【書評:1659冊目】段落論(石黒圭)

【段落を極めるほど、わかりやすさが増す!】
日本語学者・石黒圭氏が、『段落論』と題して、段落という”箱”を使いこなすことで文章のわかりやすさは増すと提起し、段落の仕組みと段落づくりのコツを指南する一冊。

■書籍の紹介文

文章における段落。
どこまで意識していますか?

 

本書は、わかりやすい文章は段落がしっかりと構成されていると提起し、文章作成力が飛躍的に向上する、段落の仕組みと段落づくりのコツを指南する一冊。

 

文章を読むときも、文章を書くときも。
わたし達は、ほとんど意識することなく段落に接しています。

 

そして、知らず知らずに段落の影響を受けているのです。
このことをよく理解させてくれる一冊です。

 

文章が人間の思考の軌跡である以上、段落相当のまとまりは必要だと著者は言います。
「人間にとっての段落とは何か?」という哲学的な雰囲気もあり、読みごたえのある内容です。

 

おもしろいのは、ネット(語)の浸透が段落に与える影響を考察している箇所。
段落の意味が崩れる危機感と、変化が起こす未来への可能性をうまく融合して描き出しており、知的好奇心を刺激されます。

 

段落と段落がうまく繋がっている。
段落の中の文章がきちんと整っている。

 

こう感じられたとき、「読みやすい」「わかりやすい」とわたし達はおもいます。
これは、文章を書くときも、文章を読むときも、どちらでも当てはまります。

 

つまり、段落をしっかり構成できるほど、文章力(読解力や会話力も)は向上するのです。
絶えず接しているのに深く向き合っていない段落を理解する、またとない機会となる書籍です。

 

段落を極めるほど、わかりやすさは増す。
情報伝達の効率が高まる”段落の本質”を身につけましょう。

 

◆段落を考える。

段落論
石黒圭 光文社 2020-2-18
売上ランキング(公開時):8,172
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■【要約】15個の抜粋ポイント

段落は文と文章とのあいだの中間的単位であり、文を入れておく箱のようなものだと考えることができます。

 

中心文に基づいて段落を構成するという意識を持つことは、書き手が自分の伝えたいメッセージをはっきりさせるためにも、読み手に文章の内容を確実にわかってもらうためにも、重要なことだと考えます。

 

段落の開始部や終了部に来やすい文の特徴を知っていると、読むときに段落の切れ目を意識でき、文章の流れをより正確に追えるようになるだけでなく、書くときに明晰な論理性を備えた段落構成を示せるようになるという利点があります。

 

段落という単位に区切って話題ごとに文章を理解することで、文章のアウトラインが見えてきます。

 

文をしまっておくフォルダとして段落を考えると、便利なことが二つあります。
一つは、段落というフォルダに文をしまっておくことで、ふだんは忘れたことにしておきながら、必要なときには開いて参照できる引き出しがわりになることです。
もう一つは、文をしまっておいたフォルダを上位のフォルダに入れ、その上位のフォルダどうしをさらにその上位のフォルダに入れるという具合に、階層フォルダを作れるという点です。

 

段落は一義的には改行一字下げで表される構造体であり、これを形式段落と呼びます。
改行一字下げという形式を持っているからです。
これにたいし、意味段落は内容上のまとまりであり、改行一字下げという形式を持っていません。

 

ネタは小出しに、ネタバレは極力避けるという書き方をした結果、段落が本来備えていた論理性が失われていくことになります。

 

LINEのふきだしは、未来の段落の一つの形を暗示しているのかもしれません。

 

現代では、細切れの段落からなる文章が増えてきています。
細切れの段落は一文一文の内容が取りやすくなる半面、文章の流れが取りにくくなります。
そこで、こうした文章を読むさいには、文段というより大きな内容のまとまりを意識して、小さな段落を複合して話題を追っていくと、内容がより記憶に残りやすくなるでしょう。

 

段落は、先頭の小主題文によって示された枠のなかを、支持文が埋めることによってできる箱です。
小主題文の内容を深めるのには、大きく分けて、次の五つの方法があります。
(1)説明
(2)例示
(3)理由
(4)経緯
(5)場面

 

小見出しを視覚化すると、書き手が文章のアウトラインを確認するときに確実ですし、読み手が文章のアウトラインを追いやすくもなるでしょう。

 

私たちが話を構造化しながら聞きづけられるのは、今聞いている数文から構成される基本話段を一つの単位とし、それを頭のなかに仮想した階層フォルダの適切な位置に収めて整理しながら聞いているからなのです。

 

段落は、文章のなかで改行一字下げによって無理やり作り出される構造ではなく、文章でも談話でも、人間が自らの思考を紡ぎながらコミュニケーションを行うとき、自然に生みだされていく構造なのです。

 

まとまった内容の数文を箱に入れて並べるという段落の基本的な考え方は変わりません。
段落というまとまりは、人間の理解・思考・表現と切っても切り離せない深い関わりをもっているからです。

 

人間が人間であるかぎり、段落の本質は変わりません。
人間が考える存在であり、文章が人間の思考の軌跡である以上、つねに段落相当のまとまりは必要になります。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1659-1】中心文に基づいて段落を構成するという意識を持つ

【1659-2】小さな段落を複合して話題を追うように読書する

【1659-3】段落を意識して読み書きする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】段落論
【著者名】石黒圭著者情報
出版社光文社
【出版日】2020/2/18
オススメ度★★★☆☆
こんな時に書く力を身につけたいときに
キーワード文章力思考読書術
【頁 数】264ページ
【目 次】
第1部 段落の原理
第2部 段落の種類
第3部 段落とコミュニケーション

 

この本が、あなたを変える!

段落論
石黒圭 光文社 2020-2-18
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石黒圭さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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