【書評:1277冊目】amazon 世界最先端の戦略がわかる(成毛眞)

【amazonを通じて、最先端のビジネス戦略を知る】
書評サイト「HONZ」代表・成毛眞氏が、世界最先端の戦略がわかるとし、amazonの戦略を徹底的に解説する一冊。元マイクロソフト社長の分析力に唸る。

■この本の紹介文

Amazon。
あなたは、どれくらい利用していますか?

 

本書は、amazonこそ最新のビジネス感覚を磨く最良の教材だと提起し、amazonで何が起きていて、何をしようとしているのかを徹底的に解説する一冊。

 

ここまで満足度の高い企業分析本はひさしぶりである。
”思考のツボ”を押されているような感覚で、分析本なのになぜかワクワクしてきます。

 

amazonは、無関係では生活できないほど身近な企業です。
にも関わらず、どんな企業か?ということを理解している人はとても少ないでしょう。

 

ニュースでなぜ騒がれるのか。
なぜ、反発する企業が大騒ぎをするのか。
「アレクサ〜」の呼びかけの先になにが起きているのか。
身近なamazonの生態を解剖したのが、本書です。

 

amazonをより詳しく理解し、そのサービスを楽しむも良し。
amazonをより詳しく理解し、そのビジネス感覚を身につけるも良し。
身近だからこそ、amazonを知ることの影響範囲は計り知れません。

 

分厚さがまったく気にならない力作。
これからもamazonと付き合っていくために、押さえておきたい一冊です。

 

◆amazon、まさにすべてをのみこむ大河!

■本がわかる!15の要約ポイント

アマゾンの基本姿勢は、単純だ。
本業をする上で生まれた技術やサービスで横展開できそうなものがあったら、それを育てる。
あるいは、近接する領域の事業があったら、それに乗り出す。
ただアマゾンが特異なのは、そのために多額の投資をし、それぞれを、その業界でトップに立つほどの大事業にしている点だ。

 

顧客にとってはアマゾンから提供されるサービスで不利益を被ることはなにもない。
過剰すぎるほどの「お客様へのサービス」が行き届いているだけだ。

 

もうアマゾンには絶対に勝てないのだろうか。
そんなことはない。
奮闘している企業もある。
共通するのは、アマゾンの逆張りだ。

 

ベゾスが重視し、アマゾンの成長を支えるのが、キャッシュフロー経営だ。
キャッシュフロー経営とは、ひとことでいうと「その会社の現金が、どう調達されて、どう使われたのか」をきちんと把握する経営のことだ。

 

マーケットプレイスの売上の全額が、まずアマゾンに入金され、それが日を置いて返されるのがポイントだ。
この一時の入金を「預かり金」という。
アマゾンのCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)マイナスは、「預かり金マジック」が大きいだろう。

 

現在ではアマゾンにAWSを利用する申し込みをしてから15分程度で数千台のサーバーを利用する体制が整うという。
自前のサーバーを大金をはたき、何年もかけて用意するのが馬鹿馬鹿しくなってくる。

 

AWSで使われているサーバーやルーター、通信を制御する半導体もアマゾンが設計し、製造を外注している。
おそらく、近い将来、コンピューターの頭脳になるCPUの設計開発にも乗り出すだろう。

 

年会費は前払いだ。
アマゾンには、1年前に手元にお金が入ってくる。
キャッシュフロー経営を掲げるベゾスにとってはこの金脈を見逃すわけがない。
米国内だけでも年会費119ドルのプライム会員が8500万人いるとなると、前受金は100億ドル超にもなるのだ。
プライム会員の拡大が、物流センターへの大型投資など機動的な経営の実現に役立っていることがわかるだろう。

 

買うかどうかわからなくても、圧倒的な資金力を盾に、常に検討をしているのがアマゾンだ。
これも、アマゾンが21世紀のローマ帝国といわれる所以のひとつである。

 

アマゾンの売上高に対する配送費の割合は10%を超えており、配送費用を減らすことがアマゾンの課題になっている。

 

単価に比べて提供するサービスが高ければ、こだわりなく外部に委託するし、見合わなければ自前化する。
それがアマゾンだ。

 

アマゾンが現在以上に決済情報を握れば、個人向けの金融ビジネスなどに進出する可能性も出てくる。

 

アマゾンはAWSやマーケットプレイスを収益源にしていることはすでに述べたが、アマゾンゴー(Amazon Go:コンビニ事業)が完成すれば、あらゆる小売りが無人化する契機になるかもしれない。
その上、店内カメラやセンサーを貸してくれるクラウドサービスも登場するかもしれない。

 

ベゾスが求めるのは、協調などするよりは個のアイデアが優先される組織である。
つまり、権力が分散され、さらにいえば組織としてまとまりがない企業が理想だという。
たとえば、AWSを開発している部署はアマゾンゴーには興味がない。
それがいいというのだ。

 

アマゾン最大の強みである物流は、リアルとネットの境目を失くし、国と国の境目すらあいまいにしつつある。
すべてを押さえた時、立ち向かえる企業は存在せず、国家という枠組みでも捉えきれない存在になるだろう。
アマゾンの帝国は国家を超えて、社会を飲み込み、規定する。
だから今、われわれはアマゾンを知らねばならないのだ。

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【1277-1】AmazonPrime会員になり体験する

【1277-2】Amazon関連のニュースに注力する

【1277-3】Amazonが提供しているサービスを調べる

 

■ひと言まとめ

避けられないのなら、徹底的に知ろう。

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】amazon 世界最先端の戦略がわかる
【著者名】成毛眞
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2018/8/9
オススメ度★★★★☆
こんな時にビジネス理論を深めたいときに
キーワードビジネスモデルグローバルアイデア
【頁 数】373ページ
【目 次】
prologue アマゾンがなかったら生活できないかも
01 「品揃えが大量で、安い」を実現する仕組みとは
02 キャッシュがあるから失敗できる
03 アマゾンで一番利益をあげているAWS
04 アマゾンの「プライム会員」とは何なのか
05 アマゾンからM&Aを知る
06 巨大な倉庫と配送力で物流を制す
07 プラットフォームの主になるには
08 アマゾンを底ざさえするのがテクノロジー
09 アマゾンという組織

 

この本が、あなたを変える!

 

成毛眞さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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