【連載コラム:「決める」読書】
書評ブロガー・米山智裕が、その読書習慣を身につけるまでに実践してきた読書術を紹介するコラム。今回は、「読書をはじめる前にやっている3つのこと」と題し、読書のコツを紹介。
■読書をはじめる前にやっている3つのこと
【1】何を得たいのか目的を明確にする
【2】読書に割ける時間を明確にする
【3】時間内に目的を得る方法を考える
■本日のまとめ
言うまでもなく、時間は有限です。
1日24時間、やるべきことはとても多いです。
多忙な日常において、読書の時間を設けるのは簡単ではありません。
たとえ時間を設けられたとしても、それは微々たるもののはずです。
読書が習慣になっていない人は、この段階で断念してしまうことが多いように感じます。
なぜなら、「こんな時間じゃとても読み終わらない」と思ってしまうからです。
なんとなく把握している自分の読むスピードに対して、目の前の本のページ数と読書に割ける時間の計算が合わないと、頭の中で計算してしまうからです。
ただでさえ忙しいのに、読み終わる見込みがたたない読書。
あなたは、それでも読書をしようと思いますか?
わたしも、ここに悩まされました。
この状態を脱するために、わたしが考えたのが『何を得たいのか目的を明確にする』という方法です。
どういうことか説明していきます。
ここで1つ質問です。
『200ページの本には、なにが書かれていると思いますか?』
目次?まえがき?著者の自慢(笑)?・・・いろいろと浮かんだと思います。
もちろん、ふざけているわけではありません。
もう1つだけ質問します。
『200ページの本から、あなたが得たいことはなんですか?』
ここを整理することが、『何を得たいのか目的を明確にする』ということの意味です。
これができると、あなたの読むべきページ数はグッと少なくなります。
あとは、目的が得られる箇所はどこかな?だけを意識して読むだけです。
これをくり返すことで、集中して読むところと流して読むところが、自然とわかっていきます。
そして、徐々に一冊を読む時間が短くなっていきます。
結果、読書に割ける時間がないというマイナスのインセンティブは薄れていくのです。
【1】の冒頭でも述べたとおり、時間は有限です。
その中で読書に割ける時間は、限られます。
この項でも、はじめに1つ質問です。
『1日あたり、読書に割ける時間はどれくらいでしょうか?』
ザックリでいいので、見積もってみてください。
30分、頑張って…1時間かな?
そんな答えが多いのではないかと思います。
そして、おそらくは「合計」でその時間を見積もられたと思います。
30分、1時間という時間を、ひと固まりとして読書に割けると見積もった方は少ないはずです。
朝10分、昼10分、夜10分、合計30分。
こんなイメージで見積もった方もいるかもしれません。
ここで約束していただきたい、重要なことが2点あります。
(1)読書に割けると見積もった時間を大切にしてください
(2)見積もった時間を読書にあてると決めてください
しかし、約束をいただけても、実際に継続して取り組まれる方は少数です。
わたしが関わってきた本好きといわれる方でも、10人に1人いるかいないかでした。
なぜだと思いますか?
前回の【1】とも似ていますが、みなさんこう思ってしまうのです。
「30分や1時間で、200ページの本が読み終わるわけがない」と。
ドキッとしましたか?
残念ながら、読書習慣が身につかない方はこのような認識から”負のスパイラル”に陥ってしまいます。
どのような負のスパイラルかはつぎのとおりです。
◎短時間で読み終わらない
↓
◎日をまたいで次を読んでも、昨日読んだ箇所を覚えていない
↓
◎だから、読書に時間を割くのは無駄だ。
ここまで直接的でないにしても、こういう負の思考回路ができあがってしまうのです。
そのまま進行すると、読んでいない本で本棚が占領される”積ん読”状態という症状になって現れます。
読書は大切であるということを、みなさん理解しています。
だから、思い立った時に「よし、読むぞ!」と本を買います。
ところが、いざ読みはじめようとすると、上記の負のスパイラルに陥ります。
結果、「今度の休みに…」「仕事が暇になったら…」とズルズルと本から遠ざかり、本棚に新品同然の本が並びます。
まさに、書店の陳列棚が自宅にお引越ししただけです。
これでは、本を買いに行った時間も、本を買ったお金も無駄になってしまいます。
こうならないためにも、約束を守ってください。
重要ですので、もう一度お伝えします。
今回約束してほしいことは
(1)読書に割けると見積もった時間を大切にしてください
(2)見積もった時間を読書にあてると決めてください
この2点です。
この時間を使って、あなたの読書習慣を構築していくのです。
ひとりの時間をつくって、読書に割ける時間をゆっくりと見積もってみてください。
前項までに、以下のことを述べさせていただきました。
(1)読む前に、その本を読む目的を明確にしましょう
(2)読書に割ける時間を見積もり、その時間を読書にあてると決めましょう
ここまで理解いただけたあなたも、まだ疑問が残っていると思います。
それは、「時間を見積っても、結局読み終わらないのでは?」という疑問です。
この疑問にお答えして、今回のコラムを締めたいと思います。
見積もった時間内に、目的を得るためにはどうやって読めばいいのか。
まずはご自身で「こうすればいいのでは?」など、浮かんだアイデアを書き出してみてください。
その上で、読み進めていただければと思います。
わたしが読書習慣を身につける過程で実践したのは次の2つのステップです。
先にお伝えします。
■時間内に目的を得るための2つの読書準備ステップ
<Step1>目次を読んで全体像を把握する
<Step2>目的を得られそうな箇所を推測する
順を追って、説明していきます。
まずは、『<Step1>目次を読んで全体像を把握する』です。
最短ルートで目的地に着くためには、地図が必須です。
読書においての地図が、目次になります。
出版不況が叫ばれて久しい昨今、著者も出版社も本を売るために必死です。
「この本読んでみよう」とどうすれば読者が思ってくれるか、必死になって考えています。
わたしも、たびたび相談を受けます。
このような状況もあり、目次を地図として活用できる本が非常に増えてきています。
どこに何が書かれているかが、わかりやすくなってきたということです。
これを有効活用させていただき、「どういう流れでこの本は書かれているのか」をきちんと把握しましょう、というのがStep1の趣旨です。
そのため、最初のうちは、目次で全体像が把握できる本を選んで買うことをオススメします。
ここだけの話、古典や大物著者を別にして、目次をみて全体像がイメージしづらい本は、中身も薄い場合が多いです。
目次を読んで、その本の全体像をイメージする。
ぜひ、実践してみてください。
つぎに、『<Step2>目的を得られそうな箇所を推測する』です。
Step1であなたの頭の中には、これから読む本の地図(イメージ)が出来上がっています。
Step2では、その地図上のどこに、自分が得たいことが書かれているか、あたりをつけるという作業になります。
旅行に例えると、イメージしやすいでしょう。
いま旅行で京都にきています。
まずは、地図を購入して京都市内を把握します(Step1)。
そして、自分が行きたかったところ(目的)に地図上にマークします(Step2)。
このようなイメージになります。
読書習慣が身についてくれば、自然とStep1とStep2はまとめてできるようになります。
ですが、最初のうちは、きちんと分けて意識的に行うことをオススメいたします。
いきなり一緒にやってしまうと、地図もあたりも両方とも中途半端になってしまうからです。
これは読書効率を下げて、せっかく割いた時間を無駄にしかねませんので、守ってください。
もし複数個所にマークがついた場合は、次のルールを設けます。
「先頭に近いページ順に読む」というルールです。
現時点では、こうするんだとだけ覚えておいてください。
ここまで行っていただければ、読む前の準備は万全です。
くり返し実践していただければ、「読み終わるわけない!」と思っていたスキマ時間できちんと読むことができるようになっていきます。
また、今回ご紹介した2ステップは、本選びにも役立てていただくことができます。
目次をみてイメージがわけば買う、わかなければ買わないと判断材料になります。
「買って損した…」という機会も減ります
ご参考まで。
■読書をはじめる前にやっている3つのこと
【1】何を得たいのか目的を明確にする
【2】読書に割ける時間を明確にする
【3】時間内に目的を得る方法を考える
■3つの実践ポイント
(1)本を読みはじめる前に、その本から何を得たいのかを書き出す
(2)読書に割ける時間を見積もり、その時間を読書にあてると決める
(3)目次で全体像を把握する癖をつける
ここまでお読みいだきありがとうございました。
多少なりとも、読む前の抵抗感が減らしていただけたのなら、とても嬉しいです。
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