【羨望と洗脳の狭間で揺れる中国】
評論家・石平氏が、『なぜ中国は日本に憧れ続けているのか』と題して、中国の古代から現代までの歴史を紐解きながら、そのときどきの中国の日本に対する感情を考察する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
中国の日本に対する反応。
あなたは、どのように感じていますか?
本書は、中国の古代から現代までの歴史を紐解きながら、中国の日本に対する”日本観”がどのように変遷してきたかを考察する一冊。
・理想郷(三神山)からくる”憧憬”
・羨望(近代化)からくる”嫉妬”
・敗戦(日清戦争)からくる”憎悪”
・国内統制(天安門事件)からくる”鬱屈”
さまざまな感情が巡って、中国の日本への感情・反応になっている。
この本を読んで、妙な”安心感”を覚えました。
中国にも、きちんと感情がかよっているのだと。
もちろん、あの過激な反応に霹靂としたり嫌悪感を抱いたりすることはありますが。
政策としての洗脳的な反日教育、その裏にある中国の支配戦略。
こうした中でも一般市民の間に着実に拡がる、精日などの日本へのポジティブな感情。
ニュースや話題は、どうしてもセンセーショナルになりがちです。
それに惑わされないためには、自分で知ろうとする姿勢を失わないことです。
そのためには、継続的な勉強と情報収集あるのみです。
知るほどに、短略な反応をせずに済みますから。
◆中国の日本観を知る一助に。
なぜ中国は日本に憧れ続けているのか
石平 SBクリエイティブ 2019-6-6
売上ランキング(公開時):6,892
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■【要約】15個の抜粋ポイント
海の向こうにある三神山である日本は、聖人の孔子から最高権力者の秦の始皇帝まで、多くの中国人が憧れている理想郷、仙人の住む海中の楽園だったのである。
遣唐使の時代以来の日中交流史において、両国間の人的交流は当然色々とあった。
このとき、中国大陸に渡った日本人はほとんど帰国したのに対し、日本に渡った中国人の多くはそのまま住み着いている。
2017年6月現在、日本に住む在日中国人・中国出身者は92万人にも上っていて、そのうち13万8000人ほどが日本国籍に帰化している。
それに対して、同じ時期に中国在住の日本人は12万4000人ほどいるが、中国に帰化している日本人はほとんどいない。
日清戦争における日本の戦勝と明治維新以来の日本の近代化の成功は、当時の中国人に大きな衝撃を与えて、「近代化」の本当の意味を彼らに教えた。
そのときの日本は紛れもなく、中国にとって近代化の啓蒙者だったのである。
1920年年代後半、蒋介石や汪兆銘などの日本留学組が中国の国政を担当するようになってから、日中関係は険悪の一途を辿り、1937年の日中戦争の全面爆発につながった。
このとき、最前線で日本軍と戦った中国人将校の多くは、日本の陸軍士官学校の卒業生だった。
日本にとって、中国人留学生の大量受け入れとは一体、何だったのだろうか。
「義勇軍行進曲」の歌詞は、実は大正6(1917)年から日本留学して東京高等師範学校に学んだ田漢(でんかん)という芸術家の手によるものである。
中国の代表的な「抗日歌曲」の歌詞が日本留学帰りの者の手によって作られたとは、いかにも皮肉なことである
(天安門事件の)鎮圧の直後に成立した江沢民政権にとっては、そこからいかにして共産党政権の求心力を取り戻すかが最大の政治課題となった。
このたき江沢民政権がとった方策は、国民全体を対象とする「愛国主義精神高揚運動」の推進と、これとセットで行った「反日教育の展開」である。
長年にわたって行われた「嘘デタラメ」の反日教育の結果、偏見と憎悪が多くの中国人の脳内に植えつけられ、それが彼らの感情を左右して反日運動の原動力となったのである。
一度日本観光に来た中国人は、その多くが日本に対する好印象を持ち帰り、それはそのまま彼らの対日観となっていくのである。
彼らの口コミやネット上の発信を通して良い対日観は拡散し、中国社会の中で広がっていく。
和食一つをとってみても、日本という国は、中国人にとって「極楽」そのものなのである。
観光客だけでなく、仕事やビジネス関係で日本にやってきた中国人、あるいはなんらかの機会で日本人と接触したことのある中国人は、ほぼ例外なく日本人の民度の高さに大いに感心するとともに、心から敬服している。
ここで言う民度の高さには、「日本人の清潔さ」「礼儀正しさ」「モラルの高さ」、そして「日本社会の秩序の正しさ」「穏やかさ」などが含まれる。
歴史上、多くの中国人、特に中国のエリートたちが日本をまさに安住の地として選び、理想郷の日本に住み着いたことを見たが、21世紀になった今でも、多くの心のある中国人にとって、日本は依然として、心安らかな安住の地であり、人生を託すべき理想郷なのである。
中国で特定の外国がかかわる歴史を法律で国家記念日と定めるのは異例のこと、しかも三つの記念日が全部、日本との戦争に関するものであるとは異常事態。
(略)
しかも、この三つの国家記念日を制定して以来、5年間、すべての記念日に、中国政府は毎年必ず大規模な国家的記念行事を催して日本批判の気勢を上げてきている。
これは今後についても恒例化していくことだろう。
つまり今年も来年も再来年も、10年後も20年後も、年3回、この日になると、「歴史問題」で日本を叩く光景が、中国で必ず見られることになるわけだ。
それはもはや日本側が謝罪するかどうかの問題ではない。
●中国のアジア支配戦略の2つの障害
(1)日米同盟
(2)アジア諸国の反抗
われわれは中国人民の日本羨望を拒否する必要はないが、羨望から生じるところの日本への妬みと、共産党政権の反日姿勢、反日政策には大いに警戒しておくべきであろう。
■【実践】3個の行動ポイント
【1482-1】中国の古典を読む
【1482-2】中国の歴史を学ぶ
【1482-3】「レコードチャイナ」「サーチナ」で中国ニュースを読む
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】なぜ中国は日本に憧れ続けているのか
【著者名】石平
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2019/6/6
【オススメ度】★★☆☆☆
【こんな時に】教養を伸ばしたいときに
【キーワード】教養、社会、考える
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 2000年前から中国に憧れられる国日本
第2章 中国人が模範にした明治日本
第3章 中国はいかにして「反日国家」になったか
第4章 日本人との同化を望む「精神的日本人」の誕生
第5章 中国は今、日本の何に憧れているのか
第6章 習近平政権のアジア支配戦略と反日的体質
この本が、あなたを変える!
なぜ中国は日本に憧れ続けているのか
石平 SBクリエイティブ 2019-6-6
売上ランキング(公開時):6,892
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石平さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/
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2019年 7月 29日
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