【人口減少時代のファンベース戦略!】
コミュニケーションディレクター・佐藤尚之氏が、ファンをベースにした中長期的な売上や価値を上げる「ファンベース」の重要性と効果的な運用方法を、具体的に紹介する一冊。
いつも応援してくれる人たち。
どんな人の顔が浮かびますか?
本書は、新規の顧客獲得がますます難しくなっている今だからこそ、「ファンベース」を土台とした中長期的な売上や価値向上が生命線になると提起し、豊富な事例に基づく効果的な運用方法を紹介する一冊。
「新規キャンペーンばかりで、長期ユーザーは放ったらかしか!ったく気分悪い!!」
つい先日、訪れたケータイショップで、ご年配の紳士のこんな荒げた声が聞こえました。
まさに、この本のテーマである「ファンベース」を考えさせられる体験です。
新規客の獲得を目指す一方で、その行動が長く利用いただいているお客様を怒らせてしまう悲しさが現れています。
商品・サービスを長く安定的に購入しているお客様を大切に。
「顧客第一主義」という名のもと、どの会社でもあたりまえに掲げられていることです。
ただ、本当に「顧客第一主義」を実現できていますか?
本書は、このことを深く突いてきます。
長年に渡り、新規顧客の獲得を目指す広告プランナーとして第一線で活躍されてきた著者が気づいた「ファンベース」の重要性。
この点だけでも、読む価値のある本だと思います。
「いかにファンを大切にするか」
掛け声ではなく、戦略的に運用するにはどうするべきかをじっくり考えさせられる良書。
◆ファンを大切に。
どうせやることになるのなら、一過性かつ瞬間風速的に終わらせるのではなく、その効果を資産化していくべきである。
短期・単発施策と中長期ファンベース施策は、それをつなげることによって「相乗効果」を生み出すからである。
必要な短期・単発施策の効果をより上げるための土台(ベース)を普段から作っておくのがファンベースなのである。
●ファンベースが必然な3つの理由
(1)ファンは売上の大変を支え、伸ばしてくれるから
(2)時代的・社会的にファンを大切にすることがより重要になってきたから
(3)ファンが新たなファンを作ってくれるから
とかく「生涯客単価」的ニュアンスで語られやすいLTVだが、顧客がブランドや商品に中長期的にもたらすバリューは使った金額だけではない。
とくに「ファンが新たなファンを作ってくれる」という部分において、顧客のバリューは計り知れない。
近くのコンビニやスーパー、モールなどに行けばわかる。
ネット通販は言わずもがなだ。
選択肢が溢れすぎている。
そうなると、人は買うのをやめてしまう。
逆に「買うモノがすでに決まっている人」、つまりファンの存在価値が高まるのは言うまでもない。
価値観が近い類友は、テレビやネットを凌ぐ最強メディアと言ってもいいし、類友の実体験による「自分の言葉」は、この過酷な情報環境において、超貴重な情報源なのである。
●ファンの支持を強くするための3カ条
・その価値自体を、アップさせること
・その価値を、他に代えがたいものにすること
・その価値の提供元の評価・評判を、アップさせること
●ファンの支持を強くする3つのアプローチ
・共感を強くする
・愛着を強くする
・信頼を強くする
ファンやユーザーの声、有識者へのインタビューなどを
・アクセスしやすく(探しやすい)
・リンク元にしやすく(シェアしやすい)
・より自信がもてるように(共感しやすい)
きっちりと自社サイトなどに載せて、用意しておくことは必須である。
生活者の課題を解決するためにどれだけの「想い」があったか。
どれだけの人がそのプロジェクトに携わり、どのくらい「時間」をかけたのか。
そして、どのくらい生活者のために試行錯誤し「努力」したのか。
そういうストーリーやドラマが、ファンに愛着という感情を起こさせる。
あらゆる接点でファンは見ている。
つまり手抜きも不誠実もすべて見られている。
唯一の対抗策はすべての施策・接点・活動において、誠実であることだ。
コアファンとは、お客様というより、大切にする価値を共有し喜び合う「仲間」であり、もっと言えば「身内」とも言える人なのである。
共感→(価値自体を、もっとアップさせる)→熱狂
愛着→(もっと他に代えがたいものにする)→無二
信頼→(提供元の評価・評判を、もっとアップさせる)→応援
●全体構築の3つのパターン
(1)中長期ファンベース施策のみで構築する
(2)短期・単発施策でファンをゼロから作っていくところから始める
(3)中長期ファンベース施策を軸に、短期・単発施策を組み合わせていく
自分たちが生み出し、愛しているその商品。
その価値を支持してくれ、愛用してくれているファンの笑顔を作ることほど、うれしく、誇らしく、やり甲斐のある仕事は他にないのではないだろうか。
【1264-1】ファンと呼べる方は誰なのか整理する
【1264-2】ファンやユーザーの声を、分かりやすく自メディアに掲載する
【1264-3】自分達の商品・サービスを愛用しているファンの笑顔のために行動する
ファンとは、顧客ではなくファンなのである。
【書籍名】ファンベース
【著者名】佐藤尚之 ・ 著者情報
【出版社】筑摩書房
【出版日】2018/2/6
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】明日のマーケティング力を磨きたいときに
【キーワード】ビジネスモデル、アイデア、コミュニケーション
【頁 数】288ページ
【目 次】
第一章 キャンペーンや単発施策を、一過性で終わらせないために
第二章 ファンベースが必然な3つの理由
第三章 ファンの支持を強くする3つのアプローチ
第四章 ファンの支持をより強くするる3つのアップグレード
第五章「全体」をどう組み合わせ、構築するか
第六章 ファンベースを楽しむ
この本が、あなたを変える!
佐藤尚之さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/
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