【数学的とは、相手を思いやる姿勢である】
ビジネス数学教育家・深沢真太郎氏が、『「数学的」な仕事術大全』と題して、学校の数学と仕事の数学の違いを定義しながら、「数学的」な仕事術を磨く方法を徹底指南する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
「数学的」な仕事の進め方・・・。
あなたはどんな方法を想像しますか?
本書は、仕事で結果を出し続ける人ほど仕事の進め方が「数学的」であると指摘し、「数学的」を成す5つの要素を示しながら、「数学的」な仕事術を磨く方法を徹底指南する一冊。
なぜ、「数学的」に仕事を進めることが重要なのか。
それは、数字は皆が同じ認識のできる共通言語だからだとおもいます。
たとえば、「発注は”少なめ”で」と指示されたとします。
この場合、5個?10個?もっと?などと、”少なめ”の解釈は人それぞれでバラつきます。
一方、「発注は”3個”で」と指示されたらどうでしょうか。
いうまでもなく、皆が等しく3個と認識し、判断のバラつきは起きません。
「そんな些細なこと・・・」と、今あなたはおもったかもしれません。
ですが、著者の説く「数学的であれ!」は、この些細な部分をどれだけ徹底できるかとつながっていきます。
ありませんか?
「曖昧に表現しないで最初から”3個”って言えよ!」みたいに愚痴った経験・・・。
そう、判断・解釈にバラつきがでる状況はストレスを生み出します。
やがてそれは、不満、不信、嫌悪へと悪化し、取り返しのつかない事態につながる危険性を増大させていきます。
最初に数字をつかって明確にしておけば起きないだけに、これはとてももったいないことです。
つまり、「数学的」に仕事を進めることは、「相手に”おもいやり”を持って」仕事を進めることだと言えるのです。
ぜひ、この視点をもって本書を読んでみてください。
堅苦しく無機質に捉えがちな「数学的」な世界が、じつは「とても血の通った」世界であると感じられるとおもいます。
すると、紹介されている1つ1つのビジネススキルの学習が楽しくなるはずです。
ある意味、もっとも知りたいストレス発散法を学んでいる感覚、ともいえるかも。
確かなことは、あなたが「数学的」になるほど、仕事の流れはスムーズになります。
比例して、結果という果実が流れてくるのも早くなっていくということです。
◆納得の一冊でオススメ。
「数学的」な仕事術大全
深沢真太郎 東洋経済新報社 2024-3-13
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■【要約】15個の抜粋ポイント
物事の関係性を明らかにし、筋道を立てて説明するということは数学そのものであり、それを日常生活の中で活用することが私の申し上げる「数学的」という意味です。
論理とは数学コトバであり、それは接続詞で表現されるものであると定義します。
定義。分解。比較。構造化。モデル化。
要するにファクトベースの数学的思考とは5つの動作をすることで数字に対して意味づけをし、答えを出すことといえます。
私は研修の現場において、誰でも正しいデータ分析ができるようになる「型」として次のようなものをご紹介しています。
STEP1:問題提起
STEP2:構造化
STEP3:仮説構築
STEP4:データ分析
STEP5:課題発見
問題:提起するもの
仮説:構築するもの
課題:発見するもの
データを活用して問題解決するという仕事は、データを触れる前の構造化の質で決まります。
ファクトベースで仕事ができないなら、アサンプションベース(仮定ベース)に切り替えて仕事をする。
選択肢はこれ以外にありません。
意思決定が難しいのは、”何をもって決めるのか”を決めていないから。
言い換えれば、決める際のルールや基準が決まっていないから。
数値を想像できる人が、数値を創造できる。
「数値」や「論理」をつくるために、「直感」を使う。
「直感」を説明するために、「数値」や「論理」を使う。
前提が共有されていない文章をそのまま読んでもおそらく正しい理解はできないということです。
誰かが書いた文章を読む際には、その人はどんな前提のもとその文章を書いたのかを把握するように努めてください。
●数学のような文章を書く秘訣
STEP1:まずは自分が書きたいように文章を書いてみる
STEP2:その文章を数学のように読み、編集する
STEP3:読み手の気持ちになって通読する
STEP4:読み手が理解できないと思われる箇所を再編集する
<編集は具体的には次の4つを重視>
・塊に分け、数学コトバで接続して書く
・無駄なコトバは使わないで書く
・前提があるならそれを本題の前に書く
・要約できるように書く(小見出しと太字を意図的に使う)
●成果を出す人は5つの動作で話す
・定義:最後まで聞ける話の秘密
・分解と構造化:わかりやすい話の正体
・比較:根拠の正体
・モデル化:説得力のまとい方
大切な話をする際は数学のように定義から始める。
グラフをつくる際に必要なのが、「グラフを使わない前提で、グラフを使う」という発想です。
具体的には、最悪の場合グラフがなくてもメッセージは伝わるように見せると考えるのです。
(数学的に伝える)={(書く)+(話す)+(見せる)}×(数学的)
■【実践】3個の行動ポイント
【2096-1】「何のための会議か」「何のための作業か」など、定義することを心がける
【2096-2】前提が共有されているか/把握できているか、必ず確認してから仕事をはじめる
【2096-3】成功した事例や人に出会ったら、成功に至った”構造”を紐解く
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】「数学的」な仕事術大全
【著者名】深沢真太郎 ・ 著者情報
【出版社】東洋経済新報社
【出版日】2024/3/13
【オススメ度】★★★★★
【こんな時に】明日の仕事力を磨きたいときに
【キーワード】働き方、数学的思考、指導力
【頁 数】248ページ
【目 次】
第1章 数学的とはなにか
第2章 数学的に考える(ファクトベース編)
第3章 数学的に考える(アサンプションベース編)
第4章 数学的に文章を読む・書く
第5章 数学的に話す
第6章 数学的に資料作成する
▼さっそくこの本を読む
「数学的」な仕事術大全
深沢真太郎 東洋経済新報社 2024-3-13
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深沢真太郎さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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