【書評:1688冊目】数学的に考える力をつける本(深沢真太郎)

【数学とは、コトバで本質を掴む学問である】
ビジネス数学教育家・深沢真太郎氏が、『数学的に考える力をつける本』と題して、数字も計算も出てこない、コトバを使って「数学的に考える力」を養う方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

学生時代に学んだ”数学”。
いまの生活に、どのように役立っていますか?

 

本書は、『数学とは、コトバの使い方を学び、本質を掴むための学問である』と提起し、コトバを使って「数学的に考える力」を養う方法を指南する一冊。

 

学生時代の数学を思い返して浮かぶこと。
計算であり、公式や定理であったりするとおもいます。

 

大人になった今、それらはどのように役立っているか。
考えてみると、頭の中に「?」が出てくる人も多いでしょう。

 

計算も公式も、電卓、計算ソフト、Excel関数などが一瞬で正確に行ってくれます。
こう考えてしまうと、役立っていないのでは、と考えてしまいます。

 

しかし、その考え方は数学の一部しか捉えていません。
数学とはもっと大きな学問であり、計算や公式は、数学を構成するひとつの要素でしかないのです。

 

ならば、数学のどの要素に我々は活路を見出せばいいのか。
なんだか「AIに仕事を奪われるかもしれない」という話に似ていますね。

 

本書では、数学を構成する”コトバ”という要素を使うことを提唱します。
コトバを使いこなすことで、「数学的に考える力」が養われると説きます。

 

では、具体的にどんなコトバを使えばいいのか。
それは、論理コトバ(数学コトバ)というものです。

 

例をあげると、
「しかも」
「ゆえに」
「なぜなら」
「一方で」
といったものになります。

 

いわゆる、「接続詞」と同じコトバです。
これらを意識して使うことで、頭の中が整理されて物事の本質に迫っていけるようになるのです。

 

◎なぜ、数学コトバなのか
◎コトバと数学にはどんな関係があるのか
◎どう使うことで「数学的に考える力」は養われるのか
◎数学コトバを身につけた先に何があるのか

 

浮かぶ疑問をひとつ一つ解きながら、数学コトバを伝授していきます。
身につけることで、考える力はもちろん、伝える力も格段に向上することができます。

 

・数学コトバによって、物事の本質に迫っていく”武器”となる考え方ができます。
・数学コトバによって、物事の構造が整理されると、シンプルで短く”伝わる”伝え方ができます。

 

いままで見たことがない、数学の新しい一面。
見るのと見えないのとでは、仕事に人生に大きな違いを生むことでしょう!

 

◆数学とはコトバの学問。

数学的に考える力をつける本
深沢真太郎 三笠書房 2020-6-22
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■【要約】15個の抜粋ポイント

論理コトバを使うことで思考の方向性が定まります。
論理コトバは思考を促してくれるのです。
いままでは使わなかった論理コトバを、最初は無理やりでもいいので使ってみる。
これが、私が提案する「数学の学び直し」です。

 

数学で使うコトバだから数学コトバ。
ここからは、数学を通じて使い方を学ぶことができる論理コトバのことを「数学コトバ」と定義することにします。

 

●数学コトバで変わる3つのこと
・ものごとの構造を把握する能力が飛躍的に高まる
・1%の矛盾もなく論証する技術が身につく
・わかりやすく簡潔な説明ができるようになる

 

条件や制限が加わっても、文章をやたら長くしたり、余計な言葉を使ってはいけません。
方向づけし、そこに短い文章を当てはめていく。
基本テンプレートと最短の文章という原則を徹底すること。
そして実際に口に出して話してみてください。

 

話には「間」があったほうがいい。
誰しもわかっていることです。
しかし、「間」をとれと漠然と言われてもどうしていいかわからないものです。
そこで、ルールをつくりましょう。
・短文にし、話し終えるごとに間をとる
・数学コトバを使ったら間をとる

 

あまり頻繁に数学コトバを使うと、「くどい」「理屈っぽい」印象を与える恐れもあります。
1秒の「間」にして伝えたほうが聞きやすく、わかりやすい伝え方になることも意識しましょう。
ゴールはあくまで「数学的に話す」ことであり、「数学コトバを話す」ことではないのです。

 

たとえばスライドなら、つくった本人がスライドを流し読みして、内容が接続詞でつなげられるかをチェックする。
つなげられる接続詞が見つからない場合は、論理破綻している可能性を疑い、必要であればスライドを修正あるいは追加するそうです。
そして、本人が論理破綻を感じるところは、聞き手も間違いなく論理破綻を感じると語っていました。

 

問題を解決するために、まず問題の前提を構造化するということです。
実は、これが「考える」の第1段階です。

 

「考える」という行為には次の2段階があるのです。
・ものごとの構造を把握する
・矛盾なく論証する

 

構造化とは、次のふたつを明確にすることです。
・どこに何があるか
・それらの関係性は

 

構造化の目的はもちろん数学の問題を解決するためです。
しかし、人生やビジネスにどう活きるのかという視点で言えば、次のリテラシーを高めるために役立つというのが結論です。
・整理する能力
・喩える能力

 

数学には「矛盾を許さない」という絶対的な哲学が存在します。
何かひとつでも論理矛盾があれば、それは「間違い」や「成立しない議論」だと結論づけられます。

 

1%の矛盾もない状態ができたとき、あなたやあなたの周囲は「なるほど」と納得して行動に移せます。

 

【数学コトバを使うことで、あなたの人生は変わる】
自分のすべきことの本質を再定義した
↓かつ
ムダなものも排除してシンプルになった
↓さらに
それに対してあなたは「納得」した
↓ゆえに
あなたは行動を変えられる
↓さらに
行動を変えると人生は変わる
↓ゆえに
あなたは人生を変えられる

 

計算しなくても、数学はできる。
数学とは、美しいものである。
ゆえに、計算しなくても数学の美しさは説明できる。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1688-1】数学コトバを意識して使う

【1688-2】話すときは、短い文章を心掛ける

【1688-3】短文を話し終えたときと数学コトバを使ったときに「1秒の間」を置く

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】数学的に考える力をつける本
【著者名】深沢真太郎著者情報
出版社三笠書房
【出版日】2020/6/22
オススメ度★★★★☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード数学的思考ことばのチカラ話し方
【頁 数】190ページ
【目 次】
1 数学の本質は「アタマを一瞬で整理する」こと
2 できる人は「数学コトバ」で伝えている
3 「考える」とは「構造化」する力である
4 人生を変える「論証力」の磨き方

 

この本が、あなたを変える!

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深沢真太郎さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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