【書評:2172冊目】写文セラピー練習帳(樺沢紫苑)

【1日1ページの音読と書き写しで心を癒やす!】
精神科医・樺沢紫苑氏が、『写文セラピー練習帳』と題して、1日朝夜の数分、8週間分の写文ワークを通じて、自分で自分を癒やす力を高める方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

言葉にしたことで、心が軽くなった。
そんな経験をしたことはありませんか?

 

本書は、『言葉にはあなたを癒やす魔力がある』と提起し、1日朝夜の数分、8週間分の写文(書き写し)ワークを通じて、自分で自分を癒やす力を高める方法を指南する一冊。

 

練習帳は、見開き1ページが1日分となっています。
まず見開きの右側は以下のような構成。
・その日の写文する「言葉」

・写文の効果を高める短めの「音読」文章

・写文する言葉に対する「解説」

・応用編としての写文用の「言葉」

 

そして、見開きの左側に、朝・夜の写文スペース(書き込みスペース)があります。
さらに、今日のフィードバックとして、その日の感謝する出来事などを書き留めておく日記スペースで構成されています。

 

また、見開き1ページが真っ平らに開くように凝った製本がされています。
この点、「ストレスなくどんどん書き込んでほしい」という配慮が感じられてとても好感が持てます。

 

この本の最大の価値は、『インプット』と『アウトプット』と『習慣化』の仕組みが一冊で完結する点です。
音読と写文が含まれていることで、自然とインプットとアウトプットをくり返すことになります。

 

さらに、ワークは全部で8週間分ありますので、”行動の習慣化”にも大いに役立ちます。
これは、本を読んだだけで頭の中に残らないという残念な状況の回避にもつながります。

 

<インプット><アウトプット><習慣化>。
この3点セットのサイクルを回すことは、自己啓発本において永遠繰り返されている教えです。

 

それを、これ以上ないほど負担少なく実践できるようにここまで集約させる。
そこに、著者としての凄みと底知れぬ情熱を感じざるをえません。

 

もちろん、写文ワークには実践することで得られる脳科学的効果もきちんと折り込まれています。
<写文の7つの脳科学的効果>
(1)脳が活性化する
(2)記憶力が向上する
(3)集中力、注意力が向上する
(4)自己洞察力が高まる
(5)アウトプット力が向上する
(6)読解力、読書力が向上する
(7)自分治癒力が身に付く

 

始業前や就寝前など、朝と夜の数分を使って行うワーク。
これさえできないのであれば・・・もう知りません、、といえるほどの一冊です。

 

◆自己啓発のひとつの完成形か?

写文セラピー練習帳
樺沢紫苑 幻冬舎 2025-4-23
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■【要約】15個の抜粋ポイント

<写文>
それでいい。今の自分でOK!
<解説>
「それでいい」は、「ダメなままでいい」とは違います。
今の自分を認めて、自分の足場を固め、エネルギーを蓄えるのです。

 

<写文>
自分で考え、自分で決断し、自分で行動する。
<解説>
現実世界を変えるためには、行動(アウトプット)が必要となります。
その手前に存在するのが「決定と決断」です。

 

<写文>
まあいいか、なんとかなる。
<解説>
過去は変えられない。
しかし、ネガティブ感情は、きれいサッパリ流せます。
さっさと受け入れて、次に進みましょう。

 

<写文>
今を生きる。今にフォーカスする。
<解説>
写文セラピーは、格好のマインドフルネスのトレーニングです。
たった3行を写文している間だけでも、「書き写す」ことに集中できれば、それがマインドフルネスです。

 

<写文>
ボーッとしていい。もっとボーッとしよう。
<解説>
一ヶ月に5時間は、自然の中で過ごすことを意識しよう。
頭を空っぽにして、「今、ここ」に集中できれば、脳は「リラックス」して休むことができるから、ストレスも消えていく。
公園のベンチで緑を見ながらボーッとすることができたら最高です。

 

<写文>
やれることを、やれる範囲でやっていく。
<解説>
無理な目標は、努力と根性でなんとかしようとしても、どうにもならない。
凄いストレス。
結果として、メンタルを壊します。
まずは「やれること」を一つクリアして、自信という経験値を蓄えましょう。

 

<写文>
行動すれば、不安は消える。
<解説>
不安なときは、とにかく何か行動する。
何をしていいかわからなければ、「運動」する。
身体を動かすと、不安は確実に減ります。

 

<写文>
過去と他人は変えられない。
<解説>
「変えられないこと」にエネルギーを注ぐのは人生の無駄。
「できること」「変えられること」「コントロールできること」に注力し、できることをできる範囲でやっていく。

 

<写文>
人間は変えられない、人間関係は変えられる。
<解説>
コミュニケーションとはキャッチボールです。
体力や技術が上達しなくても、今よりも「良い球」を返球しようという努力は、今日から可能です。

 

<写文>
太陽の光、リズム運動、朝食でセロトニン活性化!
<解説>
いちばん効果的なのが15分の「朝散歩」です。

 

<写文>
あなたの笑顔が、あなたを癒やす。
<解説>
朝の洗顔、トイレの手洗い、鏡を見るたびに、満面の笑みを作ってみる。
毎日続けると、自然な笑顔が出るようになります。

 

<写文>
たいていのことは、時間が解決する。
<解説>
今日ショックな出来事があった人は、さっさと寝た方がいい。
睡眠は、記憶と感情を上手に整理してくれる最高の治療薬です。

 

<写文>
当たり前のことに、ありがとう。
<解説>
できれば、「ありがとう」を言葉に出して伝えよう。
「ありがとう」で「つながり」が強まる。
人間関係が好転します。

 

<写文>
私には無限の可能性がある!
<解説>
小さな成功体験の積み上げが自信を作り、そこからの新しい挑戦が無限の可能性を生み出します。
失敗したら、フィードバックすればいい。
転んだら立ち上がればいい(レジリエンス)。
困ったら人に頼ればいい。

 

<写文>
私の人生には意味がある。私は社会に貢献している。
<解説>
「自分は社会の役に立っている」(自己有用感)と「社会貢献性」を意識すれば、自分の「存在価値」が見えてくる。
あなたには、かけがえのない価値があるのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2172-1】本書に沿って、8週間、朝夜に「写文セラピー」を行う

【2172-2】「写文セラピー」の実施時に感じたことは、ノートに書き出し視覚化しておく

【2172-3】「写文セラピー」を通して感じた変化をノートに書き出す

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】写文セラピー練習帳
【著者名】樺沢紫苑著者情報
出版社幻冬舎
【出版日】2025/4/23
オススメ度★★★★★
こんな時に心の平穏や導きがほしいときに
キーワード習慣術メンタル自己対話
【頁 数】176ページ
【目 次】
第1週:自己肯定感を高める言葉
第2週:レジリエンスを高める言葉
第3週:マインドフルネスを促す言葉
第4週:アウトプット力を高める言葉
第5週:コミュニケーション力を伸ばす言葉
第6週:コンディションを整える言葉
第7週:ストレスフリー、自分を癒す言葉
第8週:ウェルビーイングを実現する言葉

 

▼さっそくこの本を読む

写文セラピー練習帳
樺沢紫苑 幻冬舎 2025-4-23
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樺沢紫苑さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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