【書評:1642冊目】声に出して読みたい理系用語(信定邦洋)

【青木まりこ現象を知っていますか?】
医学部専門予備校である富士学院講師・信定邦洋氏が、『声に出して読みたい理系用語』と題して、教育と娯楽を融合した「エデュテインメント」形式で、理系知識を解説する一冊。

■書籍の紹介文

コロナウィルス関連情報で飛び交う専門用語。
わからない用語を、調べたりしていますか?

 

本書は、思わず人に話したくなる理系用語80+オマケ用語50を、思わず笑ってしまう仕掛けを散りばめた、教育と娯楽を融合した「エデュテインメント」形式で解説する一冊。

 

雑学本っぽいのに、身につくのはれっきとした理系の教養。
なんとも不思議な本です。

 

ちなみに、青木まりこ現象とは、書店巡りをよくする人には経験ある現象を指します。
わたしも経験があるので、「名前がついていたんだ!」とおもわず笑ってしまいました。

 

書店に行くと、なぜかトイレに行きたくなる。
この現象に「青木まりこ現象」という名前がついているのです。

 

こうした身近なネタから、医学・数学・物理・化学・生物・地学の理数系の本格的な用語が満載。
ときに笑い、ときに考え、ときに発見する、本当に楽しく読める教養本です。

 

実務実用をすこし離れて、普段触れない領域の本を読むのは良い効果をもたらしてくれます。
リラックスができたり、思考が柔軟になったり、新たな知識に刺激を受けたり、と。

 

楽しみながらも、本格的な理数系用語に触れる。
脳内が活性化する感覚を覚えることでしょう!

 

◆この本はオモシロイ!

声に出して読みたい理系用語
信定邦洋 KADOKAWA 2020-3-14
売上ランキング(公開時):30,679
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■【要約】15個の抜粋ポイント

青木まりこ現象とは、
本屋に入るとなぜかトイレ(大)に行きたくなる現象のことです。
(略)
青木まりこ現象の原因としては、
・本の紙やインクの匂いが排泄欲を刺激するため
・トイレのない本屋でトイレに行きたくなったら困るという精神的なプレッシャーのため
・本屋で好きな本を探す行為が心身をリラックスさせるため
など、さまざまな仮説が提唱されていますが、医学的には解明されておらず、そもそもこのような現象が本当に存在するかどうか疑問視する声もあります。

 

セクシー素数(sexy primes)とは、
差が6である素数の組のことをいいます。
(5,11)、(7,13)、(11,17)、(13,19)、(17,23)、(23,29)、……
この名前は、ラテン語で6を「sex」と表すことに由来します。
なお、セクシー素数が無数に存在するかどうかはわかっていません。

 

シミュラクラ現象とは、
3つの点や線が集まると人の顔のように見えてしまう脳の働きのことで、類像現像とも呼ばれます。
「シミュラクラ(simulacra)」は、英語で「像」という意味です。

 

代理ミュンヒハウゼン症候群とは、
周囲の関心を自分に引き寄せるために病気や怪我を捏造する、ミュンヒハウゼン症候群という精神疾患の一種です。

 

セント・エルモの火とは、
雷雨や嵐の夜に、船のマストや避雷針、教会の塔などの突起物の先端が発光する現象のことです。
(略)
山頂や尾根付近で、木の先端などにこの光が見えれば、落雷の危険が迫っているという自然界からの合図でもあります。

 

絶滅の渦とは、
複数の要因が連動することによって、個体群(同じ空間内で生活する同種の生物個体の集団)が縮小し、その生物種が絶滅に向かう現象のことです。

 

極渦(きょくか)崩壊とは、
北極などの上空にできる大規模な気流の渦である「極渦」が分裂する現象のことです。
極渦が2つに分裂して南下することになり、北半球の各地が強烈な寒波に見舞われ、記録的な寒さになることもあります。

 

赤の女王仮説とは、
生物の種が生き残るためには絶えず進化し続けなければならないという仮説のことです。
『鏡の国のアリス』に登場する赤の女王の「同じ場所にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」というセリフにちなんで名づけられました。

 

ダークマター(暗黒物質)とは、
宇宙空間に存在すると考えられている、質量はあるものの光を放出せず反射もしない(=観測できない)物質のことです。
その正体についてはまだはっきりとはわかっていませんが、宇宙の構成要素のおよそ4分の1を占めると考えられています。

 

ニッポニア・ニッポンは、トキの学名です。

 

眼前暗黒感とは、
文字通り目の前が真っ暗になって一時的に意識が遠のく症状のことです。

これは、脳への血流が不足して起こるめまいの一種で、「失神型めまい」ともいわれています。
この症状が起こる病気の代表例が不整脈です。

 

耳慣れない響きですが、SEKAI NO OWARIの『RAIN』という曲の歌詞にも出てきます。
ファフロツキーズ現象とは、
”FAlls FROm The SKIES(空からの落下)”の略で、魚やカエルなど「その場にあるはずのないもの」が空から大量に降ってくる現象です。
怪雨(かいう)(あやしのあめ)とも呼ばれます。

 

短期間(約1000万年)に大量の星が形成される現象を「スターバースト」といい、それが見られる銀河のことをスターバースト銀河といいます。
有名なものに、おおぐま座のM82銀河があります。

 

死滅回遊魚とは、
春から秋にかけて、黒潮に乗って日本の太平洋岸(伊豆半島など)に来る熱帯魚の幼魚のことであり、季節来遊魚とも呼ばれます。
熱帯魚だけに、色鮮やかなものが多いです。
冬になって水温が下がると、そのほとんどが死んでしまいます。
短くて儚い命ですね。

 

火災旋風とは、
大きな火災が起きたとき火災と同時に発生する竜巻のような空気の渦のことです。
炎や高温の空気を含んでおり、移動しながら被害を拡大させます。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1642-1】「エデュテインメント」にアンテナを貼る

【1642-2】興味にもった知識について、入門書を読んでみる

【1642-3】自然科学の本を読む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】声に出して読みたい理系用語
【著者名】信定邦洋
出版社KADOKAWA
【出版日】2020/3/14
オススメ度★★★☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養勉強法サイエンス
【頁 数】192ページ
【目 次】
第1章 話題を独占! 人に話すと盛り上がる用語21
第2章 まるで映画のタイトル! 美しい響きの用語19
第3章 聞いたことはあるのに意外と説明できない用語17
第4章 マニアック! 説明できたらカッコいい用語23

 

この本が、あなたを変える!

声に出して読みたい理系用語
信定邦洋 KADOKAWA 2020-3-14
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信定邦洋さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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