【書評:1764冊目】偉人しくじり図鑑(河合敦)

【偉人達の失敗を、我が教訓とする!】
歴史研究家・河合敦氏が、『偉人しくじり図鑑』と題して、足利尊氏、平清盛、徳川慶喜などの日本史に名を残す人たちの派手なしくじり話を解説しながら、人生への教訓を示す一冊。

■書籍の紹介文

あの失敗は、その後の人生の教訓になっている。
そんなエピソードはありませんか?

 

本書は、些細なしくじりが破滅的な結果を招いた25人の偉人のエピソードを解説しながら、わたし達が人生の教訓とすべき学びを示す一冊。

 

本を読むことの大きなメリット
それは、「他人の失敗をたくさん学べること」にあるとわたしはおもっています。

 

書物というものが誕生してから現在まで、数えきれない失敗が書となり蓄積されています。
そこに記された失敗から学び、自らが同じ過ちを犯さぬように教訓としていくのです。

 

ただ、それでも同じ失敗をくり返してしまうのが人間のかわいいところというか、不完全なところというか・・・。
しかし、くり返される同じ失敗も、それが積み重なる(たくさんの人が同じことを記す)と重みが違ってきます

 

この種の失敗をしてしまうと、致命的・破滅的なダメージを負うことになるぞ!
幾重にも書き積み重なった失敗からは、先人達の「君は気を付けろ!」という悲痛な叫びが聞こえてきます。

 

そんな悲痛な叫びをまとめられたのが本書です。
日本史に名を残す、25人の”偉人”たちのエピソードから学べる教訓が示されています

 

”偉人”と聞くと、失敗などない”偉い(立派な・スゴい)”人とイメージします。
ですが、そんな彼らも派手にしくじったことで、身の破滅や命さえも落としてしまっているのです。

 

足利尊氏、平清盛、徳川慶喜、近藤勇、大久保利通・・・。
学生時代、歴史のテストでその名前を解答欄に書いたことがある”偉人”ばかりです。

 

このような人でも、”しくじって”いるのです。
そこになにがあったかを学ぶことは、わたし達にとって、とても大きな教訓となります。

 

日本史の勉強にもなり、大きな教訓まで授かることができる欲張りな内容。
楽しみながらも身が引き締まる一冊です。

 

◆この穴には落ちるでないぞ!

偉人しくじり図鑑
河合敦 秀和システム 2021-12-14
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■【要約】15個の抜粋ポイント

自然と落ち着くところに落ち着くだろうし、運は天が定めるところで、人智によって変えることはできない
【足利尊氏の話から】

 

異性関係には本当に注意しよう。
とくに、いつ何が起こるかわからない仕事中に、異性と遊ばないこと(当たり前だ!)。
【薄田兼相(戦国〜江戸時代の武将)の話から】

 

この例が最初となって、以後、天皇の娘であり皇后である人物が、適当な男性の皇位継承者がいないとき、中継ぎとして即位するシステムが始まることになった。
そういった意味でも、うかつな悪口で殺された崇峻天皇が天皇制の在り方を変えたともいえるのである。

 

どんな親しい間柄でも、絶対に言ってはいけないワードがある。
そんな一言をうっかり漏らして命取りになったのが、奈良時代の淳仁天皇である。

 

疑い深い権力者には要注意。
優しさから出た一言でも命取りになる。
【源範頼(平安〜鎌倉時代の武将)の話から】

 

とくに公の場では失言に注意すること。
最悪、歴史が変わってしまう(あとで言い訳しても焼け石に水)。
【片岡直温(明治〜昭和時代の政治家)の話から】

 

長い歴史にあぐらをかき、安住し切ってしまったところに、大内義隆の失敗があったといえるのだ。
「永遠に続くものなど、この世に存在しないのだ」ということを、改めて私たちも肝に銘じるべきではなかろうか。

 

圧倒的な戦力差に慢心してはならない。
客観的な分析をおこたらず、相手の土俵上で勝負しないこと。
【陶晴賢(戦国時代の武将)の話から】

 

どんなに頭のいい人でもお金は判断力を鈍らせる。
とくに借金の申し込み先はよく考えよう。
【伊東甲子太郎(新撰組参謀)の話から】

 

皆が反対するような大事業を推し進めるさいには入念な準備を要し、一度動いたからには簡単に方針転換しない。
【平清盛の話から】

 

優秀な部下の言うことには耳を傾けよう。
とくに制止された案件に関しては要検討。
失敗したらえらいことになる。
【龍造寺隆信(戦国時代の大名)の話から】

 

普段から心健やかなことを心がけよう。
イラつきやすく、生活も荒れ、被害妄想が強まると、いざというときの判断が鈍ってしまう。
【平賀源内の話から】

 

権力争いは、常に利用されないよう最大限に注意すること。
あらぬ疑いをかけられて失脚してしまう。
巻き込まれたときは流刑(左遷)覚悟で。
【伴善男(平安時代の公卿)の話から】

 

親が偉大だからといって、自分もそうだとは限らない。
むしろ、親の溺愛が悪影響を及ぼすことも少なくない。
【佐久間恪二郎(新選組隊士)の話から】

 

過信や見込みの甘さが、徳川慶喜の人生を暗転させたわけだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1764-1】他人の悪口はいわない

【1764-2】公園を散歩したりして、心を穏やかにする時間をつくる

【1764-3】「”今回も”大丈夫」などとおもったときほど、一層気を引き締める

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】偉人しくじり図鑑
【著者名】河合敦著者情報
出版社秀和システム
【出版日】2021/12/14
オススメ度★★★★☆
こんな時に自分を見つめ直したいときに
キーワード教養生き方リーダー
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 うっかり型:四条天皇、足利尊氏、織田信雄、薄田兼相、田中新兵衛
第2章 失言型:崇峻天皇、淳仁天皇、源範頼、片岡直温、近衛文麿
第3章 油断型:大内義隆、陶晴賢、伊東甲子太郎、近藤勇、大久保利通
第4章 短気型:藤原伊周、平清盛、北条時宗、龍造寺隆信、平賀源内
第5章 身の破滅型:伴善男、福島正紀、井上正甫、佐久間恪二郎、徳川慶喜

 

この本が、あなたを変える!

偉人しくじり図鑑
河合敦 秀和システム 2021-12-14
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河合敦さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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