【書評:1618冊目】キャッシュレス生活、1年やってみた(美崎栄一郎)

【タイムリミットは2024年?】
商品開発コンサルタント・美崎栄一郎氏が、『キャッシュレス生活、1年やってみた』と題して、現金を使わない生活から見えてきた、日本のキャッシュレス決済の動向を考察する一冊。

■書籍の紹介文

キャッシュレス決済。
どれくらい使っていますか?

 

本書は、「キャッシュレスで最大5%還元!」を筆頭に過熱するキャッシュレス決済の動向について、1年間のキャッシュレス生活を送った経験から考察する一冊。

 

「キャッシュレス決済の推進」と「新札の発行」。
この2つの政策がリンクしているという視点をもっている人がどれくらいいるだろうか。

 

現金決済からキャッシュレス決済への転換。
この分水嶺が、新札発行のタイミングである2024年だと著者は指摘します。

 

2019年に本格化した「キャッシュレス決済」の覇権争い。
そこから5年間で、雌雄を決することになると考察します。

 

ただ、多くの人は「結局、何をどうすればいいの?」というのが本音だとおもいます。
「○○ペイばかりでどれを使えばいいの?」「還元率とか割引とかどれが一番お得なの?」と疑問ばかり浮かんでいるはずです。

 

著者自身も同じような疑問を感じています。
そこで、2019年1月1日から1年間、疑問を解消すべくキャッシュレス生活を送ってみよう!という体験レポート的に書かれたのが本書です。

 

◎コンビニアプリで一番よくできているのはファミペイ
◎クロネコメンバー割は使わないと損
◎意外に遅れている美術館や公共施設
◎キャッシュレス生活の鬼門は郵便局

 

こうした体験しなければ分からないことを、日記形式でまとめています。
意外と知らないことや、そんな使い方があるのかという発見など、とても楽しめる内容に仕上がっています。

 

キャッシュレス化の流れは止まりません。
ぜひ、積極的に利用することで、便利でお得な利用をしていきましょう!

 

使うことで、仕組みが見えてきます。
仕組みが見えれば、関わり方が定まります。

 

◆キャッシュレス戦国時代の体験レポ!

キャッシュレス生活、1年やってみた
美崎栄一郎 祥伝社 2020-2-1
売上ランキング(公開時):41,427
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■【要約】15個の抜粋ポイント

現金を使わない生活をするのに必須なのが、決済システムを完備していて、商品も豊富なコンビニです。

 

交通系ICカードのオートチャージは落とし穴があるんです。
スイカは、JR東日本管轄だと設定したチャージ残額を下回るとオートチャージされますが、例えば、管轄外のJR西日本の大阪で使うと、電子マネーとしては使えますが、オートチャージができない。

 

美術館は現金のみのところが多いのです。
たまにクレジットカードで支払えるところもありますが、まだまだ普及が遅れています。

 

スマホでも決済し、リアルでも同じ手法で決済できるのが楽です。
世の中はその方向に動いています。
スマホで消費できるコンテンツも増えました。

 

医療費は金額が国の基準で定められています。
そのため、クレジットカードの決済をすると、手数料分は損をしています。
そのことを気にする医療機関だと現金のみしか決済手段がありません。

 

2024年には新札に対応した自動販売機、券売機、ATMなどの改修が必要となります。
つまり、コストがかかります。
政府が新札を切り替えると決めた以上、新札は使えませんとは言えませんから、この投資を抑えるために、ATMの台数や駅の券売機は台数を減らすはずです。
つまり、新札を発行することが紙幣の使い勝手、利便性を悪くします。
キャッシュレス化へ向かうタイムリミットが2024年だと考えられます。

 

コインロッカーは自動販売機と違って商品の補充は必要ありません。
無人でできるビジネスなのですが、現金という決済手段しかなかったので、コインロッカーだったのです。
コインロッカーはどんどん減ってICカードロッカーに変わるでしょう。

 

イオンではイオンのクレジットカードを使うより、電子マネーのワオンを使ったほうが、お得になっています。
ワオンを200円使うと1ポイント(=1円)貯まります。
つまり0.5%がキャッシュバックされています。
イオンの店舗だとこれが2ポイント貯まるように優遇されるので、1%キャッシュバックです。
さらにクレジットカードでワオンにチャージすると0.5%ポイントが貯まります。

 

日本ではiDとしてタッチ決済ができ、海外では、VISAやマスターカードのタッチ決済ができるdカードは、キャッシュレス時代の時流に合っています。

 

日本では、景品法の制約で、20%上限という還元率になります。
PayPayが口火を切った20%のキャンペーンで、キャッシュレスのキャンペーンの標準が20%のような様相を呈してきます。
これが実はPayPay陣営が他社に仕掛けた罠でもあったのです。

 

キャッシュレス時代で世の中の支払いは、最終的にタッチ決済に移行するはずですので、楽天エディというタッチ決済のできる電子マネーを持っていることは楽天陣営にとって重要です。
しかし、現状ではそのメリットを活かし切っている感じはありません。

 

2020年春から楽天ペイアプリで、スイカが発行できるというのです。
これにより楽天カードからスイカにもチャージでき、そのスイカで乗車すると楽天ポイントが貯まるという良循環が生まれます。
(略)
ネットに強い楽天とリアルの電子マネーで強いスイカ陣営がタッグを組むのは、最強の組み合わせなのです。

 

私は流通系陣営と通信系陣営での異業種の戦いが長期間にわたって繰り広げられると想像していたのですが、7ペイの炎上で一気に勝負がついてしまった感があります。
自社の店頭という一番有利な戦場で負けているようでは戦には勝てません。

 

1Passwordのようなパスワード管理ツールを入れるのがコツです。
ネット社会においてはスマホでもパソコンでもお金を突っ込むことができないわけで、ですから、キャッシュレスが当たり前。
その決済の出どころになっているパスワードはしっかり管理して防衛しておきましょう。

 

ポイントを貯めたい人は、楽天ポイント、dポイント、Tポイントです。
キャッシュレス時代のポイント3種の神器です。
どれもクレジットカードと一体化されているポイントカードがオススメです。
Tポイントであれば、ファミマTカードやヤフーカードが無料で発行でき、オススメです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1618-1】QRコード決済を使ってみる

【1618-2】現金を持たず、キャッシュレス決済だけで過ごす日をつくる

【1618-3】パスワード管理を厳格にする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】キャッシュレス生活、1年やってみた
【著者名】美崎栄一郎著者情報
出版社祥伝社
【出版日】2020/2/1
オススメ度★★★☆☆
こんな時にビジネス理論を深めたいときに
キーワード社会ファイナンス考える
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 リアル「現金使わない生活」日記
第2章 「現金使わない生活」は止まらない

 

この本が、あなたを変える!

キャッシュレス生活、1年やってみた
美崎栄一郎 祥伝社 2020-2-1
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美崎栄一郎さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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