【書評:1604冊目】若い読者に贈る美しい生物学講義(更科功)

【生物学ってこんなにおもしろかった!】
生物学者・更科功氏が、『若い読者に贈る美しい生物学講義』と題して、「生物とは何か」「がんは進化するから厄介」など、生物学の知見をユーモアたっぷりに解説する一冊。

■書籍の紹介文

よくいわれる「アルコールの一気飲みは危険」。
なぜ危険なのか説明できますか?

 

本書は、「がんは進化するから厄介」「人類の歩き方は奇跡だが大きな欠点がある」など、生物学に溢れる可能性と魅力を、ユーモアたっぷりに解説する一冊。

 

「アルコールの一気飲みは危険」な理由。
第18章を読んで、二度と一気飲みをしたりさせたりしないと、わたしは決心しました。。

 

ほかにも、
・生物とはなんなのか?
・樹木の樹齢何千年は本当なのか?
・なんで人間だけが直立二足歩行なのか?
・花粉症はなぜ起きる?
・iPS細胞はなにがすごいのか?
・不老不死は生物学的に可能なのか?
といったテーマを掘り下げながら、生物学のおもしろさや魅力を語っていきます。

 

19章、300ページを超える力作。
ですが、最初から最後までノンストップで読んでしまいました(おもしろくて!)。

 

合わせて、「生物の多様性の保護」はなぜ重要なのかなど。
こうした社会問題に対する教養も高めることができます。

 

わたし達は、ヒトという地球上に棲む動物です。
その成り立ちを理解し、地球の生態系に興味をもつことは、人間的な深みにつながるとおもいます。

 

自己啓発的な「生きる」ではなく、生物学的な「生きる」を学び考える。
ときにこうした時間を持つことで、思考のバランスが整うように感じます。

 

◆10〜14章が特におもしろかった!

若い読者に贈る美しい生物学講義
更科功 ダイヤモンド社 2019-11-28
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■【要約】15個の抜粋ポイント

多くの生物学者が認めている生物の定義とは、以下の三つの条件を満たすものである。
(一)外界と膜で仕切られている。
(二)代謝(物質やエネルギーの流れ)を行う。
(三)自分の複製を作る。

 

生物の体には、いつも物質が流れ込み、そして流れ出ていく。

 

すべての生物はDNAを持っている。
そして、DNA上のいくつかの遺伝子は、すべての生物が持っている。
それは、すべての生物の共通祖先が、その遺伝子を持っていたからだ。
したがって、その遺伝子は、すべての生物で相同だと考えられる。
そういう遺伝子を使えば、すべての生物の系統関係を推測することができる。

 

樹木は長生きといっても、生きている部分は幹の外側にどんどん移動していく。
同じ部分が生き続けているわけではないのだ。
そのため、何千年も生きているブリスルコーンパインでも、細胞の寿命はせいぜい三十年程度らしい。
そう考えると、植物が長生きなのかどうか、わからなくなってくる。

 

進化は進歩ではない。
裸子植物よりも時代的には後で現れた被子植物の方が、優れているわけではない。
それぞれに得意な環境もあれば、苦手な環境もあるのである。

 

私たちヒトは動物である。
私たち自身が動物なので、動物はもっとも身近な生物である。
そんな動物の特徴の一つは、前と後ろがあることだ。
植物には前とか後ろとかいうものはないけれど、犬や魚を見れば、どちらが前でどちらが後ろか、すぐわかる。

 

ヒトは多くの動物に対して、強烈な劣等感を持っている。
それは、走るのが遅いからだ。
直立二足歩行の最大の欠点は、走るのが遅いことなのだ。
これは、自然界で生きていくには致命的な欠点だ。

 

人類の犬歯が小さくなったのは、犬歯を使わなくなったからだ。
犬歯はおもに仲間同士の争いに使われていたのだから、人類は仲間同士でほとんど殺し合いをしなくなったのだろう。
つまり、人類は平和な生物なのだ。

 

どんな生物でも、一人で生きていくことはできない。
生物は必ず生態系の中で生きている。
だから生物にとっては、生態系が崩壊せずに安定して存在し続けることが大切だ。
そのためには、いろいろな種類の生物がいた方がよい。

 

いろいろと考えてみると、客観的に優れた生物というものは、いないことがわかる。
陸上生活に優れた生物は、水中生活に劣った生物だ。
走るのに優れた生物は、力に劣った生物だ。
チーターのように速く走るためには、ライオンのような力強さは諦めなくてはならないのだ。

 

遺伝子という言葉には明確な定義がない。

 

まだ結論が下せない問題については、もどかしさを我慢することも大切だろう。

 

なかなかがん細胞が絶滅しないのは、がん細胞が進化するからだ。

 

食べ物を食べながらアルコールをゆっくり飲むのは、階段を下りるようなものだ。
そして、空腹のときに一気に飲むのは、飛び降りるようなものだ。
一気飲みをして死んでしまった人もたくさんいるのだから、飛び降りることにたとえるのは、少しも大げさなことではない。

 

iPS細胞は夢のような細胞だ。
それでは、不老不死の夢を託すことはできるのだろうか。
ひょっとしたら体については、古くなった器官を新しい器官に置き換えたりして、不老不死が実現できるかもしれない。
でも、問題は脳だ。
古くなった脳を新しい脳に取り換えたら、別の意識に支配された別の人間になってしまう。
これでは意味がない。
人間が望む不老不死というのは、体の無限の連続性ではなく、意識の無限の連続性だからだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1604-1】完璧は存在しないと意識する

【1604-2】結論が下せない問題に、安易に答えを当てはめない。

【1604-3】空腹の状態でアルコールを摂取しない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】若い読者に贈る美しい生物学講義
【著者名】更科功
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2019/11/28
オススメ度★★★★☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養サイエンス考える
【頁 数】328ページ
【目 次】
第1章 レオナルド・ダ・ヴィンチの生きている地球
第2章 イカの足は10本か?
第3章 生物を包むもの
第4章 生物は流れている
第5章 生物のシンギュラリティ
第6章 生物か無生物か
第7章 さまざまな生物
第8章 動く植物
第9章 植物は光を求めて高くなる
第10章 動物には前と後ろがある
第11章 大きな欠点のある人類の歩き方
第12章 人類は平和な生物
第13章 減少する生物多様性
第14章 進化と進歩
第15章 遺伝のしくみ
第16章 花粉症はなぜ起きる
第17章 がんは進化する
第18章 一気飲みしてはいけない
第19章 不老不死とiPS細胞

 

この本が、あなたを変える!

若い読者に贈る美しい生物学講義
更科功 ダイヤモンド社 2019-11-28
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更科功さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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