【最小の投資で、最大の成果を!】
マネジメントのプロ・中尾隆一郎氏が、『逆算思考』と題して、生産性の高い人が実践している3つの考え方をとおして、最速で課題を解決するための実践的な方法を解説する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
今日も頑張った仕事。
重要な仕事にどれだけ時間を割きましたか?
本書は、生産性の高い人が実践している”3つの考え方”をとおして、最小の投資で最大の成果を得るための実践的な方法を解説する一冊。
1日の労働時間のうち、重要な仕事に割いた時間が75%以下。
この場合は、そもそも仕事の中身を見直すべきだと著者は指摘します。
いかがでしょうか。
ここ数日の仕事をふりかえって計算してみてください。
お分かりの通り、生産性の高い人は、このパーセンテージが高いのです。
それを支えているのが、”3つの考え方”です。
”3つの考え方”とは、
①ゴールから逆算する
②重要な仕事に絞る
③広げて、閉じる
この3つになります。
本書では、章に区切って、それぞれの考え方を解説していきます。
そして、最後の5章で、複数の活用事例を用意して使い方を示しています。
ただ、一気に学び取ろうとすると、消化不全を起こすかもしれません。
本の中の内容と合わせて、PMBOKや制約条件理論など、学ぶ範囲も広範囲になるからです。
そのなかで、すぐに実践できて大切な部分だと感じる点が1つ。
それは、『仕事の重要性を意識しながら仕事をする』という意識を持つことです。
時間・お金などを、どれだけ重要なポイントに投資(Investment)できるか。
それによって、得られる成果(Return)が変わってくるのです。
つまり、生産性の指標となる「ROI」を、個人の活動でも活用するということです。
この意識をもって、日々活動しふり返るだけでも、生産性は変わってくるでしょう。
ゴールから逆算し、絞り、広げて閉じる。
くり返すごとに、成果に向かって加速していくのです。
◆重要なことに、時間を使う。
逆算思考
中尾隆一郎 秀和システム 2019-6-19
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■【要約】15個の抜粋ポイント
まず事前準備として、あなた自身のスケジューラーを用意してください。
そこに会議や商談などに加えて、仕事やタスクの内容などを書き込みます。
次に、スケジューラーの会議や仕事内容を次の3つの分類し、書き込んでいきます。
①主要業務
②周辺業務
③手持ち業務
そして、①②③の合計時間と割合を計算します。
(略)
平均すると、①の主要業務が75%以下の人は、そもそも仕事の中身を見直す必要があります。
ROIを常に意識して、仕事や自分の生活を過ごす人こそ公私とも満足度が高く、幸せな時間を過ごせると思います。
そのためにも、まず今やっている仕事が重要なのかを毎日、毎週、毎月チェックしてみましょう。
逆算思考のおおまかな流れは、次のようになります。
【1】そもそも解くべき課題なのかを考え、取捨選択する
【2】ゴールを明確化する
【3】ゴールから逆算して考える
【4】関係者と全体像・タスクを共有する
【5】実行する
【6】振り返る
「問題」は現在のことで、「課題」は未来に起こるであろうギャップだと使い分けています。
論点を因数分解する時には、できるだけ広げることを意識しましょう。
広げるとは、ヌケやモレがない状態にすることです。
ここでヌケやモレがあると、後工程で手戻りが発生します。
この段階できちんと広げて、適切な解くべき課題を選択することが重要です。
最もROIの高い論点に集中して、仮説立案と作業を行えば良いことになります。
これは極めて分かりやすいシンプルな考え方ですね。
仮説を「論点との関係」から説明すると、「論点」という問いに対する、現時点での確からしい「答え」と言うことです。
プロジェクトマネジメントについての基礎的な知識であるPMBOK(ピムボック)と応用的な知識である制約条件理論を知り、実行できることが求められるのです。
悪い情報が上がってこないのを防ぐツールがあります。
それがYMC(弱みを・見せあう・カフェ)と呼んでいる方法です。
やることは簡単です。
毎週、組織で3つの情報を共有します。
「悪い兆し」「良い兆し」そして「トピックス」です。
ぜひ選択肢を「広げる」ステップでは、制約条件を外して考える習慣をつけましょう。
その際に今からお伝えする選択肢を広げる28の観点を活用すると良いでしょう。
●選択肢を広げる28の観点(抜粋)
(1)品質を無視する
(2)コストを無視する
(3)納期を無視する
(7)顧客の顧客の立場で
(9)生活者の立場で
(16)オズボーンのチェックリスト
(17)イノベーションの5つの視点
(22)海外の先進事例から学ぶ
(24)SNSに投げてみる
(26)常識を疑う
(27)本を読んだらメモしておく
余談ですが、私は古典(で現在まで生き残っている)ビジネス書を活用します。
物事の判断基準にしている「制約条件理論」のエリヤフ・ゴールドラット、
経営の判断をする際に参考にしているピーター・ドラッカー、
マーケティングのグルであるフィリップ・コトラーなど、
時代を超えて価値を提供されている方々がいます。
TM法では、4つの思考法を学ぶことができます。
まず1つ目は、状況分析(Situation Analysis:SA)です。
そもそも自分が何をしないといけないのか整理するスキルです。
そして何をしないといけないかは、次の3つに分類されます。
・複数案の中から1つの最適案を選択する決定分析(Decision Analysis:DA)
・最適案の実行前にリスクを把握し、対策を考えるリスク分析(Risk Analysis:RA)
・最適案を実行した後に、その結果を振り返る原因分析(Cause Analysis:CA)
この4つのスキルを組織の共通言語にできると、コミュニケーションレベルが高まり、組織の生産性も格段に向上します。
そもそも、解決策(方法)は、その目的と状況によって変化します。
事例をそのまま利用してもうまく行かないことがあるのは、これが理由です。
大事なのは制約条件理論の考え方を知って、実践することなのです。
「状況」と「目的」が異なると「方法」は変わるのです。
これを方法の原理といいます。
「状況」が異なる、あるいは「目的」が異なるのに、同じ方法を選択してはいけないのです。
ぜひ、覚えておいてください。
■【実践】3個の行動ポイント
【1471-1】ROIを意識して、仕事や生活をチェックする
【1471-2】「制約条件理論」を学習する
【1471-3】「状況と目的が異なると方法は変わる」ことを認識しておく
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】逆算思考
【著者名】中尾隆一郎 ・ 著者情報
【出版社】秀和システム
【出版日】2019/6/19
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】明日の仕事力を磨きたいときに
【キーワード】決断、問題解決、組織改革
【頁 数】318ページ
【目 次】
第1章 まずはゴールを考える
第2章 論点を明確にする
第3章 仮説を検証してアクションにつなげる
第4章 生産性を高めるプロセスの広げ方・閉じ方
第5章 様々な事例から学ぶ
この本が、あなたを変える!
逆算思考
中尾隆一郎 秀和システム 2019-6-19
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中尾隆一郎さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/
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2019年 7月 15日
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