【迷いの答えは、いつの時代も書になり!】
作家・適菜収氏が、『「徒然草」を読め!』と題して、本質が見えづらくなる時代だからこそ「徒然草」を読もうと提起し、本質を見極める「見識力」の磨き方を指南する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
迷いが生じたとき。
あなたはどうしていますか?
本書は、時代がどう変わろうと”本質”が大きく変わることはないと語りながら、「徒然草」を読むことで、本質を見極める「見識力」を磨く方法を指南する一冊。
迷いが生じたときは、自分が落ち着けるところに立ち戻る必要があります。
そのうえで、どう進むべきか冷静に判断するのです。
人間はブレるものです。
だから、ブレること自体を気に病む必要はありません。
大切なのは、ブレたときに戻ってくる”軸”をしっかりさせておくことです。
振り子の軸のように。
では、どうすれば”軸”をしっかりできるのか。
これこそが、本書のテーマである、本質を見極める「見識力」です。
”本質”は、ブレようがありません。
ブレないからこそ、”本質”です。
迷ったときこそ、”本質”を見極めて判断する。
これができるようになると、情報に惑わされて損をしたり、意図しない方向に流されたり、ということがなくなります。
すると、心の余裕が生まれて、生きやすくなります。
自分が進みたい方向に、自信をもって進んでいくことができるようになるのです。
それでは、もっとも効果的に”本質”を学べる場所はどこなのか。
著者は、兼好法師によって書かれた古典「徒然草」が最適であると説きます。
多くの先人達が、己がたどり着いた”本質”を、書物に書き残しています。
そのなかから、「兼好法師には”人間の本性”が見えていた」と語りながら、「徒然草」の世界へと誘います。
”本質”をたくさん浴びる。
”本質”をくり返し浴びる。
これを継続していくことで、見識力は磨かれていきます。
ブレない”軸”づくりに、ぜひ読んでみてください。
◆コレはおもしろい!
「徒然草」を読め!
適菜収 祥伝社 2021-10-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント
すべて何も皆、ことのととのほりたるはあしきことなり。(第八二段)
完全を目指せば、必ず不満が残る。
人間はそもそも不完全な存在である。
それに気づけば、心に余裕が生まれる。
いにしへの聖の御代の政をも忘れ、民の愁へ、国のそこなはるるをも知らず、よろづにきよらを尽していみじと思ひ、所せきさましたる人こそ、うたて、思ふところなく見ゆれ。(第二段)
人間は権力を手に入れると、恥知らずになる。
改めて益なきことは、改めぬをよしとするなり。(第一二七段)
たった一行の文章だが、これほど深くて重い言葉はない。
改めて益なきことを、改めてきたのが日本の戦後、とくにこの三〇年間だったからだ。
人間の、営みあへるわざを見るに、春の日に雪仏を作りて、そのために金銀珠玉の飾りを営み、堂を建てんとするに似たり。(第一六六段)
人の命はあっという間に終わる。
だとしたら、それを前提に予定を立てるべきだ。
高望みしても、手が届く前に死ぬ。
一日の中、一時の中にも、あまたのことの来らんなかに、少しも益のまさらんことを営みて、その外をばうち捨てて、大事を急ぐべきなり。(第一八八段)
一番大事なのは、やらなくていいことをやらないことだ。
読まなくてもいいような本は、読むべきではない。
観なくてもいいような映画は観るべきではない。
聴かなくていいような音楽は聴くべきではない。
近き火などに逃ぐる人は、「しばし」とや言ふ。身を助けんとすれば、恥をも顧みず、財をも捨てて逃れ去るぞかし。命は人を待つものかは。(第五九段)
分別のある人ほど、心づもりだけで一生を終えてしまう。
やるべきことは、今やらなければならない。
それで世間の顰蹙を買おうが知ったことではない。
身死して財残ることは、智者のせざるところなり。よからぬ物、貯へ置きたるもつたなく、よき物は、心をとめけんとはかなし。こちたく多かる、ましてくちをし。(第一四〇段)
いつ死んでもいいように、なるべく自分の部屋は片付けておいたほうがいい。
私も部屋にあったものはほとんど人にあげてしまった。
本も大量に処分した。
その後、図書館で借りていた本も一緒に捨ててしまったことに気づいて弁償した。
荒れたる庭の露しげきに、わざとならぬ匂ひ、しめやかにうちかをりて、忍びたるけはひ、いとものあはれなり。(第三二段)
心の美しさは、立ち居振る舞い、所作の美しさにつながる。
月を見てなんとも思わないような人は、人間世界においても、なんということもない人である。
さて、いかがして人を恵むべきとならば、上の奢り費す所をやめ、民を撫で、農を勧めば、下に利あらんこと、疑ひあるべからず。衣食尋常なる上に僻事せん人をぞ、まことの盗人とは言ふべき。(第一四二段)
経世済民、つまり「世を経め、民を済ふ」ということだ。
現在のわが国は「衣食が足りているのに悪事を働く者」の天下になってしまった。
ひとり、燈のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞこよなう慰むわざなる。(第十三段)
兼好の時代(鎌倉)でも、「昔のもの」「古典」こそが、読まれるべきものだった。
読書とは過去との対話である。
人にまさらんことを思はば、ただ学問して、その智を人にまさらんと思ふべし。(第一三〇段)
学問の力とは単なる「情報」の集積ではない。
先人に学び、判断能力を身につけるということである。
今様のことどもの珍しきを、言ひひろめ、もてなすこそ、またうけられね。世にことふりたるまず知らぬ人は、心にくし。(第七八段)
いい歳をした大人が流行を追うのも、新語や符丁を使うのもみっともない。
神・仏にも、人のまうでぬ日、夜参りたる、よし。(第一九二段)
神社仏閣には静かにお参りしたほうがいい。
げにげにしくところどころうちおぼめき、よく知らぬよしして、さりながら、つまづまあはせて語る虚言は、恐しきことなり。(第七三段)
本当に知恵のある人間は理性により非合理的なものを切り捨てたりはしない。
人間はそもそも非合理的な存在であることを知るからだ。
若き人は、少しのことも、よく見え、わろく見ゆるなり。(第二三二段)
自分の才能をひけらかそうとすると失敗する。
半可通はいつの時代でも嘲笑の対象となる。
■【実践】3個の行動ポイント
【1767-1】やらなくていいことリストを定期的に作成する
【1767-2】古典を読む
【1767-3】身の回りをキレイにする
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】「徒然草」を読め!
【著者名】適菜収
【出版社】祥伝社
【出版日】2021/10/30
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】生き方に迷ったときに
【キーワード】哲学、教養、生き方
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 わたしたちを苦しめる「欲望」について
第2章 愚か者による政治について
第3章 神仏と無常について
第4章 避けることができない死について
第5章 生活の知恵について
第6章 知性とは何か?
第7章 よい趣味と悪い趣味
第8章 人付き合いと会話の心得
この本が、あなたを変える!
「徒然草」を読め!
適菜収 祥伝社 2021-10-30
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適菜収さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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