【書評:1818冊目】小説家になって億を稼ごう(松岡圭祐)

【物書きは、こうして、作家になる】
小説家・松岡圭祐氏が、『小説家になって億を稼ごう』と題して、小説家が儲からないというのは嘘だと指摘し、業界の真実を明かしながら、小説家で「富を得る」方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

小説家は儲かります!
この意見について、あなたはどうおもいますか?

 

本書は、書き手が増えて業界が盛り上がってほしいと願いをこめて、小説家は儲かることを示しながら、小説家で「儲けて富を得る」方法を指南する一冊。

 

作家もビジネスのひとつ。
ゆえに、ビジネスに儲けのノウハウがあるように、作家にも儲けのノウハウがある。

 

まさに、このことを体現した書籍。
どのように取り組めば、専業作家となり、儲けることができるかの実務的な方法を学ぶことができます。

 

とくに印象的な部分が、Ⅰ部で明かされる”創作術”です。
『想造』という用語を使って、いかに物語を書き上げるかを具体的に示していきます。

 

もちろん、「難しそう」という感情が最初に湧いてきます。
ですが、なぜか「これならできそうかも」という感情が後追いでじわじわと迫ってきます。

 

そして、読み終わるころには。
「これで自分もベストセラー作家!」という妙な自信まで出てくる不思議なパワーを感じます。

 

だれでも、大なり小なり頭の中でストーリーを妄想したことはあるとおもいます。
ぜひ、それを『想造』によって、あなたにしか書けない唯一無二の作品に仕上げてみてください。

 

いままでの自分では考えられない可能性を感じるはずです。
可能性が広がれば、儲けの選択肢が増えることにつながります。

 

◆想造で、稼げ!

小説家になって億を稼ごう
松岡圭祐 新潮社 2021-3-17
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「趣味で書いていくだけだから」という人も、誰にも言わなくて構いませんので、頭の中で年収一億以上の専業作家となった自分を思い描いてください。
本質的には「書く喜びさえあればいい」という信念は、成功のための重要な心構えとなります。

 

脳内で物語を作りだす方法を、本書では『想造(そうぞう)』と呼ぶことにします。
小説づくりの肝は、執筆ではなく『想造』にあると思ってください。
作業の出発点にして最も重要な段階で、充分に時間をかける必要があります。

 

どう書こうか、本当にかけるだろうかという心配などせず、とにかく脳内で『想造』した物語を完結させましょう。
物語を連日、繰りかえし想起し、ひとり夢中になって楽しめるレベルにしておくことです。
もし思いだすのが苦痛なら、それは物語のつまらなさを意味します。
登場人物の一部を入れ替えたうえで『想造』をやり直しましょう。

 

人それぞれに個性があり、みな特別な存在です。
貴方が『想造』によって紡ぎだした物語は、貴方の性格や経験、知識、嗜好などが結合した、けっして他人には想像しえないものになります。
面白くないはずがありません。

 

編集者に見せるためのプロットについて、小説本編を書き終えてから内容を要約し、別途作ることを推奨します。
すなわち編集者にコンタクトをとるのは、小説の原稿を完成させた後です。

 

原稿執筆にはWordファイルを用いましょう。
現在はどの出版社の編集者もWordを使用しているため、脱稿後にファイルを変換する必要がなく、そのままメールに添付して送れるからです。
Wordの機能「ルビ」なども生かせます。

 

「誤字脱字の発見」のためには、各章の最後の行から前へと目を移していってください。
「物語の流れ」と「文章表現」に気を取られることなく、誤字脱字にのみ注意を向けられます。

 

●プロ小説家とデビューをめざす3つの方法
・編集者への売り込み
・新人賞への応募
・小説投稿サイトの利用

 

校閲は文中の誤りを正すことです。
校正は、ひとつ前の工程と現在の文章を比較し、正しく反映されているかどうかをチェックする作業です。

 

業界の慣わしとして、他社の文芸編集者が小説家を紹介してくれるよう頼んできた時、担当編集者は断らないことになっています。

 

貴方の本が売れた時、編集者が掌返しで低姿勢になったように見えるかもしれません。
しかしそれは階級の上がった貴方に敬意を表しているだけで、編集者が自尊心を失ったわけではありません。
思いあがって醜態をさらさないようにしましょう。

 

あらすじを書き上げた時点で、六つの点に気をつけて読み返しましょう。
「起伏がありすぎる」「起伏がなさすぎる」「展開が速すぎる」「展開が遅すぎる」「終盤の山場が唐突すぎる」「終盤の山場がなかなか盛りあがらない」これら六つのいずれかに当てはまると感じたら、あらすじの脇にそのように書き添えます。
あらすじ自体を書き直してはなりません。

 

長すぎる文章は情景を分かりづらくさせます。

 

年を追うごとに知り合いの編集者が増えてきます。
メールアドレスを間違わないように気をつけてください。

 

『想造』をもとに「貴方」にしか書けない、「貴方」だけの小説を書くことです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1818-1】「自分は年収1億円の作家」とおもいっきり妄想してみる

【1818-2】脳内で物語を『想造』する

【1818-3】『想造』した物語を品質は気にせず書き上げる経験をしてみる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】小説家になって億を稼ごう
【著者名】松岡圭祐著者情報
出版社新潮社
【出版日】2021/3/17
オススメ度★★★★☆
こんな時に書く力を身につけたいときに
キーワード文章力発想力稼ぐ力
【頁 数】256ページ
【目 次】
I部 小説家になろう
II部 億を稼ごう

 

この本が、あなたを変える!

小説家になって億を稼ごう
松岡圭祐 新潮社 2021-3-17
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松岡圭祐さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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