【書評:2048冊目】渋谷の八百屋発[食農ビジネス]革命(三浦大輝)

【経験するほどに直感は冴える!】
八百屋「菜根たん」を運営するLiving Roots代表・三浦大輝氏が、『渋谷の八百屋発[食農ビジネス]革命』と題して、食農ビジネスの概要・展望・未来を熱く語る一冊。

■書籍の紹介文

野菜などの生鮮品を購入するとき。
あなたは、どんな基準で品物を選んでいますか?

 

本書は、”現時点”での食農ビジネスモデルを構築するまでの歩みを紐解きながら、ひとりでも多くの人に興味を持ってもらうべく、食農ビジネスの概要・展望・未来を熱く語る一冊。

 

・農産物が生産者から一般消費者に渡るまでの全ての工程に関わる全ての業務
・上記に関連する価値・サービスを提供する全ての業務

 

これが、「食農ビジネス」の範囲です。
つまり、その農産物がわたし達の口に入るまでに携わったすべての人が、食農ビジネス従事者ということになります。

 

なぜ、著者はこの世界に飛び込んだのか。
著者は「食農ビジネス」の世界で何を成し遂げようとしているのか。

 

そのストーリーを語ることで、ひとりでも多くの人に「食農ビジネス」への興味と理解を深めてほしい。
一般消費者がより食を楽しめる世界をつくり、ひいては、一軒でも多くの報われない農家に利益をもたらしたい。

 

そんな想いから書き下ろしたのが本書です。
「食農ビジネス」の概要と著者の会社のビジネスモデル、これからの展望が、バランスよく学べる構成になっています。

 

◎直感を信じて、どんどん現場に飛び込んでいく
◎現場でできた”つながり”を大切に、相手のためにできることを懸命にやる
◎”つながり”を次のつながりにつなげることで、さらに前へと進んでいく

 

このような著者が大切にするマインドは、すべての人に通ずることです。
著者の熱量に触れることで、「翻って自分はどうか?」と内省するのにも役立つことでしょう。

 

食は、まさに命の根幹に関わるものです。
食料安全保障が叫ばれる島国日本に生きる者として、最前線で闘う人が語る概要や展望、課題、未来への展望は理解しておきたいですね。

 

働く上で、いや、生きていくで大切にしたいことが詰まった一冊だと感じます。
さっそく、「菜根たん」へ買い物に行こうとおもいます。

 

◆つながりをつなげていく。

渋谷の八百屋発[食農ビジネス]革命
三浦大輝 扶桑社 2022-3-2
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「食農」という言葉自体は「食&農業」「食用作物に関わる農業」というような意味ですが、人が生きていくうえで営む消費生活のもっとも基本を担う産業であり、各地域の経済活動を支える基幹産業でもあります。
「食農」にまつわるビジネス=「食農ビジネス」には、生産者が農産物を作るところから一般消費者に農産物が渡るまでの行程、つまり「生産」→「流通・加工」→「消費」に関わるすべての業務、加えて、その周辺に生まれる新たな価値・サービスを提供する業務などが含まれます。

 

Living Rootsの「食農ビジネス」におけるキモ(利益を生むポイント)は何かといわれると、それは「地方→消費地間の物流」です。

 

多くが個人事業主である農家さんは、まさに十人十色。
同じ野菜や果物を作っていたとしても、百人百通りのスタイルや価値観があることを、話を聞くほどに思い知らされます。
すべての農家さんに有効なマニュアル的な答えはないので、自分の意識を常にフラットにして目の前の相手に集中することの大切さを学びました。

 

新しい「食農ビジネス」モデルを構築し、報われていない農家さんには利益をもたらし、消費者のみなさんには納得してもらえる安全で美味しい商品を届けるーーLiving Rootsのもっとも重要な仕事は、それを持続するためにはいま何ができるのか、なすべきなのかを考えながら、自分たちの「食農ビジネス」モデルをバージョンアップしていくことなのだと僕は考えています。

 

僕たちが守っていきたいのは、食農ビジネスに関わるすべての人たちの努力や労力が収入というかたちで「報われる」こと、そして安心して生産やそのほかの業務に取り組んでいけることです。

 

日本の農業の未来を「生産者はどうなっていくか」という軸で見ると、大きく”二極化”していくと考えられます。
一.工業的生産(大量生産化)
一.工芸的生産(生産は少量でも高い付加価値のある生産物)

 

人との出会いと新しい発想は、つながっているのです。

 

「この世の中は、人の感情でできている。だから自分で人の嫌がることも全部やりなさい」と言われたことはいまでも忘れません。

 

動けば動いただけ「つながり」が生まれる

 

「Living Roots」という社名には、物質的豊かさばかりが注目されてきた現代に、目には見えない部分に宿るものごとの根本と、そこにある豊かさや価値を見失わずにいきたい、という想いを込めました。

 

●店舗出店を選択した3つの理由
(1)店舗の存在自体に”宣伝効果”があること
(2)外部からの信頼を得られること
(3)規格外品を扱える環境を作れること

 

つながりから会社を立ち上げ、そこでまた生まれる出会いとつながりの連鎖が、僕を前へと進ませてくれるのです。

 

一緒にいい仕事ができる関係を築くには、リアルな対話が必須です。

 

話の中のいちばん面白い部分、交渉相手が興味を持ちそうなところに関しては次回以降にとっておくと、相手は「この人の話をもっと聞いてみたい」「もう一度会いたい」という気持ちになり、また会うことにつながります。

 

いまある出会いへの感謝が、すべての過去への肯定感につながっているのだと思います。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2048-1】多くの場所を訪れ、多くの人に出会う

【2048-2】人の嫌がることを率先して行う心構えを持つ

【2048-3】いまある出会いに感謝する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】渋谷の八百屋発[食農ビジネス]革命
【著者名】三浦大輝著者情報
出版社扶桑社
【出版日】2022/3/2
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の起業力を磨きたいときに
キーワードビジネスモデル社会アイデア
【頁 数】208ページ
【目 次】
CHAPTER1 「食農ビジネス」、その未来を変えるアプローチ
CHAPTER2 日本の農業を変える「食農ビジネス革命」
CHAPTER3 三浦大輝の「夜明け前」。食農ビジネスの道に進むまで
CHAPTER4 出会いを最大限に活かす三浦大輝流「つながり術」
CHAPTER5 みんな〈現場〉が教えてくれた次世代ビジネスのヒント集

 

▼さっそくこの本を読む

渋谷の八百屋発[食農ビジネス]革命
三浦大輝 扶桑社 2022-3-2
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三浦大輝さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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