【次の時代の「豊かさ」を考える】
コミュニティデザイナー・山崎亮氏が、『コミュニティデザインの時代』と題して、今こそ自らの手で人との繋がりを築く必要があると説き、独自のコミュニティ論を指南する一冊。
■書籍の紹介文
地域のコミュニティ。
参加していますか?
本書は、注目を集める「コミュニティデザイン」という、人と人、人と地域を繋げる職業について、第一人者が自らの口で語る一冊。
プロジェクトの実例が豊富に収録されています。
ゆえに、「コミュニティ」「地域貢献」「地域活性化」に興味のある方にとっては、学びの多い内容になっています。
「なぜ、コミュニティに注目が集まるのか」
「つながりをデザインするとはどういうことか」
「どうやって進めればいいのか」
「知りたい」と思う読者の疑問に、きちんと答えています。
いかに、著者が”使命感”を持って取り組んでいるかを感じる、とても誠実な本です。
超高齢化社会、人口減少など、日本社会の未来には厳しい予測がたくさんあります。
しかし、そこに萎縮をしてしまっては、未来を開くことはできません。
予測ができるのであれば、対策を立てることができます。
対策を講じ、次の時代の「豊かさ」を追求することが、社会の務めます。
コミュニティデザインという、「豊かさ」へのアプローチ。
社会の一員として、きちんと理解し、自分の意見を持っておくべきだと感じます。
◆次の時代の「豊かさ」を。
コミュニティデザインの時代
山崎亮 中央公論新社 2012-9-24
売上ランキング(公開時):22,832
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■【要約】15個の抜粋ポイント
日本の総人口は減るし、ハード整備偏重時代は終わる。
まちのことは行政にお任せ、とはいっていられない時代がくる。
となると、公共的な事業に住民の参加が不可欠になる。
21世紀は住民参加の時代だということになる。
現代を生きる人たちにとって、つながりがなさすぎるのは生きにくいが、つながりがありすぎるのも生きにくいのである。
どれくらいの強度であれば快適なつながりなのか。
僕たちはいま、コミュニティデザインという方法を使って「いいあんばいのつながり」がどれくらいの強度なのかを探っているところだ。
自由と安心のバランスを調整しながらコミュニティデザインに取り組んでいるといえよう。
新しく空間をつくることだけでなく、空間とコミュニティの掛け合わせも含めて、周辺地域にどんな価値を波及させることができるのかが模索され始めたというのは興味深い。
人口が減りすぎたことを「過疎」として嘆くばかりでなく、適切に疎らである「適疎」を前提としてまちの将来を考えることが求められる時代になった。
「公」も「共」も「私」が基本となる概念であり、「官」や「行政」という意味ではない。
だから、本来的には「公共事業」というのは「行政事業」ではないはずなのである。
公共的な事業については、行政が担ってもいいし、市民が担ってもいいし、企業が担ってもいい。
自分たちにできることが増え、役割が増え、さらに感謝されることが増えていく。
これは「豊かな人生」につながるのではないか、と考えるようになった。
僕らはもう一度、「経済」や「豊かさ」がどんな要素から成り立っているのか、じっくり考えてみたほうがいい時期にさしかかっている。
ハード整備を前提としない第3のコミュニティデザインは始まったばかりであり、まだその特徴が明確に整理できているわけではないが、まずは各地の現場へと足を運び、多くの人たちの話を聞き、地域に応じた実践を繰り返すなかで、コミュニティデザインの新しい方法論を見つけ出したい。
自分に必要な果実を組み合わせて手に入れることで、その人の人生がより豊かなものになるとすれば、コミュニティデザインに携わる者としてこれほど嬉しいことはない。
普段から人のつながりがあることによって、生活が豊かなものになるし、災害時にもすばやく助け合うことができるようになる。
●コミュニティデザインの4段階
第1段階:ヒアリング
第2段階:ワークショップ
第3段階:チームビルディング
第4段階:活動支援
コミュニティデザインの現場ではファシリテーションが大切になる。
オリジナルのデザインはたくさんの事例から生まれてくる。
無から有を生み出すことはできない。
●「計画された偶然性」を起こすための5つの基本的な考え方
・好奇心
・持続性
・柔軟性
・楽観性
・冒険心
ふるさとはいい場所であって欲しい
■【実践】3個の行動ポイント
【509-1】近所の人と挨拶を交わす
【509-2】地域に参加できるイベントがないか調べる
【509-3】「豊かさ」について思いつくことを書き出す
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】コミュニティデザインの時代
【著者名】山崎亮 ・ 著者情報
【出版社】中央公論新社
【出版日】2012/9/24
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】社会貢献を考えるきっかけに
【キーワード】社会、考える、教養
【頁 数】255ページ
【目 次】
第1章 なぜいま「コミュニティ」なのか
第2章 つながりのデザイン
第3章 人が変わる、地域が変わる
第4章 コミュニティデザインの方法
この本が、あなたを変える!
コミュニティデザインの時代
山崎亮 中央公論新社 2012-9-24
売上ランキング(公開時):22,832
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山崎亮さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)
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