【書評:683冊目】社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門(駒崎弘樹)

【社会問題をビジネスに。】
社会起業家・駒崎弘樹氏が、『社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門』と題して、著者10年の軌跡を紐解きながら、ソーシャルビジネスの仕組みづくりを体系的に解説する一冊。

■書籍の紹介文

あなたが解決してほしいと思う社会問題。
どんな問題を思い浮かべますか?

 

本書は、社会起業家としての10年の歩みを紐解きながら、ソーシャルビジネスを運営していくためのノウハウを体系的に解説する一冊。

 

日本は「課題先進国」と呼ばれています。
少子高齢化など、社会に大きな影響を与える問題が、ほかの国よりも早く顕在するからです。

 

課題がいち早く顕在するときの問題点。
それは、先例がないので、解決策を見出すのに時間がかかってしまうことです。

 

顕在化した問題はどんどん大きくなっていく。
それに対しての解決策はなかなか定まらない。

 

結果、国など行政に対して「機能不全だ!」「問題を先送りしている!」と不満が充満します。
沸々と溜まった不満が、社会全体を閉塞感で包んでしまうのです。

 

この状況に対して、打つ手はないのでしょう。
ここで注目されるのが「ソーシャルビジネス=社会起業」です。

 

社会問題を、ビジネスの力で解決していこうという取り組みです。
本書では、病児保育や待機児童のソーシャルビジネスに10年携わってきた著者の教訓が学べます。

 

社会起業家を目指す人に向けて、仕組みづくりから運営体制・資金調達まで、実践的なノウハウが体系化されて収録されています。
ソーシャルビジネスのリアルな姿を知るのに最適です。

 

そもそも、ビジネスとは”問題・課題”を解決するものです。
ゆえに、社会問題をビジネスにすることは、本来、特別なことではないはずです。

 

ただ、ソーシャルビジネスはまだまだ日の浅い世界。
先例が少ないため、参入への心理ハードルが高いのも事実です。

 

ぜひ、本書を活用してみてください。
あなたが考えるソーシャルビジネスの形がハッキリしてくるとおもいます。

 

あなたが気づいた社会問題。
あなたに解決されるのを待っています。

 

◆社会問題をビジネスに。

社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門
駒崎弘樹 PHP研究所 2015-12-16
売上ランキング(公開時):14,642
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■【要約】15個の抜粋ポイント

日本は「課題先進国」と呼ばれる。
世界の国々に先駆けて、様々な課題に直面している国、という意味だ。
世界でもっとも早いスピードで進んでいる少子高齢化などは、その典型だろう。
そして、この少子高齢化は、じつは、戦後の日本社会において「当たり前」とされていた「行政が何でも解決してくれる」というモデルを破壊しつつある。

 

NPOは、これまで「社会参加っていっても難しいでしょう」と言ってきた人たちにとっての「入り口」となり得るのだ。

 

最初の最初から、崇高で確固とした問題意識なんて、なくてよいと思う。
NPOやソーシャルビジネスをやりたい。
しかしこれぞ、というテーマは見つからない。
でも、このままじゃダメだと思う。
世の中もっとよくなるような気がする。
最初は別にそれでよい。

 

社会問題に対し、「なぜ」を繰り返し、その「構造」を把握すること

 

●マネタイズモデル
①寄付モデル
②受益者労働モデル
③行政事業受託モデル

 

価格とは、そのモノやサービスの品質を伝える「メッセージ」

 

たたき台は重要だ。
なぜなら、具体的なモノがないまま、言葉だけで説明をしても、意味がない。

 

「小さく生んで、大きく育てていく」というのが、NPO/ソーシャルビジネススタートアップの定番パターンである。

 

我々資本に制約のあるソーシャルビジネスのたちあげにおいて、広報活動の大きな武器となってくれるのが「プレスリリース」。
報道関係者などに向けて発表する文書である。
これをきっかけに新聞やテレビで取り上げてもらえれば、世の中に自分たちのサービスを広く知ってもらえる。

 

現場をつくっていく際に目標とすべきは、顧客に「これはぜひ口コミしたい」と思ってもらえる内容やレベルまで高めていくこと。
広告にお金がかけられないソーシャルビジネスにとって、口コミは大きな戦力になるからだ。

 

とくに力を入れたいのが「ノウフー」(Know who)の共有である。
「この問題は、だれに聞けば解決できるか」という情報のことをさしている。

 

人材育成において、やり方を教える「ノウハウ」(Know how)はたしかに大事。
それは、個人のレベルアップにつながる。
しかし、一人が身につけられるものには限界がある。
そんなときに役立つのが、ほかのメンバーのやり方。
「この分野なら、あの人が強いよ」といった情報をメンバー間で共有できれば、一人がすべてを身につけなくても、対応できる範囲が広くなる。
「ノウフー」にはそうした効果がある。

 

もともとの本業を壊さないよう、新規事業を育てていく。
この難しい両立を達成していくことが、多角化には求められる。
ソーシャルビジネスの場合、ビジネスよりも「目の前で困っている人」が見えやすい環境にあるので、自制するには強い気持ちが必要だが、冷静な頭と情熱的な心を両立させ、多角化に臨まなくてはならない。

 

拡大には「他力」を活用する方法がある。
それが「政策化」という手法。
簡単にいえば、自分たちのノウハウをわざと国に「パクらせる」のだ。

 

社会環境が変わり、新たな社会課題が出てきたところで、即座に反応し、新しいモデルケースを世の中に提案し、そしてそれが、いままでにない制度や市場を生み出すことにつながる。
その結果、日本社会全体として新しい世の中に「適応」していく、というループ(繰り返される循環)。
この「ループ」をいかに早く、いかに広範に回していけるか、が問われている。
そして、そのループの鍵を握るのが、NPO/ソーシャルビジネスなのだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【683-1】「なぜ」を繰り返し、問題の「構造」を理解する

【683-2】自分のサービスが口コミされる方法を考える

【683-3】自分のサービスのプレスリリースを作成する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門
【著者名】駒崎弘樹著者情報
出版社PHP研究所
【出版日】2015/12/16
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の起業力を磨きたいときに
キーワード社会働き方情報発信
【頁 数】252ページ
【目 次】
序章 なぜ、いまソーシャルビジネス入門なのか?
第1章 ソーシャルビジネス入門を始める前に考えておくべきこと
第2章 ソーシャルビジネス入門の「仕組みづくり」(事業プラン)をどうするか
第3章 さあ、ソーシャルビジネス入門を始動させよう
第4章 準備は整った。大海へ漕ぎ出そう!
第5章 事業を大きくし、より大きな社会変革を目指す
第6章 「制度化」という社会変革の方法

 

この本が、あなたを変える!

社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門
駒崎弘樹 PHP研究所 2015-12-16
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駒崎弘樹さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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