【書評:1902冊目】富豪作家 貧乏作家(水野俊哉)

【ビジネス書の偽らざる裏側の話】
作家・水野俊哉氏が、『富豪作家 貧乏作家』と題して、厳しい出版業界にあっても輝く作家と、多勢に埋もれ窮する作家をくらべながら、ビジネスと出版の好循環を生む方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

作家。
あなたはどんなイメージをお持ちですか?

 

本書は、ビジネス書業界の偽らざる裏側の姿を明かしながら、みずからのビジネスと出版の間に好循環を生み出していく方法を指南する一冊。

 

ビジネスと出版の好循環。
ここが、すべての軸となる話です。

 

ビジネスに勢いをつける”着火剤”として。
ビジネスを広めるための”マーケティング戦略”として。
ビジネスを優位にするための”権威づけ”として。

 

このように、ビジネスと出版を組み合わせた、ビジネスモデルを構築するための方法。
ここに焦点をあてた内容になっています。

 

つまり、出版だけを切り取った「こうすれば売れっ子ビジネス書作家になれる!」という本ではありません。
純粋な気持ちで出版を目指している人ほど、暗澹たる気持ちになる可能性があるので注意が必要です。

 

ビジネス書は、おおよそ10,000部を超えるとベストセラーと呼ばれます。
実現すれば、出版を目指す人が夢見る”ベストセラー作家”の仲間入りです。

 

では、1,500円のビジネス書が10,000部売れた場合の印税収入はいくらか。
(あえて表現しますが)”たったの”150万円です。

 

この額を、富豪作家はビジネスへの投資と捉え、貧乏作家は報酬と捉える。
この違いを徹底的に明らかにし、前者のマインドをあなたが持つように指南していきます。

 

・書店の売れ筋ランキングに入るように己で動け!
・ベストセラーになるために、広告費などに積極投資せよ!

 

こうした、知らない人にとっては生々しい方法が列挙されています。
裏を返せば、ビジネス書業界の裏側の一端を知ることになります。

 

「なんで、聞いたこともない作家の本が大々的に並んでいるんだろう?」
「見たこともない本が売れ筋ランキングに入っているけど本当?」

 

日頃、書店で感じる”違和感”の正体を知る一助にもなり、そこは本書のおもしろい副産物です。
読者側の方は、ぜひそうした点からも本書を楽しんでいただけたらとおもいます。

 

内容がおもしろい、読者の役に立つのはあたりまえの話。
それをどうビジネスに繋げられるかが、売れっ子とその他大勢を分かつのです。

 

◆出版はビジネス。

富豪作家 貧乏作家
水野俊哉 秀和システム 2022-7-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

現代は「自分はこれがおもしろいと思う」ということを書くよりも、しっかりマーケティングリサーチをして書いたほうが売れやすいのです。

 

ビジネス書の著者においても、書籍の売上から発生する印税よりも、書籍から派生する売上のほうが大事だと言えます。
そこに気づけなければ、どんなにすぐれた書籍を発表しても貧乏作家からは抜け出せません。

 

マネタイズの手法はさまざまなですがセミナー、講演会、コンサルティング、動画や商材の販売、オンラインサロンに合宿形式の勉強会など何でもあり。
まるで鬼滅の刃の権利ビジネスを何種類も展開して数百億円稼いだと言われる集英社のビジネスモデルを個人で展開しているようなものです。

 

多くの方は富豪作家=ベストセラー作家と考えているかもしれませんが、それは本が今より売れていた時代の話。
現代の富豪作家は、出版することでビジネスを加速させているのです。

 

本を出すのは究極の自己投資

 

出版不況と言われる昨今ですが、本を出すこと自体の価値はなくなりません。
昔も今も出版というのはあなたを、またはあなたの会社や商品を10年、100年と続くブランドにする有効な手段であり、最高の投資なのです。

 

自分のためにお金を働かせるのか、それともお金のために自分が働くのか。
つまり書いた本がお金を生み出しているのか、それともお金のために自分が本を書いているのか。
ここに気づかないと一生、貧乏作家なのです。

 

原稿を書くという作業はお金を出してブックライターに任せ、その時間を使ってビジネス展開の仕方を考えてみましょう。
自分をトータルでプロデュースする視点を持つことが大事なのです。

 

富豪作家を目指すなら、一番いいのは出版プロデュースを受けたり、出版コンサルティングを受けたりすることだと言えます。
ただし、注意点もあります。
それはきちんと書店に流通しているかどうかです。

 

ランキングが操作されているという言い方だと問題がある気もしますが、応援してくれている人たちと一緒にまるでお祭りのように発売を盛り上げるのが問題ないと思います。
富豪作家になりたかったら自分で自分の本をランキングに入れなさい。

 

結局、売れている本はおもしろいのですが、ただおもしろい本を作ったら売れるというわけではなく、売れる仕掛けもしないといけないということを覚えておいてください。

 

お金を出してベストセラーにする理由は二つあります。
一つは儲かるからもう一つは知名度が上がるからです。

 

SNSと付き合う上で大切なことが二つあります。
「マイペースで継続すること」と「CtoCビジネスにつなげること」です。

 

私の研究では、10年生き残るビジネス書作家(富豪作家)は、次の四つの条件を満たしています。
①ファンがいる(できれば数万人規模)
②一度でもベストセラーを出している(最低10万部、できれば数十万部規模)
③業界の権威になっている
④本業が儲かっていて、本の広告費などが捻出できる
これらをすべて兼ね備えている人はなかなかいません。
最低でもどれか一つを満たすことを目指していきましょう。

 

もはや作家はビジネスで稼いで、書きたい本を書くしかないのかもしれません。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1902-1】毎週、複数の書店を巡ることを習慣にする

【1902-2】【1】で書店を巡って気づいたことをメモする

【1902-3】「CtoCビジネスにつなげること」を意識してSNSを運用する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】富豪作家 貧乏作家
【著者名】水野俊哉著者情報
出版社秀和システム
【出版日】2022/7/30
オススメ度★★★☆☆
こんな時に稼ぐ力を身につけたいときに
キーワードビジネスモデル情報発信セルフブランディング
【頁 数】280ページ
【目 次】
第1章 富豪作家、貧乏作家とは?
第2章 富豪作家は○○である
第3章 出版で人生が変わっちゃった人・水野俊哉の「富豪作家への道」
第4章 富豪作家の秘密、教えます
第5章 現代の富豪作家列伝

 

この本で、あなたは変わる!

富豪作家 貧乏作家
水野俊哉 秀和システム 2022-7-30
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水野俊哉さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

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