【書評:1925冊目】「ミクロ経済学」超入門(田中久稔)

【経済学を知ると世の中の理解が深まる!】
早稲田大学政治経済学術院准教授・田中久稔氏が、『「ミクロ経済学」超入門』と題して、早大生が「面白い!」と評価する講義をベースに、経済学の基本を楽しく解説する一冊。

■書籍の紹介文

経済学。
何の役に立つとおもいますか?

 

本書は、経済学という学問が何をやろうとしているのかを伝えながら、「ミクロ経済学」のおもしろさを楽しく解説する一冊。

 

社会に参加しているすべての人にチャンスがあって、もっと公平でもっと合理的な方法が存在するのではないか。
その方法を考える学問こそが、「ミクロ経済学」です。

 

つまり、わたし達が日常で感じている問題との相性がいいわけです。
経済学に明るくない人でも、学びやすいという面もあるのです。

 

ひと通り読んでみて感じること。
それは、世の中で起きている現象を深掘りする”道具”を手にしたという感覚です。

 

さまざまな要素が複雑に絡み合い、混沌とする社会。
自分で状況を洞察する力は、ますます重要になっています。

 

洞察する深さが深いほど、世の中を正確に知ることができます。
すると、不必要な不安を抱かずに済みます。

 

不安は、知らないことで起こります。
不安は、知らないことで大きくなります。

 

洞察する力を身につける第一歩に、とても有用な一冊。
ぜひ身につけて、世の中を深掘りする”道具”を揃えていきましょう。

 

◆巻末の参考図書も合わせて。

「ミクロ経済学」超入門
田中久稔 SBクリエイティブ 2022-9-17
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■【要約】15個の抜粋ポイント

世俗にあふれる苦しみの多くは希少性の配分問題から生じていると考え、その問題を解くためのより良い方法を追究するのがミクロ経済学です。

 

市場とは財・サービスを売ったり買ったりする仕組みです。
このうち財を買う側の人たちのことを消費者とよびます。
そして、消費者が財を買おうとする熱意の強さを需要といいます。
また、財を売る側の人たちを生産者、彼らが財を売ろうとする気持ちを供給とよびます。
この需要・供給と、財の価格の関係を示すのが、需要曲線、供給曲線です。

 

需要曲線と供給曲線のグラフでは、
「縦軸に価格、横軸に数量」
を取ります。

 

設定価格が安すぎたり高すぎたりすると、買いたいものが買えなかったり、売れ残りを処分しなきゃいけなくなったり、大小さまざまな悲劇が生じます。
言い換えれば、不適切な価格のもとでは、市場は希少性の配分問題を円満に解決できていないのです。

 

マスクの転売行為のように、誰が見ても「悪い」と感じる行為であっても、判断基準の選択次第で結果が変わってしまうのです。
ただし、誰かを避難するためだけに判断基準を後から変えることは、あってはなりません。
というわけで、結論です。
マスクの転売は何が悪いのか?
それは、転売行為そのものじゃなくて、買い占めによって価格をつり上げているからです。

 

供給曲線が企業の「長方形」を並べたものだと理解すれば、供給曲線の形から「企業にとっての市場の価値」を見て取れるようになります。

 

ミクロ経済学が言っているのは、「経済的なコストをかけずに実行可能な介入政策なんて存在しない」というだけのことなんです。
かけたコストに見合うだけの政策効果が得られたかどうかで、政策の良し悪しを考えようということなんです。

 

需要の価格弾力性とは「消費者の逃げやすさ」なんです。

 

経済学では
「独占企業は価格支配力をもつ」
といいます。
独占企業は、この価格支配力を好き勝手に行使することにより、社会に害をなす存在となりえます。

 

独占の弊害の根本的な原因が、財の流通量の減少にあると考えるならば、その問題を解決するための政策は自明です。
財の流通量を増やすような政策を実施すればいいのです。

 

企業は、過酷な競争から逃れたいと思っています。
そのための方法の1つはブランド価値の確立です。
企業ごとに特色のある財が提供され、それぞれに固定客がつくような状態を実現できれば、多少の価格差が生じても一定数の顧客を確保できるからです。

 

情報の非対称性は、逆選択を招くのです。

 

応募者の能力を見極められない企業には、能力の低い応募者ばかりが集まる逆選択が生じる。

 

他人の支出に乗っかって自分が便益を得てしまうフリーライダーの発生は、慈善事業だけでなく、公共財とよばれる財について広く生じる問題です。

 

市場の失敗が生じていたり、貧困層のもとに財が届かないなどの社会問題が起きたりしていない限り、政府の市場介入は最小限にとどめるべきだというのがミクロ経済学の見解です。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1925-1】もう一度本書を読む

【1925-2】興味をもった「ミクロ経済学」の項目について深掘りする

【1925-3】経済ニュースを「ミクロ経済学」を使って紐解いてみる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】「ミクロ経済学」超入門
【著者名】田中久稔著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2022/9/17
オススメ度★★★☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養勉強法社会
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 そのプリンは誰のもの?
第2章 スマホとラーメンの経済学
第3章 マスクの転売はどうしていけないの?
第4章 供給曲線が教えてくれること
第5章 赤ちゃんに粉ミルクを届ける方法は?
第6章 タバコの税金はなぜ高いの?
第7章 そのコーヒーを買ってもいいの?
第8章 企業の戦い!
第9章 どうして企業はウソをつくの?
第10章 どうすればサイは助かるの?

 

この本で、あなたは変わる!

「ミクロ経済学」超入門
田中久稔 SBクリエイティブ 2022-9-17
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田中久稔さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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