【書評:1657冊目】お金の減らし方(森博嗣)

【お金は増えないのが自然という価値観】
作家・森博嗣氏が、『お金の減らし方』と題して、多くの人は自分のためにお金を使っていないと指摘し、お金に価値があるという勘違いを解きながら、お金の本質を考察する一冊。

■書籍の紹介文

お金が減る。
それは、どんなときですか?

 

本書は、『お金を減らすことは、自分が得をするための行為』だと提起し、多くの人が抱く”お金への勘違い”を解きながら、お金の本質を考察する一冊。

 

お金があるから、欲しいものが買えるのだ。
欲しいものがあるから、お金が稼ぐのだ。

 

あなたの価値観は、前者と後者、どちらでしょうか。
似て非なる2つの価値観について、とことん考え抜くための本です。

 

多くの現代人は、寝ても覚めても、お金に縛られて生きています。
ただの紙切れでしかないのに・・・。

 

そして、縛られているうちに、逃れられない”勘違い”に陥ります。
「お金には価値がある、だから、お金を増やせば幸せになれる」と。

 

自分自身が、”勘違い”に陥っていないか、お金に対する価値が偏っていないか、を確認するのに最適です。
著者の価値観に触れることで、お金について改めて深く考えるきっかけになります。

 

もちろん、著者の価値観が正しいというわけではありません。
そもそも、価値観とは人それぞれ違うものだから、正解はないです。

 

自分で考えて、自らの価値観を定め、それに従って生きていく。
これしか、お金の呪縛から逃れる術はありません。

 

内容のとても濃い良書です。
必ず読むことを強くオススメします。

 

◆お金に価値はない。

お金の減らし方
森博嗣 SBクリエイティブ 2020-4-7
売上ランキング(公開時):1,756
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■【要約】15個の抜粋ポイント

ここで大事なことは、お金というのは、ものの「価値」を仮に数字にしたものであり、それを示す指標でしかない、という点である。
お金がさきにあったわけではない。
それ以前に、世の中にあるもの、つまり、物品や、あるいは作業の結果などに、それぞれの「価値」があった、という点を忘れてはいけない。
その価値を認めなければ、交換することもなかったはずだ。

 

価値を評価するのは、目ではない。
頭だ。
未来のことを想像し、自分がそれによって、どれくらい楽しい思いをするだろう、と考える。
その楽しさの量が、すなわち価値となる。

 

お金は、とても大事なものだし、お金がないとできないことは多いけれど、僕は自分の持っているお金でできることしか考えない。
これは、壁を通り抜けることはできないから、ドアから出ていくしかない、と考えることと同じだ。
自分にできないことは、普通は考えないのではないか。

 

自分には欲しいものがある。
それを手に入れるためにお金が必要だ。
だから、少し我慢して働き、お金を得て、あるいは貯めて、そのうえで、目的が達成される。
これが正しい順番ではないだろうか。
お金があるから、なにか買いたい、というのは本末転倒の極みなのである。

 

僕が大前提としたのは、やはり、「どれくらい必要か」は問題ではなく、大事なことは「どれくらい欲しいか」なのだ、という理屈である。
必要なものの多くは、実は絶対に必要というわけではない。
なにしろ、それを買う今現在、それがなくても過ごせているからだ。

 

お金の増やし方として、さきほど挙げたどの方法よりも有効なのは、実は自分自身の仕事能力を高めることであり、もっとも簡単な言葉でいえば、「勉強」である。

 

仕事の基本は、自分が好きなものを作ることではない。
「良いものを作れば売れる」というのも嘘だと思う。
買い手が欲しいもの、社会が求めているものを、先んじて作るしかない。

 

お金を増やす方法の中で、一番確率的に有利なのは仕事をすることだ。
できるかぎり、若いうちにエネルギィを注ぐこと。
そうすることで、しだいに効率が高まってくる。
ほかのどんな方法よりも、確実にお金を増やすことができるはずだ。
失敗する確率が低いこと、つまり安全なことが、仕事の特徴である。

 

少し賢い人は、自分がしたい未来を想像し、そのために少しだけ回り道をする能力がある。
これが「我慢」と呼ばれる行為である。
一方、そこまで賢くない人は、我慢ができないので、今できる一番やりたいことを常に選択してしまう。
そうすると、お金がなくなったり、犯罪に手を染めたりして、結果的に大損をすることになってしまう可能性が高い。
これは、社会がそういうシステムになっているためだ。

 

やりたい人は、もうやっているはずなのである。
現在やっていない大人は、ほぼやりたくない人だということになる。

 

お金持ちが貪欲だというのは、ある意味では、そのとおりだと思う。
お金に貪欲なのではなく、自分が欲しいもの、自分がしたいことに貪欲なのである。
つまり、これがお金持ちになった原動力だといっても良い。

 

お金があれば、欲しいものが買える、というのは、平和な社会だからこそ、といえるのではないか。

 

目指すものは、最初は曖昧な形でしかない。

 

満足というのは、いわば好奇心を満たすことでもある。
知りたいことを知る。
手に取りたいものに触れる。
新しいことを試してみる。
思い描いたとおりかどうか確かめてみる。
子供はなんでも自分でやりたがる。
それが人間の本来の性質、本来の生き方なのである。

 

欲しいものと、必要なものを、少し整理してみてはいかがだろうか。
もし、自分が欲しいものがわからないという方は、一カ月くらい、スマホの電源を切っておくだけで、少しわかるようになれるだろう。
孤独を感じる時間を、もっと大事にすれば、わかるかもしれない。
そう、まず、お金を使って、孤独を買った方が良いだろう。
孤独を手に入れるために、お金を減らすなんて、なかなか粋ではないか。
そういうものが、本当の美学だといえるかもしれない。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1657-1】「欲しいもの」を整理する

【1657-2】「欲しいもの」を得るために貪欲になる

【1657-3】自分の能力を高めるための「勉強」を続ける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】お金の減らし方
【著者名】森博嗣
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2020/4/7
オススメ度★★★★★
こんな時にお金と賢く付き合いたいときに
キーワード哲学生き方考える
【頁 数】256ページ
【目 次】
第1章 お金とは何か?
第2章 お金を何に使うのか?
第3章 お金を増やす方法
第4章 お金がないからできない?
第5章 欲しいものを買うために
第6章 欲しいものを知るために

 

この本が、あなたを変える!

お金の減らし方
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森博嗣さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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