【書評:1557冊目】未来の大国(浜田和幸)

【今の大国が、昔から大国だったわけではない】
国際政治経済学者・浜田和幸氏が、『未来の大国』と題して、米中は覇権争いで”弱点”が顕在化すると提起し、新たにその地位を狙う国々と日本の戦略を考察する一冊。

■書籍の紹介文

アメリカと中国。
どんな弱点を抱えているとおもいますか?

 

本書は、米中の覇権争いの隙をつくような形で新興勢力が台頭していると提起し、世界の勢力地図を塗り替えようとする新興戦力の戦略と日本の向き合い方を考察する一冊。

 

「未来の大国」の可能性を秘めている国はつぎのとおりです。
①北朝鮮
②ベトナム
③インドネシア
④イスラエル
⑤イラン
⑥オマーン
⑦アフリカ連合

 

この7つの勢力をパッと見ると、「えっ?」と疑念を抱く人が多いとおもいます。
特に、「北朝鮮」「イラン」と見ると、明るい未来よりも暗黒の未来を想像してしまいます。

 

ですが、そうしたバイアス(色眼鏡)を取り払って客観的に実情をみていくと・・・。
ものすごいポテシャルを秘めていることが、あきらかになっていきます。

 

◎アメリカと中国が抱える深刻な”弱点”
◎EU、ロシア、インドの老獪な戦略
◎7つの「未来の大国」候補の潜在能力
◎7つの「未来の大国」候補のしたたかな戦略
◎日本の問題点と残された選択肢

 

このように、世界の潮流がどんな動きを見せているのかを知ることができます。
その”うごめき”を理解しつつ、日本はどうあるべきか、自分はどう生きていくべきかを考える。

 

そのために、有用な一冊だと感じます。
歴史は常に動いており、時代によって覇権国も移り変わってきました。

 

今の覇権国はアメリカであり、中国が先頭でその地位にチャレンジしています。
しかし、この構図が今後も続く保証はどこにもありません。

 

面従腹背の姿勢で、それぞれの国家が虎視眈々と自国の隆盛を狙っています。
果たして、日本の国家は、政治家は、社会は、その心意気を失っていないか。

 

目の前の生活が大切ですが、それは世界の大きな流れの結果に起きています。
それを忘れないためにも、本書のような本を読んで視野を広げておきましょう。

 

◆世界の勢力図は、今日も変わる。

未来の大国
浜田和幸 祥伝社 2019-9-28
売上ランキング(公開時):29,879
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■【要約】15個の抜粋ポイント

各国や各都市、各企業、各個人が持っている力を、どれだけ効果的に組み合わせることができるか、またそれぞれはどうすれば最大限に力を発揮できるかーーーそんな発想で国際関係を捉えていく時代だと私は考えている。

 

●「未来の大国」であるための五本柱
・暮らしている人たちの満足度が高い
・多様性に寛容で、新しい発想や技術が生まれやすい
・新しい技術を受け入れて、安全に運用、柔軟に使いこなすことができる
・世界の人々が「あんな国になりたい」と思えるような普遍的な価値観を提示している
・「豊かさ」を実現するための資源(地下資源に限らず人的資源・観光資源なども)がある

 

アメリカの経済制裁を受けて、北朝鮮はドルでの決済ができない。
同じ問題はイランも抱えている。
こうした国々にとって暗号通貨は、ドルに依存しない決済通貨になるから、その基盤となるブロックチェーン技術の開発に死にものぐるいで力を注ぐことになる。

 

地下資源とブロックチェーン技術という、未だ全貌の見えない力を持った北朝鮮は、未来の大国たる資格がある。
そんな潜在力の高い国を、いかにしてこちら側の”手のひら”に乗せて操るかも考えたほうがいい。
その際、日本が持っている「対北朝鮮カード」を、もっと研ぎ澄ます必要があるだろう。

 

2018年、ベトナムの新規株式上場(IPO)による資金調達額が、なんとシンガポールを抜いてアジアナンバーワンとなった。
これは私がいちばん着目し、重視している点である。
まさしく「未来の大国」としての条件を、十分備えている。

 

インドネシアは日本人が想像するよりも、ずっと大きな潜在力を持っている。
ASEANの事務局はジャカルタに置かれており、ASEAN諸国の中でも周囲を引き込む力が強いのだ。
また、東西冷戦時には両陣営に与しない非同盟運動の中心を担ってきたという歴史的経緯もあり、存在感は大きい。

 

イスラエルの強みは、「ゼロから一を産む」という発想にある。
何もない、草木も生えない砂漠で水を確保し、緑を植え、頭脳を育てる。
日本はゼロから一を産むのは不得手だが、一から一〇にするのは巧みで得意技だ。
その意味では、日本とイスラエルは補完関係にあると言えよう。
「ものづくり大国」と呼ばれてきた日本にとって、「イノベーション大国」を目指すイスラエルと手を結ぶことはきわめて重要である。

 

イランは中東の安定のためには欠かせない存在だ。
歴史的な文化の力、宗教の力を糾合して、中東で大きな求心力があることは間違いない。
国土、人口の存在感とともに、歴史的な力がやはり大きい。

 

今まで世界の石油、天然ガスの産出や流通は、ずっとサウジアラビアとイランが中心だったのだが、これをオマーンは、中国をバックに大きく変えることを狙っている。

 

日本はODA外交で積み重ねた実績があり、アフリカの人たちからの信頼度は高い。

 

サウジアラビア政府は、シリコン電池を新たな成長産業の柱として、一二年間で五〇〇〇億ドル(約五三兆円)の資金を投入するという。
まずは世界初のシリコン電池による自動車レースを開催する予定だ。
石油に代わるエネルギーとして、新しい時代を切り開こうと計画しているのである。

 

アメリカは非常に厳しい状況に追い込まれている。
軍事力で圧倒できず、ドル支配は終焉、教育は荒廃。
財政もほとんど国家破綻状態に近い。
そして内部分裂である。
そんな現況を抱えながら、中国と、ロシアと、EUと、そしてインドと向き合って(張り合って)いるのである。
すでに限界に近づいていることを、私たちは冷静に判断しておく必要がある。

 

インドは各国の思惑や戦略的な意味合いをよく理解し、自らを売り込むしたたかさと賢さを併せ持つ。
こうした懐の深さは、やはり大国の風格がある。

 

日本は、一般の中国国民がいかに環境問題や健康問題で悩んでいるのか、水問題で困っているのかを知り、こうした人たちに対して直接的に「解決策が日本にある。手を差し伸べたい」とアピールしていくことを考える必要がある。
民衆からの圧力には中国政府も耳を貸さざるをえなくなるからだ。

 

未来は臨機応変に「選べる」時代になるだろう。
超大国はゼロとなる一方で、個人の可能性は一〇〇にも拡大した。
今、私たちが立っているのはそういう時代の入口なのである。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1557-1】本書に出てくる国の歴史を学ぶ

【1557-2】本書に出てくる国のニュースにアンテナを張る

【1557-3】本書に出てくる国への旅行を目標にする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】未来の大国
【著者名】浜田和幸著者情報
出版社祥伝社
【出版日】2019/9/28
オススメ度★★☆☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養グローバル社会
【頁 数】256ページ
【目 次】
序章 「未来の大国」とは何か
1章 これが「未来の大国」だ
2章 世界覇権と「現在の大国」
3章 日本の潜在力
終章 超国家の時代

 

この本が、あなたを変える!

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浜田和幸さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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