- 2019-8-3
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- ★☆☆☆☆, サンライズパブリッシング, ビジネスモデル, ビジネス理論を深めたいときに, 教養, 正林真之, 社会
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【とてもおもしろい内容!ただ…】
弁理士・正林真之氏が、『新訂版 貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ』と題して、見えない資産といわれる『知的財産』の世界を、経営戦略の視点からやさしく解説する一冊。
■書籍の紹介文
知的財産(知財)。
自分の生活にどれだけ関わりがあるとおもいますか?
本書は、「見えない資産」ともいわれて難解なイメージを持たれる「知財」の世界を、身近な商品を例にわかりやすく解説する一冊。
◎アメリカの著作権法は、ミッキーマウスに合わせて変わる!?
◎コカ・コーラは、原液をタダにすることで大儲けしている!?
◎サントリーの伊右衛門は、特許で技術を公開しているのにマネできない!?
◎くまモンは、商標権ををタダにすることで莫大な利益をもたらしている!?
このように、身近なビジネスの裏側に隠れている知財を活かした経営戦略が学べます。
裏側を覗く”ワクワク感”と、「へぇ〜」「なるほど〜」「うまいな〜」と思わず声が出てしまう巧みな戦略に触れられる、とってもおもしろい内容です。
知財がわたし達の生活にどう関わっているのか。
知財の変遷、問題点はあるのか、どう武器にしていくのかまでを一気に学び取れます。
堅苦しく難解な法律の世界。
このイメージを溶かし、グッと親しみやすくした著者の功績はとても大きいと感じます。
「ただ…」残念な点も。
感じたのはおもにつぎの3点です。
①タイトルと内容がミスマッチに感じる
②モーツァルトとプッチーニの比較(1章)が全体から浮いているように感じる
③モーツァルトとプッチーニの比較自体もボヤけている
2章以降、特に3章以降は上記の通り「とってもおもしろい」本です。
だからこそ、「もったいないな!」という気持ちが強いので、あえて残念に感じたことを記しました。
読み始めの1章は、正直「読むのをやめよう…」とおもいました。
もし、あなたもそう感じたら、ぜひ3章以降を読んでください。
労力をかけて記事を書いているので、こういうネガティブな面はほとんど書きません。
くり返しますが、後半がおもしろいだけに「もったいない!」という気持ちから書かせていただきました。
知財ビジネスの世界。
ぜひ、堪能してみてください!
◆知財の世界は、奥深い。
新訂版 貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ
正林真之 サンライズパブリッシング 2019-8-7
売上ランキング(公開時):223,234
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■【要約】15個の抜粋ポイント
モーツァルトがフリーランスの作曲家ならば、プッチーニは組織とうまく契約を結んだ作曲家である。
そもそも芸術家とは生き方であって、職業ではない。
その芸術家が生きる糧として稼げる収入源といえば、教会や王侯貴族のお抱え音楽家として、給料を貰うしかなかった。
モーツァルト自身は、そんな束縛から解き放たれ、自由に創りたい曲を創って収入を得るような人生を模索し始めたひとりだったようだ。
才能と成功は、同じ次元では存在しない。
ある分野での天才性が、そのまま経済での成功に直結しないことを知っておくことは、成功を目指すすべての人への最も大切な警句であることを、モーツァルトとプッチーニというふたりの天才音楽家が教えてくれているのだ。
いくら文学的に高い評価を受けようが、売れなければ貧乏モーツァルト作家に甘んじるしかないだろう。
反対に、文学的な評価は低くとも、売れれば売れた分だけ金持ちプッチーニ作家として「夢の印税生活」を謳歌できるのだ。
著作権という知的財産権がいったい誰のものかということは、いつの時代にも互いの主張が食い違うことだけは忘れてはいけない。
中小企業が大企業に勝つことは決して不可能ではない。
そしてその鍵のひとつに知的財産権、とりわけ商標という存在があることを覚えておいていただきたいのだ。
原液の売上では儲けず、商標使用料で売上を立て、儲けているのである。
これがコカ・コーラのビジネスモデルである。
(サントリーの伊右衛門は)マネされても問題ない部分である、技術面はオープンにし、お湯の温度などの詳細なお茶の入れ方についてはクローズにしている。
知財について考えるとき、私たちは常に独創という哲学を忘れてはならない。
けれど、その独創とは、決して何もないところから偶然の産物として生まれるものではないことも忘れてはならないのだ。
「くまモン」の最大の仕事は、熊本県のPRなのであり、直接的にお金を生み出すことではない。
「くまモン」と熊本県の認知度が上がることによって、たとえ商標使用料が無料でも、それ以上の計り知れない利益を熊本県と熊本県の企業と熊本県民にもたらすのである。
そのネーミングから「夜のお菓子」というキャッチフレーズまで、その完璧なまでのプロモーションストーリーを守っているのは、ほかならぬ「うなぎパイ」の商標登録であることを改めて確認しておきたい。
韓国のイチゴの90%を占めるソルヒャン(雪香)による日本の損失は5年間で220億円とも言われている。
IFRSなどの会計基準では、知的財産権を評価し、資産計上している。
日本にはこういった制度がないから、海外に技術が流出してしまっても、どれぐらいの損失があるのか把握できないのだ。
権利を取るのは、自らを守るためだけではない。
権利、特に知的財産権というのは、自らの才能やその成果物をマネタイズする道具として、攻めにも使うことができる極めて有用なものなのである。
簿外の知的財産については銀行から融資の際の資産として認められないが、その、銀行には見えていない知的財産を権利化し権利を正しく実行すること、つまり「知的財産経営」を行っていくことで、マネタイズが可能となり、結果的に資産を増やすことが可能となる。
■【実践】3個の行動ポイント
【1488-1】知的財産権について勉強する
【1488-2】商標登録権について勉強する
【1488-3】自分が持つ権利について考えてみる
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ
【著者名】正林真之 ・ 著者情報
【出版社】サンライズパブリッシング
【出版日】2019/8/7
【オススメ度】★☆☆☆☆
【こんな時に】ビジネス理論を深めたいときに
【キーワード】ビジネスモデル、社会、教養
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 音楽と絵画に学ぶ金持ちと貧乏の才
第2章 印税、商標、著作権が生むお金の話
第3章 国内外企業の知財ビジネスモデル勝ちパターン
第4章 地域のアドバンテージをマネーに変える錬金術
第5章 知的財産の価値が見えない日本企業
この本が、あなたを変える!
新訂版 貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ
正林真之 サンライズパブリッシング 2019-8-7
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正林真之さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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