【書評:1860冊目】考えて生きる(成毛眞、ひろゆき)

【勝負は、合理的に考える癖をつけられるかどうか】
論客として耳目を集める成毛眞氏とひろゆき氏が、『考えて生きる』と題して、自分の好奇心を満たすためにも徹底して合理的に考えて生きるべきだと語り合う一冊。

■書籍の紹介文

自分の頭で考えること。
あなたは、大切にしていますか?

 

本書は、現在進行形にして普遍的なテーマを題材にした知的雑談を通して、自分の好奇心を満たすためにも徹底して合理的に考えて生きるべきだと語り合う一冊。

 

自分の頭で考えることは大切である。
こう聞くと、もっともらしく受け止める方が多いとおもいます。

 

しかし、両氏は”否定派”です。
自分の頭で考えてうまくいくのは、頭の良い上位1%の人だと指摘します。

 

そのうえで、頭の良い人が考えたことをそのまま受け止めて使ったほうがいい。
評価の高いちゃんとした本を読んで、それを受け売りするだけでいいと語り合います。

 

「へたの考え休みに似たり」であり、無理に考えることで変な結論を出すのは無意味というわけです。
さらに言えば、変な結論をさも正義のように喧伝してしまっては、目も当てられません。

 

その観点から、一般人の発信する情報(Twitterなど)は情報源にならない。
NHKのドキュメンタリーのような、しっかりお金をかけた情報にはアクセスする価値があると語り合っていきます。

 

こうしてみると、考えて生きるとは、なんでもかんでも自分の頭で考えることではないということ。
まずは、自分で考えるべきことなのか、自分で考えて大丈夫なことなのか、と”判断”することが考えることなのです。

 

考えた上で、「YES」と思えないなら、さっさと代わりに考えてくれる存在にアクセスする。
この姿勢が、「”合理的”に生きなさい」というメッセージにつながるのだとおもいます。

 

じゃあ、「YES」のときって、どんなときなのか。
それは、どうしても自分で考えたいこと、調べたいことであり、要するに、夢中になれる「”好奇心”の対象」です。

 

とするならば、考えて生きるとは、こどものように生きることの大切さに通じるのかもしれません。
好奇心の塊であり、なんで?どうして?どういうこと?と無邪気に突進し、好奇心を満たそうとうするあの姿。

 

好奇心と合理性を併せもつ。
本書の副題には、そういう想いを感じます。

 

しがらみや常識に囚われて、頭でっかちになっている大人達よ。
もっと己の好奇心を満たすために、合理的に生きようよ。

 

好奇心の赴くままに展開される対談からはそんな空気が漂います。
興味のある方はぜひ。

 

◆合理性を武器に、好奇心を満たせ!

考えて生きる
成毛眞、ひろゆき 集英社 2022-5-26
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■【要約】15個の抜粋ポイント

人口減少や空き家の急増、将来的にやって来る建て替えやリフォーム、税制の改正リスク、そして天変地異を考えると恐ろしくて不動産は買えないですよ。(成毛)

 

”東京ブランド”って、思っている以上に評価が高いので、東京一極集中は10年くらいじゃ変わらないかなと。(ひろゆき)
まあ、江戸時代からさかのぼれば東京一極集中は、300年近く続いていますからね。(成毛)

 

核融合は僕もかなり注目していて、30年後のグローバル巨大企業になることは確実だと思います。
水素などの軽い原子核を融合して、ヘリウムといった重い原子核に変えることで非常に大きなエネルギーを発生させる技術ですからね。(成毛)

 

原発関連の事故って、技術的にアウトってより、人間の判断の間違いで起きていることが多い。(ひろゆき)

 

値段が高くて汚染された魚は食わないし、お金がないから牛肉を買うのも難しくなる。
結果として野菜とご飯という伝統的な食事になる。(ひろゆき)

 

そもそも民族や人種にかかわらず、全体の1%は絶対的に優秀なんです。
ロシアには約1億人の人口がいて、その1%は日本人の上位10%よりも優秀ですから。(成毛)
そういえば、グーグルの共同創業者のセルゲイ・ブリンもロシア生まれですからね。ロシアの優秀な1%の人たちをうまく迎えることができれば、日本にもチャンスがあるってことですね。(ひろゆき)

 

今、面白いと思うのは、BS朝日でやっている『町山智浩のアメリカの今を知るTV』ですね。(成毛)

 

NHKのドキュメンタリーが多いですね。
『サイエンスZERO』や『コズミックフロント』『BS世界のドキュメンタリー』とか。
もちろん『NHKスペシャル』も見ていますよ。(成毛)

 

見る価値のある情報は「どれくらいお金がかけられているか」が重要ですし、その点ではAJE(アルジャジーラ)も強いし、NHKも強い。(ひろゆき)

 

僕的には5つの基準を満たしていたら面白い本なんです。
①今後10年以上も影響を与える技術や文化に関する話
②結論に至る経緯と理由に筋が通ってること
③資料から組み立てられていて、個人の感想を書いてるわけではないもの
④一般的な常識とは違う結論や発見があること
⑤読んでいて面白い
(ひろゆき)

 

「自分の頭で考える方法」というテーマは、最終的にはふたりとも”自分の頭で考えずに受け売りをしろ”という結論になりましたね(笑)。(成毛)

 

ほとんどの新技術はキーワードで検索して、見つけ次第、投資しようとしています。(成毛)

 

「失敗を多くした人は、同じ失敗をしないから安全」というふうに考えられるんですけどね。
まあ、日本にはない感覚ですけど。(ひろゆき)

 

昔の栄光にすがって経済大国を目指すよりは、スペインのようなポジショニングのほうが現実的で、実はお得なのかもしれませんね。(ひろゆき)

 

僕の場合も、「好奇心を満たす」っていうのは、生きる目的のひとつなんですよ。
そして、その目的を達成させるためには、合理的に考える必要があるんです。
例えば、大きな地震が起こっても「死ぬかもしれない」という恐怖感よりも、「これは震度いくつくらいだろう?」と考えてしまう。(ひろゆき)

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1860-1】「どれくらいお金がかけられているか」を、情報源とするかの判断軸にする

【1860-2】評価の高い翻訳本を読む

【1860-3】自分で考えることに固執しない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】考えて生きる
【著者名】成毛眞著者情報
【著者名】ひろゆき著者情報
出版社集英社
【出版日】2022/5/26
オススメ度★★★☆☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード生き方思考マインド
【頁 数】192ページ
【目 次】
第1章 10年後、20年後の世界
第2章 情報はどう手に入れるか
第3章 メタバース、仮想通貨、デジタルのこれから

 

この本で、あなたは変わる!

考えて生きる
成毛眞、ひろゆき 集英社 2022-5-26
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成毛眞さん、ひろゆきさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

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