで増加し、夜は減少する。
一方のメラトニンは太陽光を浴びると減少し、夜は増加。
このセロトニンとメラトニンの関係は、睡眠の仕組みを理解するうえで大事なことですので、ぜひ覚えておいてください。

 

朝、活力を高めるためにぜひやってほしいのが、近所を散歩するなど、太陽光を浴びながら軽い運動をすること。
なぜならそれが、自律神経のバランスを整える機能を持つセロトニンの分泌を促進するからです。

 

眠りにつくまでにかかる時間のことを「入眠潜時」といいます。
この入眠潜時が異常に短く、無自覚のうちに寝てしまう場合は考えものです。
これは、睡眠負債がたまりすぎで、脳が悲鳴を上げている状態。
そのまま脳がシャットダウンしたようなイメージです。

 

就寝前にストレッチをするなら、静的ストレッチがおすすめです。
全身の筋肉を伸ばす必要はありません。
例えば、ふとんの上であおむけになり、深呼吸しながら足首をゆっくり手前に曲げて再び戻す動作を、1分ほど行うだけでも効果があります。
それにより、足の血行を促進し、深部体温を下げることができます。
呼吸は止めず、ゆっくり息を吐くことを意識してください。
そうすることで、より副交感神経に働きかけることができ、熟睡効果が高まります。

 

病気になりづらい体づくりのためには、最低でも6〜7時間は寝ること。

 

人の身体は睡眠不足の人ほどより貪欲を感じやすいシステムになっているのです。
さらに睡眠不足は、基礎代謝を上げる働きをしてくれる成長ホルモンの分泌も抑えてしまうので、それが消費カロリーの低下に結びつきます。
食欲が旺盛になってしまうにもかかわらず、食べたものを効率良く消化してくれない体質を自らつくり上げてしまうことにもなるのです。

 

心地よい目覚めのためには、就寝前に起床時刻を再確認すること。
また、起床1時間前から太陽の光を浴び、脳を刺激する(メラトニンの分泌も抑える)工夫が大事です。
夏場などは、カーテンを開けっ放しで就寝してもよいでしょう。

 

考えごとによる不眠を解決する方法のひとつは、就寝時のルーティンをつくることです。
(略)
思い切って起き上がり、考えたことをメモしてみてください。
嫌なことをノートに吐き出すイメージです。
これで案外、気持ちが落ちつくものです。

 

快適に眠りにつくためには、なんといっても就寝前に目を疲労させないことに尽きます。
就寝前にスマホの小さな画面でゲームをすることは避けましょう。
もちろん、パソコンの使用もよくありません。
ただ、仕事の都合上、家で仕事を片づけてから就寝することもあるかもしれません。
そんなとき、目の疲れを取るのに手軽な方法があります。
それは、蒸しタオルで目を温めること。

 

昼食には適さないのが、鍋などの熱い汁物や、香辛料を大量に使った辛いもの。

 

朝食時、積極的にとりたいのは、トリプトファンという栄養素を含む食材です。
(略)
トリプトファンを多く含む食品は、納豆やみそなどの大豆製品や、チーズやヨーグルトといった乳製品、卵、ナッツ類など。

 

40歳を超えてからは、メラトニンの減少を補うこと、体内時計を調整しやすい生活リズムを心がけることのふたつが、質の高い睡眠やスッキリした寝起きに欠かせません。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1971-1】朝、散歩する

【1971-2】7時間の睡眠時間を確保した上で、1日をスケジューリングする

【1971-3】朝食時、ヨーグルトを食べる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】ぐっすり眠る習慣
【著者名】白濱龍太郎著者情報
出版社アスコム
【出版日】2023/2/1
オススメ度★★★★☆
こんな時に健康的な人生を送りたいときに
キーワード睡眠健康法生活習慣術
【頁 数】208ページ
【目 次】
序章 眠りが浅い人はこんなに損している!
第1章 意外と知られていない「眠りの基本習慣」
第2章 あなたは普段どれだけぐっすり眠れている?
第3章 ぐっすり眠れる身体をつくる新習慣
第4章 ぐっすり眠れるメンタルをつくる新習慣
第5章 日中の眠気を上手にコントロールする方法
第6章 ちょっとした行動で眠りやすくなる「入眠の習慣」

 

▼さっそくこの本を読む

ぐっすり眠る習慣
白濱龍太郎 アスコム 2023-2-1
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白濱龍太郎さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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