【書評:1904冊目】はじめての経理のおしごと(下釜綾子)

【お堅い経理業務をイラストでスッキリ!】
簿記の学習を応援する講師・下釜綾子氏が、『はじめての経理のおしごと』と題して、わかっているようで意外と知らない、経理の基本をイラストとマンガで視覚的に解説する一冊。

■書籍の紹介文

会社に必要不可欠な経理業務。
あなたは、どこまで理解していますか?

 

本書は、わかっているようで意外と知らない経理業務をイラストとマンガで紐解きながら、実務初心者や簿記学習者が理解しておくべきポイントを解説する一冊。

 

お金の流れは、血液の流れのようなもの。
会社の健康状態を表し、会社の生き死にを決めるもっとも重要なものです。

 

この、お金の流れの管理を任されている人たち。
それこそが、経理担当者です。

 

では、実際に経理担当者はどのような方法で、お金を管理しているのか。
意外と、担当者以外で明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

 

「経理業務?あ〜簿記でしょ、簿記」
「経理?経費精算とか決算書類の作成とかでしょ」

 

こんなふうに、”なんとなく”は理解できています。
ですが、”こう!”とは理解できておらず、いつの間にか「いまさら聞けない・・・」となっている方が多いとおもいます。

 

この、「いまさら聞けない」に答えてくれるのが本書。
イラストとマンガで、堅くなりがちな説明を頭のなかにイメージしやすい形で進めていきます。

 

「新入社員の基礎研修に、本書を活用してもいいかも」
全編を読んでみて、このような印象を強く持ちました。

 

知識として理解しておくことで、会社の流れを把握することができるからです。
すると、実務についた後も、関連作業に不必要なストレスを溜めることなく処理できます。

 

「いまさら聞けない」あなたに。
「経理に興味がある」あなたに。
「簿記資格に挑戦する」あなたに。

 

まずは、この本から勉強をはじめることをオススメします。
タイトルに負けない「わかりやすさ」に学びが楽しくなります。

 

◆これは、わかりやすい!

はじめての経理のおしごと
下釜綾子 ソーテック社 2022-8-18
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■【要約】15個の抜粋ポイント

経理は、日々の取引を会計のルールに従い簿記という記録の方法で正確に記録し、それを経営者に伝える役割を持っています。
経営者は経理が記録した帳簿や決算書の書類をもとに財務を把握して経営判断をしています。
経理は、会社の数字のプロフェッショナルとして会社に欠かせない存在なのです。

 

●貸借対照表の5つの大切なポイント
・貸借対照表は会社の財政状態を表す資料
・3つの内容(資産・負債・純資産)が書かれている
・左側には、集めた資産をいくらで、どんなもので持っているかが書かれている
・右側には、資産を持つためにどうやってお金を調達したかが書かれている
・左右の合計は一致する

 

●押さえておくべき損益計算書”5つの利益”
①売上総利益=売上高ー売上原価
②営業利益=売上総利益ー販売費及び一般管理費
③経常利益=営業利益+営業外収益ー営業外費用
④税引前当期純利益=経常利益+特別利益ー特別損失
⑤当期純利益=税引前当期純利益ー法人税等

 

簿記上の取引とは、会社のお金の出し入れなど、決算書に書かれる5つの要素(資産/負債/純資産/費用/収益)に変化がある取引のことです。

 

●仕訳を行うステップ
Step1:簿記上の取引だけ記録する
Step2:取引の二面性をとらえる
Step3:勘定科目を使って記録する
Step4:右と左に分けて仕訳を書く

 

●仕訳のルール

  借方(左)に書く 貸方(右)に書く
資産 資産が増えた 資産が減った
負債 負債が減った 負債が増えた
純資産 純資産が減った 純資産が増えた
費用 費用が増えた 費用が減った
収益 収益が減った 収益が増えた

 

仕訳帳には日付、勘定科目、取引内容、総勘定元帳への転記先(元丁)、借方、貸方を取引ごとに記入します。
仕訳帳から項目ごとにまとめる「総勘定元帳」にも記入していきます。
これを経理では「転記」といいます。

 

現金が合わないことが発覚したら、
①帳簿の金額を「実際ある金額」にする
②不明分を「現金過不足」勘定を使う
そのうえで、原因を調査する

 

経費とは、交通費や文具購入、会食など収益を得るための事業で使用した費用です。

 

売上計上のタイミングには、出荷基準・納品基準・検収基準などがありますが、一度採用した基準は継続して適用しなければなりません。

 

経理担当者は仕入を計上して仕訳をした後、支払期日までに銀行で振込を行ったり、現金などで支払いをします。
その後、支払いと照らし合わせ買掛金を消す(買掛金の消込)の仕訳を行います。

 

給与や社会保険に関する業務を労務と呼びます。
会社の規模や形態によって関わる範囲は異なりますが、一般的に経理担当が給与や社会保険料の計算から支払いまでを行います。

 

社会保険料は、それぞれ保険料率をかけて計算します。
都道府県ごとの保険料表で算定することができますが、会社によっては健康保険組合に入っている場合もあるので、確認しましょう。

 

決算は、社外の利害関係者(国、銀行、取引先など)に会社の財政状況と経営成績を報告することを目的にしています。
決算は1年分のまとめを行うので作業量も多いですが、正確性が求められます。
また、事業年度終了の2ヶ月後という税務署への申告期限などもあります。

 

減価償却とは、時間の経過や使用により価値が減少する資産を取得した際に、取得するための支払額をその耐用年数に応じて費用計上していく会計処理のことです。
その減価償却される金額は「減価償却費」という勘定科目で処理します。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1904-1】簿記の勉強をする

【1904-2】自社の決算書類を読んでみる

【1904-3】経費精算など、経理に関わる作業は期限厳守する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】はじめての経理のおしごと
【著者名】下釜綾子著者情報
出版社ソーテック社
【出版日】2022/8/18
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方指導力教養
【頁 数】240ページ
【目 次】
1章 経理のお仕事とは?
2章 「簿記」を知れば「決算書」が読めるようになる
3章 経理に必須「簿記」ってなに?
4章 仕訳パターンを知ろう!
5章 現金と預金の管理
6章 「売上」や「仕入」の管理
7章 給与の計算と支払いのお仕事
8章 決算と手続き

 

この本で、あなたは変わる!

はじめての経理のおしごと
下釜綾子 ソーテック社 2022-8-18
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下釜綾子さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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