【書評:1997冊目】巨人論(江川卓)

【まわりを観察しながら、わが道を貫いていく】
野球解説者・江川卓氏が、『巨人論』と題して、現役時代の巨人から令和の巨人までを語りながら、独自の投球論や野球をより一層楽しむためのポイントを解説する一冊。

■書籍の紹介文

熱中しているもの。
あなたには、どんなものがありますか?

 

本書は、自身の現役時代から令和のジャイアンツまでを語りながら、ジャイアンツへの変わらぬ”愛着”を全開に、野球を楽しむためのポイントを解説する一冊。

 

野球は、映画や演劇と同じ、「ドラマ」である。
だからこそ、ひとりでも多くの人に楽しんでほしいと書かれた本です。

 

『観察力(観察眼)』。
著者の話を読むと、好きがあるレベルを超えると、この能力が伸びるんだなと感じます。

 

自分に対して。
チームメイトに対して。
対戦相手に対して。

 

とても細かいところまで観察していることが、とてもよく分かります。
さらにおもしろいのが、観察したことが正解なのかどうかにはあまり拘っていない姿勢です。

 

自分の中に、揺るがない信念や哲学はある。
その自分を今の環境・状況で最大限に生かすために、周囲をどこまでも観察する。

 

観察して気づいたことに、正解は求めない。
なぜなら、”結果”がすべてを語ってくれるからです。

 

単純な読み物としての”おもしろさ”(野球への興味度合いによりますが・・・)。
自分の仕事へ置き換えて読んだときに得られる”気づき”。

 

興味本位で読みましたが、なんともいえない奥深さを感じる一冊でした。
仕事にこだわりが持てない、自分を信じきれない、といった方にオススメです。

 

◆江川節炸裂!

巨人論
江川卓 SBクリエイティブ 2023-4-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント

少ない運をものにして、いい印象を与えるためには、逃げの姿勢を見せることだけは厳禁だ。

 

僕の勲章は、最後まで勝負を避けなかったこと。

 

僕は黒星で現役を終えた。

 

まとめると身も蓋もないのだが、自分の感触を信じて握り方はなんでもいい、というのが僕の理論である。

 

「遠投時に無理のない投げ方がその人に合った投球フォーム」ということだ。
好きなように投げるというのは、自分が憧れるフォームで投げるということではない。
自分の体に合ったフォームを探すということだ。

 

同じところに投げ続けるから、そこに投げるコントロールが身につくのだ。
人間の心理に反して、ひたすらに繰り返すのが望ましい。

 

「野球を面白くするためと言って環境を変えられると選手は困る」

 

(長嶋茂雄さん)
緻密な読みと計算の前に、記憶力がものすごいのだ。

 

(小林繁さん)
人は時が経つと忘れる思い出もあるし、歳を取ってそういうことも増えてきたが、こればっかりは忘れられない、僕が背負わなくてはいけない十字架だ。

 

(西本聖さん)
どうやったら相手よりも成績を上げられるかというと、これは一面では卑怯なのだが、お互いに3連戦の初戦は相手に投げてほしいと思っていた。
先に投げてくれたほうが相手打線の調子がわかるのだ。
つまり、相手を実験台にしたかった。
もちろんこれは、お互いの実力を認めているからこそだ。

 

(原辰徳さん)
投手交代を増やすと、リリーフ陣の登板が増えるから、大事な時に疲弊してしまう可能性があり、あまりよい手だとは思われない。
打順にしても、なるべく固定したいところだ。
ただ、巨人は選手層が厚いので交代できるという面もある。
悪い采配だとは言い切れないが、2回目までの原監督の采配とは明らかに違っている。

 

(松井秀喜さん)
自分のバッティングに自信を持って泰然自若とした、まさに4番の品格を持った選手だった。

 

いずれにしても試合中は「真剣で」いてほしい。

 

球速が速い球が「いい球」ではない。
ストライクゾーンに入るか、あるいはストライクゾーンに入ると錯覚する球で、それが速いから「いい球」なのだ。

 

ピッチャーがキャッチャーに求めるのは、マウンドでバッテリーが考えなくてはいけないことが100あるとして、このうちいくらを負担してくれるかということだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1997-1】逃げの姿勢を見せない

【1997-2】自分に合った方法を追求する

【1997-3】「真剣さ」を疑われないように振る舞う

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】巨人論
【著者名】江川卓著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/4/6
オススメ度★★★☆☆
こんな時に他人の生き方に触れたいときに
キーワードマインド生き方働き方
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 僕の巨人時代
第2章 投球の秘密
第3章 巨人軍列伝
第4章 令和の巨人軍

 

▼さっそくこの本を読む

巨人論
江川卓 SBクリエイティブ 2023-4-6
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江川卓さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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