【書評:1665冊目】経営戦略4.0図鑑(田中道昭)

【世界の最前線を走る15社が採る『経営戦略4.0』とは】
競争戦略アナリスト・田中道昭氏が、『経営戦略4.0図鑑』と題して、米国・中国・日本のトップ15社の経営戦略のエッセンスを、体系化して解説する一冊。

■書籍の紹介文

凄い凄いといわれる、GoogleやAmazon。
なにが凄いか理解できていますか?

 

本書は、米国・中国・日本のトップ15社が採る経営戦略を徹底分析しながら、今後のビジネスを見通すために必要なエッセンスを解説する一冊。

 

とりあげる15社は、つぎの通り。
米国:Google、Apple、Facebook、Amazon(GAFA)(+Netflix、Microsoft)
中国:Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei(BATH)
日本:ソフトバンクG、ソニー、ファーストリテイリング、楽天、トヨタ自動車

 

いずれも、話題に事欠かない企業です。
それぞれの企業の「強み」を、ビジュアルを多用しながら、わかりやすく紐解いていきます。

 

GAFAのなにが凄いのか。
対抗する中国勢はどんな戦略を描いているのか。
日本企業に活路はあるのか。

 

この一冊を読むと、その見通しが浮かび上がってきます。
予備知識が不安な読者でも、問題なく最新の経営戦略のエッセンスが吸収できるように構成されています。

 

”図鑑”とタイトルにあるように、繰り返しになりますが、とてもわかりやすいです。
「GAFAって何が凄いの?」
「プラットフォームって具体的に?」
「エコシステムって?」
「○○経済圏の経済圏って?」
「なんでサブスクが流行っているの?」
こうした、聞きたくも聞けないような素朴な疑問もスッキリと解消できます。

 

最前線を走る企業には、最前線にいる理由があります。
その理由を理解することで、今後の全体的な見通しが見えてきます。

 

この見通しを、持っているかいないかは大きな違いを生みます。
ぜひ、本書を活用して見通す目を持ちましょう。

 

新聞を読むときの目線、ニュース記事を読むときの目線などもきっと変わってきます。
見通す目が鋭くなるほど、戦略も冴えていきます。

 

◆トップ企業の「強み」を吸収しよう!

経営戦略4.0図鑑
田中道昭 SBクリエイティブ 2020-4-11
売上ランキング(公開時):2,788
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■【要約】15個の抜粋ポイント

Eコマース以外の通信やインターネットサービス、クラウド、AI(人工知能)などの分野で、GAFAとBATHの8社がメインプレーヤーとなり、それぞれの経済圏を巡る覇権争いが一段と激しくなっています。

 

そんな中、先行するGAFAやBATHを追撃し、世界の最前線で存在感を示していこうとする日本企業も出始めています。
それが、ソフトバンクグループ、トヨタ(トヨタ自動車)、楽天、ファーストリテイリング、ソニーの5社です。

 

プラットフォームが順調に稼働すれば、好循環を生むエコシステムが形成されることになります。
反対にエコシステムが形成されていれば、そのプラットフォームは成功しているといえます。
つまり、エコシステムとプラットフォームは切っても切れない関係にあるのです。

 

戦略4.0では、プラットフォーム上で形成されるエコシステムが発展したものとして経済圏を捉えるわけです。

 

シェアリングエコノミー下の社会では、サブスクリプション型のビジネスモデルがもっともフィットします。
近い未来、社会全体でサブスクリプションが一気に浸透することになると私は考えています。

 

自動運転車のように、現状では制御が難しいモノであっても、5Gではコントロールできるようになります。
ゆくゆくは、あらゆるモノがインターネットでコントロール可能になるはずです。
それは、取りも直さず、モノがインターネットにつながる「IoT」が完成に向かうことを意味します。
5Gの実用化は、それほどのインパクトを備えているのです。

 

社会全体が成熟化し、従来の手法で思うような収益を上げることが難しくなっている昨今、経営戦略の重要性はますます高まっています。
肝心なことは、創発的戦略であっても、あらかじめ経営戦略を持って事業に臨むことで、より早く軌道修正できる点です。
”仮説”を立てておくことが、大事なのです。

 

ミッション、ビジョン、バリューが、会社の商品やサービス、社員の行動に反映されていることが、会社が”ブランド化”する「コーポレートブランディング」の必要条件になる。

 

企業の収益構造とは、売上高において、「売上原価」や「粗利」「営業費用」「営業利益」などが、どの程度の割合を占めているのかということです。
私は、そうした企業の売上構造を1つの「ボックス」(=箱)の中に入れて分析します。

 

トヨタやソニー、楽天といった日本を代表する優良企業であっても、GAFAやBATHと比べると、現状では、相対的にROAが低いといわざるを得ません。
資本の効率性を追求する余地はまだかなりあるのです。

 

全社戦略は経営資源の最適化を図ることが目的であり、機能戦略は人事や財務、生産管理、営業体制といった各機能の生産性を向上させることが目的であることから、「全社戦略+事業戦略+機能戦略=ビジネスモデル」という図式になります。

 

グーグルが狙っているのは、スマートフォン用の基本ソフトである「アンドロイド」を、自動運転車を動かす基本ソフトに据えることです。

 

(アリババの)マー氏は、「たとえば5分間で同じ種類の2,000着の衣類を製造するよりも、5分間で2,000種類の衣類を製造することがより重要視される時代がやってくる」と説明しています。

 

ソニーが、いち早くゲーム事業にサブスクリプション型のビジネスモデルを導入し、収益の安定化に成功します。

 

今後のビジネスにおいて、サステナビリティをはじめ、「シェアリングエコノミー」や「SDGs(持続可能な開発目標)」といった概念は、ますます重要視されていくでしょう。
これからの戦略4.0を見通す上で、欠かせない視点となるでしょう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1665-1】本書に出たキーワードを「Google アラート」に設定する

【1665-2】企業の売上構造は、1つの「ボックス」(=箱)の中に入れて分析する

【1665-3】「シェアリングエコノミー」や「SDGs」に関する書籍を読む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】経営戦略4.0図鑑
【著者名】田中道昭
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2020/4/11
オススメ度★★★★☆
こんな時にビジネス理論を深めたいときに
キーワードビジネスモデルビジネス理論グローバル
【頁 数】320ページ
【目 次】
PART1 いま、世界の「最前線」ではなにが起きているのか?
PART2 「戦略4.0」を読み解くために
PART3 世界の最前線に立つトップ15社「戦略4.0」の全貌

 

この本が、あなたを変える!

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田中道昭さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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